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第一部
2話:集配魔術士は災難少女に気を配る
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何やら村が騒がしい。
「ま、魔物だー!」
遠目に見るとそれはまるで意志を持った火の玉のような走りだった。凶牛族である。
「グハーッ!」
村人が悲鳴をあげる。その声を聞きつけ村の選りすぐりの魔術士たちが助けに・・・と思いきや必死に逃げる。
「おいおい、アイツら我先にと逃げ出したぞ。」
思わず笑ってしまった。あれだけ威張っていたくせに戦闘になると逃げ出すなんて、、。
「キャアッーーー!」
ふと見ると一人の少女が逃げ遅れ敵にやられそうになっていた。体が勝手に動いた。
「ハアッ!」
俺は少女の前に魔法障壁を展開する。魔法障壁と言っても天性の魔力量の多さに頼ったただの壁に過ぎず、無残にも破壊された。ただ、時間稼ぎにはなったようだ。
「集配!」
そして俺は魔除けの草として育てられるアルダ草(英雄AL=Méridaから)を敵の前に送る。魔物たちはその匂いにやられ混乱する。【できるだけ戦闘は避けたい。今のうちに逃げよう】だがそれでもなお二人を追ってくる。狙った獲物は逃がさない質らしい。考えろ!俺。頭をフル回転させて状況を把握する。相手は凶牛族だ。混乱しているとはいえ奴らは一蹴りするだけで十メートルは跳ね上がる。できるだけ距離を取らねばならない。何かできないか。この最大の危機が俺に一つの答えをもたらすーーー(集配は配る魔術だ。それならこの魔術を外界に設立し、自身に向けて使えば自身を配る、つまり瞬間移動が可能なのではーー無いか)俺は全力で詠唱を始める。
「自配!」
光が二人を覆う。やった・・・のか・・意識が遠のくのを感じる。
気がつくと村の治療室にいた。
「め、目が覚めたんですね。さっきは守、いや逃してくれてあ、ありがとうございます。」
この失礼な、目の前にいる子が俺が凶牛族から守ってやった少女だった。こうして改めて見ると可愛らしい少女だ。綺麗に巻かれたうす紫色の長髪に月を思わせるような金色の瞳。どこかの貴族の令嬢だろうか。彼女からその後凶牛族が他の村へ移動して行って助かったこと、俺が長い間気絶していたことなどを聞いた。
「そういえば君、名前は?」
「わ、私ですか。こほんっ!私は王国御三家アメジス家の令嬢、エステラ=アメジスその人よ。とっととひれ伏しなさい!だそうです…」
大丈夫かこの娘。完全にテンプレ通りに言ってるのがバレバレなのだが・・・
「あなたは何者ですか」
「まるで俺が悪者みたいな言い方だな。まあいい、俺は、俺は・・・ルヴェン・・だそうだ」
「ふふふ貴方も同じじゃないですか」
彼女は笑いかけてくるが、それどころではなかった。
俺はふと思い出す。俺はルヴェン。だが、自分のことをルヴェンだと自覚したことは無いということを。そして俺は自分の名前が嫌いだということを。ーーー確か八歳の時だっただろうか。あの日、俺の全てが変わった。
「ま、魔物だー!」
遠目に見るとそれはまるで意志を持った火の玉のような走りだった。凶牛族である。
「グハーッ!」
村人が悲鳴をあげる。その声を聞きつけ村の選りすぐりの魔術士たちが助けに・・・と思いきや必死に逃げる。
「おいおい、アイツら我先にと逃げ出したぞ。」
思わず笑ってしまった。あれだけ威張っていたくせに戦闘になると逃げ出すなんて、、。
「キャアッーーー!」
ふと見ると一人の少女が逃げ遅れ敵にやられそうになっていた。体が勝手に動いた。
「ハアッ!」
俺は少女の前に魔法障壁を展開する。魔法障壁と言っても天性の魔力量の多さに頼ったただの壁に過ぎず、無残にも破壊された。ただ、時間稼ぎにはなったようだ。
「集配!」
そして俺は魔除けの草として育てられるアルダ草(英雄AL=Méridaから)を敵の前に送る。魔物たちはその匂いにやられ混乱する。【できるだけ戦闘は避けたい。今のうちに逃げよう】だがそれでもなお二人を追ってくる。狙った獲物は逃がさない質らしい。考えろ!俺。頭をフル回転させて状況を把握する。相手は凶牛族だ。混乱しているとはいえ奴らは一蹴りするだけで十メートルは跳ね上がる。できるだけ距離を取らねばならない。何かできないか。この最大の危機が俺に一つの答えをもたらすーーー(集配は配る魔術だ。それならこの魔術を外界に設立し、自身に向けて使えば自身を配る、つまり瞬間移動が可能なのではーー無いか)俺は全力で詠唱を始める。
「自配!」
光が二人を覆う。やった・・・のか・・意識が遠のくのを感じる。
気がつくと村の治療室にいた。
「め、目が覚めたんですね。さっきは守、いや逃してくれてあ、ありがとうございます。」
この失礼な、目の前にいる子が俺が凶牛族から守ってやった少女だった。こうして改めて見ると可愛らしい少女だ。綺麗に巻かれたうす紫色の長髪に月を思わせるような金色の瞳。どこかの貴族の令嬢だろうか。彼女からその後凶牛族が他の村へ移動して行って助かったこと、俺が長い間気絶していたことなどを聞いた。
「そういえば君、名前は?」
「わ、私ですか。こほんっ!私は王国御三家アメジス家の令嬢、エステラ=アメジスその人よ。とっととひれ伏しなさい!だそうです…」
大丈夫かこの娘。完全にテンプレ通りに言ってるのがバレバレなのだが・・・
「あなたは何者ですか」
「まるで俺が悪者みたいな言い方だな。まあいい、俺は、俺は・・・ルヴェン・・だそうだ」
「ふふふ貴方も同じじゃないですか」
彼女は笑いかけてくるが、それどころではなかった。
俺はふと思い出す。俺はルヴェン。だが、自分のことをルヴェンだと自覚したことは無いということを。そして俺は自分の名前が嫌いだということを。ーーー確か八歳の時だっただろうか。あの日、俺の全てが変わった。
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