最強魔力量の最弱魔術士はマトモに戦わない

༺みずな(シャキシャキ)࿐

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第一部

11話:集配魔術士は日常を楽しむ2

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 俺たち一行はダンジョンの探索に来ていた。ラリアの山の奥深く、ここは王都から少し離れた西側の地方だ。

俺たちは洞窟らしきところを進んでいく。

「てゆうか何で俺がお前らの荷物持ちなんだよ。」

「当たり前だ。お前はあと少しのとこで血迷ったんだ。あれだけエステラ様が行きたがってたのに。」

はぁ~俺はため息をつく。こんなことなら元から行くなんて言わなきゃ良かった。

イフリーナが先頭に立ち、襲ってくるコボルトと呼ばれる中級悪魔達を薙ぎ払う。
ちなみに、この時のパーティのレベルは27、18、18だったので、平均は21レベまで上がっていた。
一般成人冒険者の平均レベルは20から25なのでかなり近づいている。

 急に道が細くなり、崖のあるひらけた場所にきた。

「ーーシッ!何か来る。」

「出た!旋風豹スティッフ・パンスァだ。」

細い道で少し足を踏み外せば崖。さらに奴らの特徴は尻尾をプロペラのように回転させて飛びかかってくる。奴らにとって最高の狩場だ。

「道が細すぎて斬撃が使えない!」

イフリーナが守りに徹している。こうなったら俺がやるしかない。

「エステラ!回復を頼む。」

「はい、了解しました。」

俺は向かってくる敵を【集配】で崖の下へと落とす。間に合わず崖の下にに突き落とされれば、【自配】を使ってテレポートし、万が一の時は回復も任せてあるので余裕で倒せた。とは言えただ単に尻尾で登れない崖に落としただけだったが。

「終わりましたわ。奥へ進みましょう。」

しばらく行くと広間に出た。嫌な予感がする。

「ガルルルルッ!」

エステラが何かに襲撃される。腕を怪我している。これでは回復魔法が使えない。

「地面です!敵は下から来ました。」

その刹那、イフリーナが攻撃を受ける。
「グハァァア!!」

「おい!しっかりしろ!」

「…奴は、聞いたことがあるわ。一角土竜モール・アングルよ。奴の弱点は鼻よ。」

マズイ。この状況はマズすぎる。敵は地中を自由に動き、突き上げてくる。つまり、肉眼では感知できない。なら魔力で何とかするしかない。
俺は物や情報を集める魔術を気配に応用する。

『【周配】!!』

敵の位置が手に取るようにわかる。動きを予想し【自配】で避ける。何度か様子を伺い、動きが鈍くなった今がチャンスだ。

【襲配】

鼻を壊してやる。敵はのたうち回ってその場に崩れた。

「二人ともしっかりしろ!」

携帯していたカリタス草を擦って薬を作る。この薬草には出血を止める効果がある。

辛うじて立ち上がった二人に俺が聞いた。

「そろそろ最深部に到着する。だがイフリーナは足、エステラは腕を怪我している。どうする、諦めて帰るか?」

「いいえ。私たちは帰りません。最後まで戦います。」

「ああ、そういうと思ったよ。だから作戦がある。よく聞いておけ。………。というわけだ。やるぞ!」

「はい!」

最深部へと到着した。奥には扉が見える。あの先に宝が眠っているようだ。
扉へと近づく俺たちに向かってきたのは、、、!

災害級超凶熊フライト・フル・ベアーだった。

その巨体からは想像できない圧倒的なスピードで叩き潰してくる。

「ズギィィン!!」

俺たちは出だしの一撃を何とか交わす。

「よし、エステラ!魔術の発動を!」

「私の新スキルを見せてあげます。強化祈祷魔術
【鳳来】!!!」

神鳥をかたどった幻影が俺とイフリーナを強化する。俺たちの移動速度が上昇し、エステラと眼と思考を共有できる。つまり、視界が広がる上に、いちいち作戦を伝える必要もないというわけだ。

「それではルヴェンさん頼みます!」

「よし、イフリーナもこっちへ」

敵の攻撃が迫る。

ギュィィン!!ズバーン!!!

間一髪、俺が二人を連れて【自配】を使う。
その後、俺とエステラ、イフリーナの二手に分かれ、攻撃を開始する。

【集配】!!

イフリーナを敵の腕の近くに飛ばす。

【火焔剣~一刀両断】!!!

イフリーナはその一撃に力を込め、敵の右腕を切り落とした。

「よし。エステラ!撤退のタイミングを俺たちに教えるんだ。」

エステラが状況を把握し、その瞬間を伝える。

(今です!)

【集配】!!

左手で岩石をぶつけてきたタイミングでイフリーナをテレポートする。そして、、、
守りの手薄になった首筋をイフリーナが獲る!!

【火焔剣~五月雨】

華麗な連続技を決め、頑丈な首が切れる音がする。


スパーンッ!

巨体が崩れ落ちた。

「やった勝ったぞーッ!」

「はい、やりましたね。」

「フッ当然だ。お前がいなくとも勝てた。」

扉を開けるとそこにはアクセサリーやら剣やら昔のお金やらがたくさんあった。

「素晴らしいです。綺麗なアクセサリーが沢山。」

「この剣は!!『八文劔』。装着者の力を高める究極の秘宝だ。まさかここにあったとは!!」

「翡翠と超魔鉱石マナカルトのブレスレットですぅ~。魔力が高まる感じがします。」

なんか二人とも欲しいものが手に入ってよかったな。でもところで俺は何が欲しいんだ?攻撃力、魔力攻撃が0の俺に剣も杖も要らないしなぁ。

「ルヴェン、これはどうだ。」

イフリーナが何か大きな箱を持ってきた。ローブだ。(確かに、こっちにきてから服を変えてないしこういうの魔術士っぽくていいな。しかも軽そうな感じだ。)俺はローブを手に取った。

「ハッ!イフリーナが驚く。このローブをつけたとき、一瞬だが気配が消えるのを感じた。装着者の意思で気配を消せるローブのようだな。」

「本当か!?」
(それなら使い勝手がいい。この先スパイ行動や戦闘、逃走の機会が増える予感がするからな。)

 
 俺は、ありったけの財宝を【集配】でアメジス家へと送り、自分たちもダンジョンを脱出した。
冒険者ギルドに一通りの報告をし、と言っておいた。イフリーナとエステラが呼んでいる。俺はこんな楽しい日常が続いて欲しいと思う反面、

そろそろを決めなければいけないと思っていた。















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