最強魔力量の最弱魔術士はマトモに戦わない

༺みずな(シャキシャキ)࿐

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外伝

英雄の伝記〜その1

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 今からお伝えする話はとある英雄の物語サーガであります。



「リュカ、準備はいいか!」

「はい!砲撃の準備はバッチリであります。」

「そりゃあいい。今回の進軍で奴らとの戦いも終わりにしよう。」

男は期待と勝利の灯火をその紅い眼に映していました。
この男こそが、ルーク・アルフォードでした。

「全軍に告ぐ!魔族の存在を確認した。攻め落とせーーー!」

「ウオォォォーッ!」

彼の率いる軍は、王国随一の強さと言われており、魔族たちを圧倒したのであります。

(メリッサ。待っていろよ。すぐに戻るからな。)




その頃、屋敷では素敵な子守唄がが響いておりました。

ふん、ふふふん、ふん、ふーんふふん~

メイベル、早く寝なさい。お母さんがせっかく歌を聞かせてあげてるのよ。寝る子は育つっていうでしょ。私の愛しいメイベル、メイベル、メイベ…

その子はすやすやとよく寝る子でした。今日も母の胸の中でいつまでも響く優しい声とともに、安心して眠りにつくのでした。



翌日のこと。

「ルーク様、敵の防壁を突破しました!」

「それは本当か!?予定よりも随分と早かったな。よし、俺が行って確かめてくる。」

ルークが見た景色は、想像を大きく超える状況だったのです。

(なんてことだ……。逃げ遅れた魔族たちの死体が散らばっている。それも我らと戦う意思もなく、呑気に食事をしている姿で。)

「ハハハハハ、アイツら逃げていくぞ。」

「ああ愉快だ。良いものがたくさんあるぜ!」

兵士たちは小汚い盗賊のように、魔族の住処を荒らし、自分のものにするのでした。

(何なのだ!俺の中にある魔族への哀れみは。俺は国の騎士団長として悪いことをする魔族を倒しにきたのだろう。今更何を考えてる、俺!!)

「団長!別働隊を派遣したアズーの村でも同様の戦果が得られた模様です。」

「団長、それが…西のガトランの町でも魔族を瞬殺したとのことです。」

「何ーッ!奴らは抵抗しなかったのか!?」

「自分が確認したところ戦意を損失したかのように我が軍にされるがままになっている様子でした。」

(三つの拠点全てで?一体どうなってるんだ?)

「全軍の中核メンバーを一旦中央平原へ集めよ!!」

「ハハーッ!」

(しかし魔族は本当に人間に害を与える存在なのだろうか、、。)

ルークは自分の考えを試すために、中核メンバーを呼ぶのでした。




「ルーク様、どうされましたか?」

「皆の者!!よく聞いてほしい。我々は魔族に宣戦布告をしたが全く襲ってこない。それについてどう思う?」

「はて。そんなことはどうでも良いのでは?魔族の
滅亡こそが人々の願いなのですから。」

「その通りです。進軍をしましょう。」

「しかし、彼らは和解を望んでいるのかもしれません!」

「お前は黙っていろ!新入りがーッ!」

「もう良いんだリュカ。俺は決めた。全軍を撤退する!!!」

ギランッーーー

そう言い放ったルークに進軍を希望するネイルの剣先が向けられる。

「ルーク!!お前がやろうとしていることがどういうことから分かるかぁぁぁ!」

「立派な国家反逆罪だぞ!」

「ああ、分かっている。だがな、俺は思うんだ。今までに魔族が手を出してきたことがあったか?魔族が現れれば勝手に嫌悪の情を抱いていたのは人間の方なのではないか。」

「貴様、まだ言うか!」

理由意味のない戦いを国を背負って戦うのは騎士の恥だ!!俺がすべての責任を取る。撤退だーーー!」

「戦う気のある奴だけで戦えば良い!!こんなひ弱な野郎はもう団長じゃねぇ。」

「しかし、百戦錬磨の戦いに勝利してきたルーク様の指揮は的確です。ルーク様なしでは無駄な犠牲者を出してしまいます。」

「なら良い。我々西軍だけで侵攻する!!」

「さらばだ!ルーク!!」

ルークはその光景をジッと見つめておりました。
自分の軍がバラバラになっていく様子を、悲しみに暮れた目で……。





















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