最強魔力量の最弱魔術士はマトモに戦わない

༺みずな(シャキシャキ)࿐

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第二章ダークネスコンスピラシー

3話:集配魔術士は試練を乗り越える

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    窓から差し込んだ陽光が気持ちいい朝だった。外では鳥のさえずりが聞こえ、羽化したばかりのヒナを暖かく包み込むようなのんきさがあった。

起きて下さい!ルヴェンさん、ララさん」

言われるままに体を起こすと、そこには既に着替えを済ませたエステラの姿があった。

「おはようエステラ」

「もう、毎回そうですがルヴェンさんは寝すぎです。早く起きる練習をしましょうね」

エステラが三歳児を見るようにな目で俺を見てくる。一つの部屋を4人で共有していたのだから、よく寝付けないに決まっている。

「余計なお世話だ・・・」

まだすやすやと寝息を漏らしているララはほっといて、俺達は朝食を食べるために下に降りた。大広間にはすでに屋敷の貴族達が着席し、そこにはイフリーナの姿もあった。

「お待ちしておりましたぞ、ルヴェン殿」

この声はこの家の当主であり、エステラの父でもあるバルカスの声だ。

「ああ久しぶりバルカスのおっさん」

「エステラ、隣に座ってやれ」

「はいお父様」

「よし、これで全員揃ったかの~それじゃあいただ」

「ちょっと待った~私を置いていくなんてヒドイ」

そこに現れたのは猫耳の可愛らしい少女、ララだった。

「間に合ったか~」

「『間に合ったか』じゃないよ。てか何で少し残念そうにしてるの?」

(それは、ララが遅れてきた方が絵柄として面白いし)

「残念そうになんかしていないさー。ほら、みんなを待たせてるぞ。早く俺の隣片方空いてるから座れ」

「えっとルヴェン殿?この少女は誰かの?」

「そういえばバルガスのおっさんに言ってなかったな。この子はうちの新しいパーティーメンバーのララだ」

「そうですか、賑やかになりましたな~」

「バルガス殿、そろそろ頂きましょう」

イフリーナが切りがないと言った表情で父に催促する。

「そうじゃな。皆の者待たせてすまなかった。それでは改めて、エステラのパーティメンバーの帰還に
乾杯~!!!!!!」

和やかなムードで他愛ない話をしながら俺達は朝食を楽しんだ。エステラとあれこれと思い出を話しながら、ふと隣を見ると、食べたことのない高級料理にララが頰を赤くしていた。そして朝食が終わると俺は、イフリーナに呼び出された。そちらへ向かうと、すでに男の騎士が1人待っていた。何だか見覚えのある顔だが、思い出せない。

「イフリーナ、あちらの騎士は誰だ」

「ああ、フェリペ様の事ですね。彼にはで集まってもらったのですよ」

。心当たりはあるとすれば、ドレイクシャドウのメンバーとの密会であった。
まさか、あの男フェリペがメンバーだという事なのか。

「フェリペ様、お待たせいたしました。こちらがルヴェン殿です」

「よくぞいらっしゃった、ルヴェン殿。我がドレイクシャドウに入団したいとの事だそうですね~」

何だこの人をおちょくる様な口調のイラっとする騎士は・・・いや、コイツはただの橋渡し役でこれから本物が出てくるという可能性もある。

「早く、ドレイクシャドウのメンバーに合わせていただきたいのですが」

「全く無礼だね~。俺がドレイクシャドウのメンバーだ。立場をわきまえてくれないとね~」

俺は直感的にコイツは本能的に受け付けられないと感じた。まあ何というか、ソリが合わないというか。

「そうでしたか、失礼をお許しください」

「まあいい、本題に入ろうかね。まさかドレイクシャドウが何をする集団なのか、聞いたことがないわけないよね~」

「暗殺や工作を施す隠密集団と見ているが・・・」

「違~~う!!!我々が求めているのは王国の発展と反映である!!んだね~」

この王国の未来なんぞどうでもいいと思っている俺には全く興味のない話だった。

「とりあえず本題に入ってください」

「そうだね~。我々の目的は君も知っている通り、ザラード家の娘メイベルと王の息子レイジの結婚を止めることだ。君も何故かは知らんが我々に協力したいと。」

「ああ、そうだ。お前らの計画を教えてくれ」

「協力は感謝するが、君は信頼できるのかね~。一回私と、剣を交えてみないかい?」

「ああ、いいだろう。その勝負引き受けてやる。もし俺が勝ったら俺を正式にメンバーと認めてくれるな」

「言っておくけどね~私は相当強いんだけどねぇ」

その言葉は嘘ではない様だった。なかなか骨のありそうな男で魔法練度、剣術練度共に一級だ。それにこの澄ました笑顔、俺相手に余裕とでも言っているように見える。この程度の相手にやられるようじゃ俺の目的は果たせない。上等じゃねぇか!

「ルールは簡単、降参の意思表示をする、または魔力量がゼロになったらおしまいにしよう」

「了解だ、遠慮なく行かせてもらうぞ!」

俺は素早さ補正のかかるベルジュ・レイピアを抜くと、その勢いのまま敵の懐へ一撃を叩き込む。もちろん、攻撃力は0で。

「何て速さだ!ぐはっ・・・ぁあ?あれ、傷ひとつないね~(舐めてるのかコイツはッ!いや、そうじゃない、今のは奴の本気の一撃だった。じゃあ本当にコイツは攻撃力がということか)ちょっと驚いたけど君じゃ私は倒せないよ!」

(隙を作るためだとも知らずにチョロいもんだな)

「【風おろし六刀流】!!!」

風を纏った六連撃が凄まじい速さで放たれる。俺は、剣で受けるだけでも大変だった。

一旦【自配】で距離を取り、体勢を立て直す。

「移動魔術か何かか。少し離れたところで、どうにもならないよ」

「さて、それはどうかな?」

俺には考えがあった。【改配】をあえて使わなかったのも、相手の攻撃パターンを読み取るためだ。敵の追撃が襲う!!

「風魔術【かまいたちの一閃】」

何が起こったのかわからないほど一瞬だった。凄まじい速さの風刃が肌をかすめる。だがここは特に動かず、防御して耐える。

「これで終わりだね~風魔術【風流流星斬り】ィィィィ!!!」

巻き起こした風に乗り、まるで弾丸のように飛んで来るその技の威力は、流石に防げない。

【改配】素早さを500近くまで上げる。

それでもやっとの事でよけられた。完全に好き勝手技を打たせていたため、斬撃の速さは最大限まで高まっており、完全には捉えきれなかったのだ。しかし、自分の最強技を避けられたことに、相手は驚きを隠せない。

「嘘だろ!私のこの技を避けられる者が本当にいるとは・・・貴様は一体、何者だ!!!」

「俺はしがない集配魔術士だ。決着をつけさせてもらおうか」

俺は、あるを用意していた。まず【集配】により魔力を他人に配ることができる。しかし、見方を変えれば、俺はその可能性を見出した。そして、習得したのは敵の魔力を奪う【集杯】だ!

しかし、【集配】で魔力を配るのには条件として対象に触れる事が必要である。それは、仕組みを逆転させた【集杯】においても同じだ。だから俺は、この魔術集杯レイピアに込めて放つ!!!

「集配魔術【集杯纏乱剣舞しゅうはいてんらんけんぶ】」

自身の奥義があっけなくも避けられ、無力感に打ちひしがれた相手にはもう、まともに守る事さえ出来なかった。

ヒュィィイイン!!!

ヒュイイインンンン!!!

ズガーン!!ズギーン!!

魔力が相手から切られるたびに吸われていく。

これで終わりダァァァァ

ギュィィィィンンンン!!!

魔力を完全に吸い尽くした事で、勝敗が決した。
・・・
・・・・
・・・・・・・・

相手はしばらく絶望の色に染まっていたが、何かを決したように立ち上がり俺の方を向いた。

「見事にやられちゃったね~認めざるを得ない、キミはもう、立派なメンバーの1人だよ」


そう言うとフェリペは俺に握手を求めてきた。彼の手の煮えたぎる血の流れる熱い感覚が俺の中に入ってくる。それは、お互いの力を認め合い、として認識した瞬間だった。







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