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第二章ダークネスコンスピラシー
4話:集配魔術士はこんな時に冒険に行く①
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俺たちパーティーメンバー4人は王都の石畳の城下町をドコドコと歩いていく。今は昼どき。王都は活気に溢れ、行き交う人々の声に飲み込まれそうになる。
・・・
・・・・・・・
「で、ルヴェン。貴様はなぜ城下町を下っている」
「なぜってそりゃぁ冒険ギルドに行くためだろ」
「メイベル様の婚姻の件はどうするつもりだ!こんな大事な時に冒険なんか行っていていいのか!?」
「まぁ言う通りだな。でもせっかく4人が集まったんだ!冒険一回くらいいいんじゃないか?」
「!?」
イフリーナの視線が痛い。しょうがないので俺はそれに弁明するように紫髪のお嬢様のほうを横目でチラホラと黙視する。
「あ、あの~私が冒険に行きたいとルヴェンさんに話したんです・・・」
「エステラ様!事態の深刻さを理解して下さい!」
「・・・冒険は・・いや・・・ですか?」
エステラのつぶらなひとみに流石のイフリーナも後じさりする。
「別に、そういうわけでは・・・」
「よし!もう文句はいいな。ほら見てみろよ!あれがなつかしの冒険者ギルドだ!!!」
エステラとイフリーナは懐かしむような目で、ララは期待に胸を膨らませたような様子で、それを見つめる。そういや俺は大事なことを忘れていた。
このギルドの受け付け嬢、相当な面倒くさがり屋だったような・・・
「ルヴェン、どうしたのぉ?」
ララが俺の様子を不審に思ったのか、覗き込むような目でそう言う。
「ははっ何でもないさ」
ガチャンッ!
中に入ると数多の冒険者たちがワーワーギャーギャー叫びながら愉しんでいた。見たところ、冒険に行った帰りみたいだ。
「いらっしゃいませ!冒・・・」
受け付け嬢は何かを悟ったように言い直す。
「ええ~お客様??返済ですか?解散ですか?」
どっちでもないわ!!!
と声を荒らげたいところだが、そこはじっと我慢してさっさと本題に入る。
「今日受けられるクエストはどれだ?」
受け付け嬢は素早い動きで、全ての依頼書を張り替えた。
「はい、お客様。こちらになります」
(いい加減お客様じゃなくて冒険者と呼べ冒険者と!それと今の動き、怪しすぎるだろ)
「どれどれ、拝見させてもらおうか」
ッーーーー!?
そこには恐ろしい内容しか書かれていなかった。
「あっ!ルヴェンさん。こちらのクエストはどうでしょう!!『八つの首から放たれる冥府の炎はまるで生きる地獄!!ヤマタノオロチ』ってやつです」
「エステラ、それだけはダメだ・・・」
「えーじゃあこっち。『極寒の地を彷徨う謎の古代兵!!彼は怨念を体現させ生き続ける!果たしてその真相とは??』とか面白そうです」
「それはそれで怖いわ!そんなのに関わったら呪い殺されそうだ。何かもっとマトモなクエストは無いのか!?」
「ルヴェンこれは?『王国東の洞窟の中に新ダンジョンの入り口を発見!!詳細は不明、探索者求む』」
「詳細不明ってのがネックだが他のに比べたらまだ攻略できそうだな」
「はい、ララさん。冒険は今まで知らなかったことを知れるから楽しいんです!是非そこにしましょう」
「私は断じて反対だ!!ほらルヴェン。お前も言っていただろう。(難易度の分からんクエストにいくかー?)とか、ひよってただろう。エステラの身に何かあったらどうするつもりだ!」
「まぁその時はウチの最強女剣士が華麗に守ってみせるだろ」
(最強・・・華麗に・・・か、まぁ悪くはないかもしれん・・・)
「し、仕方ない。とっとと攻略するぞ!」
(何を思ったかイフリーナが急にやる気を出した。エステラのことを出せば鬼の女剣士もチョロいもんだ)
一安心していると、俺の考えを悟ってか彼女は鋭く睨みつけてくる。
ンーーーッ!!
(ってのは嘘だ嘘)
というわけで俺たちは東の洞窟、アウグストリー洞窟に来ていた。周囲は山々に囲まれ、その一際目立つ大山の麓にそれは位置していた。ダンジョン攻略前に気になったので一応自分のステータスを確認しておく。
新しく習得した魔力を吸収する【集杯】に加えて、【改配】、【集配】のレベルが上がっている。魔力吸収によって戦略の幅が広がり、【集配】で中級魔術程度なら取り込んで放出できるようになったのはかなり大きい。【改配】も、対象に触れる必要があるものの、30程度のステータス操作をできるようになった。ただ、大体の魔術が受け身であるということは根本的に変わっていない・・・
(やはり俺一人では何もできないんだな)
俺は、パーティメンバーのありがたさを感じた。
「こんなとこにダンジョンがあるなんて、発見したやつはよほど暇だったなぁ」
「誰がどんな目的で作ったダンジョンなのでしょう」
「ほらみんな!早くいこー」
「まぁ乗り気ではないが行ってもいいぞ」
「よしみんな、行くぞ!」
俺はそう言って洞窟の奥へと進んでいく。しばらくすると行き止まりにたどり着いたので、周囲を調べているうちに、一つだけ動く岩があることが分かった。
俺たちは動く岩があるという衝撃的な光景に驚きと冒険への期待が募っていた。
・・・
・・・・・・・
「で、ルヴェン。貴様はなぜ城下町を下っている」
「なぜってそりゃぁ冒険ギルドに行くためだろ」
「メイベル様の婚姻の件はどうするつもりだ!こんな大事な時に冒険なんか行っていていいのか!?」
「まぁ言う通りだな。でもせっかく4人が集まったんだ!冒険一回くらいいいんじゃないか?」
「!?」
イフリーナの視線が痛い。しょうがないので俺はそれに弁明するように紫髪のお嬢様のほうを横目でチラホラと黙視する。
「あ、あの~私が冒険に行きたいとルヴェンさんに話したんです・・・」
「エステラ様!事態の深刻さを理解して下さい!」
「・・・冒険は・・いや・・・ですか?」
エステラのつぶらなひとみに流石のイフリーナも後じさりする。
「別に、そういうわけでは・・・」
「よし!もう文句はいいな。ほら見てみろよ!あれがなつかしの冒険者ギルドだ!!!」
エステラとイフリーナは懐かしむような目で、ララは期待に胸を膨らませたような様子で、それを見つめる。そういや俺は大事なことを忘れていた。
このギルドの受け付け嬢、相当な面倒くさがり屋だったような・・・
「ルヴェン、どうしたのぉ?」
ララが俺の様子を不審に思ったのか、覗き込むような目でそう言う。
「ははっ何でもないさ」
ガチャンッ!
中に入ると数多の冒険者たちがワーワーギャーギャー叫びながら愉しんでいた。見たところ、冒険に行った帰りみたいだ。
「いらっしゃいませ!冒・・・」
受け付け嬢は何かを悟ったように言い直す。
「ええ~お客様??返済ですか?解散ですか?」
どっちでもないわ!!!
と声を荒らげたいところだが、そこはじっと我慢してさっさと本題に入る。
「今日受けられるクエストはどれだ?」
受け付け嬢は素早い動きで、全ての依頼書を張り替えた。
「はい、お客様。こちらになります」
(いい加減お客様じゃなくて冒険者と呼べ冒険者と!それと今の動き、怪しすぎるだろ)
「どれどれ、拝見させてもらおうか」
ッーーーー!?
そこには恐ろしい内容しか書かれていなかった。
「あっ!ルヴェンさん。こちらのクエストはどうでしょう!!『八つの首から放たれる冥府の炎はまるで生きる地獄!!ヤマタノオロチ』ってやつです」
「エステラ、それだけはダメだ・・・」
「えーじゃあこっち。『極寒の地を彷徨う謎の古代兵!!彼は怨念を体現させ生き続ける!果たしてその真相とは??』とか面白そうです」
「それはそれで怖いわ!そんなのに関わったら呪い殺されそうだ。何かもっとマトモなクエストは無いのか!?」
「ルヴェンこれは?『王国東の洞窟の中に新ダンジョンの入り口を発見!!詳細は不明、探索者求む』」
「詳細不明ってのがネックだが他のに比べたらまだ攻略できそうだな」
「はい、ララさん。冒険は今まで知らなかったことを知れるから楽しいんです!是非そこにしましょう」
「私は断じて反対だ!!ほらルヴェン。お前も言っていただろう。(難易度の分からんクエストにいくかー?)とか、ひよってただろう。エステラの身に何かあったらどうするつもりだ!」
「まぁその時はウチの最強女剣士が華麗に守ってみせるだろ」
(最強・・・華麗に・・・か、まぁ悪くはないかもしれん・・・)
「し、仕方ない。とっとと攻略するぞ!」
(何を思ったかイフリーナが急にやる気を出した。エステラのことを出せば鬼の女剣士もチョロいもんだ)
一安心していると、俺の考えを悟ってか彼女は鋭く睨みつけてくる。
ンーーーッ!!
(ってのは嘘だ嘘)
というわけで俺たちは東の洞窟、アウグストリー洞窟に来ていた。周囲は山々に囲まれ、その一際目立つ大山の麓にそれは位置していた。ダンジョン攻略前に気になったので一応自分のステータスを確認しておく。
新しく習得した魔力を吸収する【集杯】に加えて、【改配】、【集配】のレベルが上がっている。魔力吸収によって戦略の幅が広がり、【集配】で中級魔術程度なら取り込んで放出できるようになったのはかなり大きい。【改配】も、対象に触れる必要があるものの、30程度のステータス操作をできるようになった。ただ、大体の魔術が受け身であるということは根本的に変わっていない・・・
(やはり俺一人では何もできないんだな)
俺は、パーティメンバーのありがたさを感じた。
「こんなとこにダンジョンがあるなんて、発見したやつはよほど暇だったなぁ」
「誰がどんな目的で作ったダンジョンなのでしょう」
「ほらみんな!早くいこー」
「まぁ乗り気ではないが行ってもいいぞ」
「よしみんな、行くぞ!」
俺はそう言って洞窟の奥へと進んでいく。しばらくすると行き止まりにたどり着いたので、周囲を調べているうちに、一つだけ動く岩があることが分かった。
俺たちは動く岩があるという衝撃的な光景に驚きと冒険への期待が募っていた。
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