最強魔力量の最弱魔術士はマトモに戦わない

༺みずな(シャキシャキ)࿐

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第一章:レジスタースロウ

1話:集配魔術師は金が無い①

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荒野を抜け、ウェグの大森林にて繊維で服を編んだ俺は、一晩野宿していた。最低限のことを済ませて一息ついた俺は、禁術によって封じられていた俺の本来の魔術属性が気になっていた。

元の体より今の体はまだ細く、髪色も金髪だが白髪に近い鳥の子色である。だが一つ肉体を変えてもなお残っていたのは、アルフォード家の灼眼だった。早速、ステータスを確かめてみる。


"魂配魔術"それが俺本来の魔術。【集配】、【周配】、【集杯】はそれぞれ上位効果となり、【襲配】に関しては肉体を透過し、魂そのものを切る【魂奪剣】へと生まれ変わった。【自配】、【改配】は魔術のカテゴリーとして似ているためかLvが落ちずに残ったようだ。


とりあえず俺は死んだ事になっているはずだ。姿も体格も変わっている。このまま死んだ事にしておいた方が身も軽くなりそうだ。
だが、一つ懸念がある。パーティーメンバーに心配をかけてしまうだろう。そもそも荒野に俺の死体が転がってて誰が生きてると思うだろうか?ララに応援を頼ませたが、俺のせいで奴らは逃げララには酷い姿を見せる事になるだろう。

だが、今は我慢だ。誰も俺が何者かわからないからこそこれは好機だ。



森を抜け王都へ駆け込む。ドレイクシャドウによるザラード家屋敷潜入作戦の動向を探りたかったからだ。メイベルはあの魔女の元におり当然失敗するのだが、ザラードが何を企んでいるのか知りたかった。

王都の下町まで来た俺は最も肝心なことを忘れていた。今までアメジス家のお陰で何一つ不自由しなかった"金の問題"だ。その所為で町の情報屋から情報一つ貰えず、調査は頓挫していた。

(やはり、側から見たら俺は布切れ一枚の田舎者。誰一人取り合ってはくれないよな)

情報収集もしたいが、装備とお金も手に入れたい・・・こうなったら早速魔術の出番だ。

【魂配】!!

グハァッ! 体の芯から激痛が走る。魂の分割は相当な負荷がかかるのだ。

俺の魂の一部をクモの死体に移植する。すると、しばらくして蘇り、スルスルと動き出した。試してみたところ、任意で視覚と聴覚をを切り替えられるようだ。また、命令を出して使役する事ができる。


ほう。なかなか使える魔術だな。まだまだあの魔女を倒す事は到底無理だが。
とりあえず、コイツを酒場に潜入させておく。これで情報収集は完璧だ。あとは装備の方だが・・・

解決手段はあるにはある。ただ、かなり面倒くなりそうだ、、。
が居るんだもんな。
 

しばらくして、俺は目的地である冒険者ギルドについた。やはり王都のギルドは昼夜問わず大盛況だ。うっすらとした記憶だが、確か新規パーティ登録料が15ジェラ(15万円)もするんだった。到底俺一人でその金額を用意するとなると、丸々一ヶ月はかかる。となると、すでにある冒険者ギルドに入れてもらうしかないな。

そうして、俺は厄介な事にまた巻き込まれる事になる。









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