最強魔力量の最弱魔術士はマトモに戦わない

༺みずな(シャキシャキ)࿐

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第一章:レジスタースロウ

2話:集配魔術士は金が無い②

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ガチャリッ。

俺は久しぶりに来た冒険者ギルドの扉を開ける。周囲は驚きと怪しげな視線を俺に向ける。まぁそれは仕方ない。何故なら俺は麻で編んだ服一枚で、激戦区と言われる王都の冒険者ギルドにやってきたのだから。

お・きゃ・く・サ・マどういったご用件でしょう?

唐突に発せられたその言葉に、思わず笑いそうになる。お客様??ここはレストランか!ご用件も何も冒険者になるためにあるんじゃないのか?冒険者ギルドってもんは・:・

気を取り直して、入り口右側の受付へと進む。

「すでにあるパーティに入りたいんだがメンバー募集中の所でどこか空いてないのか?」

「ないです~」

一刀両断かよ??絶対あるって!

俺は周囲を見回す。結果として掲示板には、メンバー募集中のパーティがいくつもあった。だが、事情を察知したのか冒険者達は俺の方を凝視している。それも中々悪い目つきだ。まあ心当たりは大いにある。

(ははっ・・マトモな服一つ持ってないからな)

「お帰りください」

「ちょっと待ってくれ!凄い魔術を披露してやる!!」

「とっとと帰れこの虫ケラァ!!」

ええっ!?

この受付嬢怖すぎないか??


「まぁ、この身なりで警戒されるのはしょうがないが、俺は引き下がるわけにはいかない。俺がお前に決闘で勝利したら、パーティを選ぶ権利を頂く事にして異論はないか?それとも俺が怖くて逃げ出すか?嬢ちゃん」

もちろん俺は本気だが、ヤバイヤバイヤバイといった視線をあちこちから送られる。この受付嬢が強いとは思えないが、もし万が一に万が一の事があっても勝負を取り下げることはしない。

だが、その予想は的中してしまったようだ。受付嬢は、さっきとは比べ物にならない殺気を放ち俺に杖を向ける。

「では、私がこてんぱんにしてやりますからとっとと消え失せないさい!!」

流石に中では危険なので、外の闘技場でその試合は行われた。ここにいる冒険者全員の注目を集めた一戦が開幕する。

「では私から行きましょう。【闇雷複合魔術:暗黒の雷鳴スパーク・ダークネゾン

その刹那、天候を変えてしまうレベルの暗雲が立ち上り俺を包囲する。そして、積雲に蓄えられた闇の力が一気に放出される。

(初手でコレとはさすがは受付嬢)

だが、俺はこの程度の単純高火力攻撃で怯むことはない。
 
【自配】

闇の雷が、目前まで迫りほとんどの冒険者にもうダメかと思われたその時、俺はそれを交わして見せた。まあ、もっと早く避けても良かったのだが、それじゃあ興が乗らないしな。

おお!!・・・と感嘆の声。まさか避けられるとは思っていなかったようだ。

「初撃だけだと思ウナヨッッ!!」

口調変わってるんですが受付嬢??

【自配】【自配】【自配】【自配】【自配】【自配】【自配】【自配】【自配】【自配】

10発、全て交わして見せた。
これで怯んで欲しい所だが、まだまだ本気じゃないらしい。

暗雷点火バーストッ!」

杖に黒い光が収束され、暴れ出す。何か術でもーーーーーッ!?

シュゥゥィィィンンンン!

【改配】ッッ

防御力と魔術防御を大幅に上げて、素手で受け止める。この時の俺にマトモな武器一つない。

「チッ。散力剣~連撃ロストアタック・ア・ロット!!

(コレはッ!?力が奪われるッ。)

「いつまでもつかしら」

あっ。そういえば今、不覚にも思ってしまった。

「そういえば、アンタに名前聞いてなかったよな?」

俺を怒涛のラッシュで斬りつけながら、受付嬢は答える。

「なぜ今なのです??貴方は追い詰められてるんですよ?」

「まぁ、そうだが・・・やっぱり気になるだろ」

「まぁいいでしょう。わたしはプラハ。王国第1地区ギルドマスターだ」

「プラハか。俺はルヴェ・・ルーマンだ。改めてよろしくな」

危うく本名をばらしてしまうところだった。危ない危ない。

「まぁ、お前は今から私にメッタ刺しにされるがな」

剣先が加速する。力が抜けて、ダメージが大きくなった。守っていてもしょうがない。だが、俺がルヴェンであると悟られるわけにもいかない。ならそろそろ決着をつけるか。

【改配】

相手の剣が触れるたび、少しずつだが、攻撃力を下げていく。やがて0になったタイミングで・・・

(【魂奪剣】)


無詠唱のイメージで防御力無視の透過する手刀を繰り出した。

「クッ・・・」

唐突に防御力貫通の魂を削る一撃が刺さり、プラハは思わず声を漏らす。剣がないので威力は小さいが、抉られるような感覚に耐えられないようだ。

まだ納得のいかないようで、攻撃力0でも切りかかってくる。

ピタッ。

それを俺が小指一本で止めて見せ、勝敗はついた。

「参った」


おお!!

すげぇもんを見せてもらった!

ぜひ俺のパーティに入ってくれ!!

いや、俺のパーティに入らないか??
 
「では、約束通りパーティを選ばせてもらおう」
 

ギルド内に戻った俺は、様々な所から勧誘を受けたが、一戦で活躍する気は全く無いので、Sランクの大規模パーティは断った。
俺は掲示板を見て、Aランクの【深藍のルシェ】というパーティに目をつけた。
このパーティは12名ほどで、リーダーはルシエラという少女であり、中流貴族ミシェル家の娘である。まあなぜ貴族が冒険家なんかやっているのかはわからないが・・・
そして、専攻隊、防護隊、補助隊の三つに分けて募集しているのだが、見たところ専攻隊と防護隊が6人、4人、補助隊が2人であり、圧倒的に補助隊が足りていない。俺はそこに目をつけた。それに、このくらいの中規模パーティならば俺がいざという時に抜けやすく金もそこそこ手に入るだろうと踏んでいた。

俺は、【深藍のルシェ】のリーダーらしき少女を見つけ加入申請をした。
(よし、これで金には困んないだろう)

すると、少女が口を開く。

「おっと?なになにっ?かにゅうシンせい?


「そうだ。貴殿のパーティに加入したい」

「あ~なるほどッ!リーダーならあっちだよ」

え・・・

マジかよどう見てもあの娘がリーダーっぽいけどなぁ。あっちというと少し距離置いたところにポツンと座っている娘のことか?

「ルシエラ様でしょうか?この度はこちらのパーティに入れさせていただきたく参った次第です」

と、形だけ賢まってみると・・・ 

「ひゃっ!?誰です~??ちょっとあんまり近付からないでくりゃさい!」

「え、ああ。名乗ってなかったな。俺の名はル、ルーマン?ンだ。加入してもいいだろうか」

「あ、はい。大丈夫ですが・・・なんで名前が疑問符なん、でひょうか?」

ルシエラが恥ずかしがり屋なのと、俺の事情がややこしいとで会話がちぐはぐで噛み合わない。

「いや、俺はルーマンだ。ぜひとも補助隊に加えてほしい」

「ほ、補助!?あなたってさっきのあなたですよね??」

「うーんと??さっきのあなたも今のあなたもあなただ。いや、俺か?」

と、訳の分からん事を考えていると同い年くらい?だが幼さの残る先程のリーダーっぽい娘がやってきた。

「お、るっしぇちゃんどうしたの?」

「わぁぁっ!なんだマリンちゃんかー」

「なになにっ?もしかしてこの人がうちのパーティーに!?」

「う、うん。そうなんだけど・・・」

「私は大歓迎だよ!」

二人はそんな会話をする。つまりは・・・

「入隊を認めてくれるのか?」

うん!と愛想笑いを浮かべ、俺に握手を求めてくる。二人と握手を交わすと、他のメンバーにも紹介してくれた。久しぶりに楽しい冒険ライフを送れそうな気がする。まぁ、そんなのはどうでもいいが、とにかく・・・


      「「「"これでお金に困らない"」」」















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