まばたきの途中で

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ふたりぶんの沈黙

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窓の外に、何かが落ちる音がした。
ふたりとも顔を上げたけれど、どちらも言葉を発さなかった。

「……」

沈黙は不自然じゃなかった。
むしろ、言葉よりも確かなもののように思えた。

ただ、それが「同じ沈黙」なのかどうか、自信が持てなかった。

彼の目線は本のページに落ちたままで、私の目線は彼の横顔の輪郭をなぞっていた。
視線が交わることのないまま、同じ時間だけが過ぎていく。

なにかを言おうとすれば、全部壊れてしまいそうだった。
でも、なにも言わないままでは、届かないままだと思った。

(今、私たちって、話してる?)

そんな問いが、心の中に浮かんで、また沈んだ。

ふたりぶんの沈黙が、ひとつの部屋に置かれている。
どちらかが触れないかぎり、それはずっと、静かにそこにあり続ける。

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