24 / 59
#6 Your song will fill the air 〜愛しい歌声が思うさまハートに火をつけた(4)
しおりを挟む
「ね。貴明さん。私やってみたかったことがあって…お願いしてもいいですか?」
「何?」
「あれなんですけど…」
すみかはプリクラの機械を指差し、もじもじしている。彼女のすべての仕草が、貴明を惹きつける。
「もし好きな人ができたら、あれを撮りたいなって…」
恋愛に無縁だった貴明には、今日まで無関係だったものだ。だがこんなにいじらしいすみかを見れば、断る理由もない。
「いいよ、撮ろう!俺も初めてだ」
「本当に?嬉しい!」
2人は機械の前に並ぶ。操作に四苦八苦したがどうにか撮影にこぎつけた。
「じゃ、い、いくよ…」
「は、はい貴明さん…」
どちらもガッチガチで、表情は証明写真のような硬さだ。とてもじゃないが楽しい雰囲気の写真にはなりそうにない。さらに緊張しすぎたすみかは足の力が抜け、転びそうになる。貴明がそれをガードしたタイミングで、無情にもシャッターが切れ始めた。音に驚き2人はカメラを見るが案の定、恋人同士の2ショットとは程遠く、共に慌てた顔で貴明がすみかを後ろから抱きしめるような、意味不明な写真になっていた。
「こ、これは…なんという酷さ…」
「たた貴明さん、私恥ずかし…でもこの写真、なんかいいかも…」
「嘘でしょ?これは撮り直した方が…」
「いいの!まるで私を守ってくれてるみたい素敵に見えてきました。私これがいい」
「まあ、すみかちゃんがいいなら…」
すみかは真っ赤な顔で写真シールを切り分ける。片方を渡すときに互いの手が触れる、たかだかそれだけのことで、2人の顔の赤さは増した。
「貴明さん…私…私は…」
お互いの想いが満ち、感極まるすみか。だが上階に行くため乗ろうとしたエレベーターのドアが不自然なブルーに染まる。一緒に乗り込んだ瞬間、何故かすみかだけが白い光の中に吸い込まれていった。
残された貴明は呆然としつつ、数秒後に我に帰り、
「待って…消えた?どうなってんだ一体…」
自暴自棄になり、大混乱のまま部屋に帰る。そこには待ち構えるように梨杏がいた。
「りあーーーん!!!」
「お、威勢がいいね。どうした?」
「おい!すみかちゃんがいきなり消えたぞ⁉︎」
「わかるでしょ」
「わかるか!エレベーターが光って消えるなんてまるで…」
自身の言葉を反芻して、貴明はようやく事態を飲み込んだ。
「すみかちゃんも、エクスペリエンストなんだな」
「わかったようね。でもいつかも言ったけど、エクスペリエンス同士が出会うなんて珍しいのよ。1人出るのもせいぜい1年に1回なのに。」
「俺を想うと不幸になるって言ってた。その意味がわかったよ」
梨杏は珍しく切なげな表情になっている。
「ドアを介する限り、俺たちは絶対に一緒にはいられない。想いが高まると弾き出されるんだからな」
「うん…」
「でもさ、そもそもすみかちゃんはどっち側なんだ?もしこっち側の人ならドアは関係ないだろ。それならずっと一緒に…」
「残念だ。すみかはアザーサイドの人間だよ」
貴明は深く絶望する。痛飲して前後不覚になり、クリスマス廃止論を吐き捨てながら床に突っ伏す。澄香のクリスマスプレゼントのスノードームと、すみかのプレゼントのアップライトピアノのチャームを両手に握り締めながら酒を浴びた。
荒れる彼を梨杏は優しく抱き起こし、膝枕した。
「辛いよね。でもそれはすみかも同じだと思うよ。あんたが頑張らないとね」
ヤケ酒でぐったりする貴明の額を撫でながら、梨杏は包み込むような声でつぶやいた。
翌日、ライブ当日の日曜日。ライブは夜からなので日中は余裕があり、貴明は二日酔いの頭を抱えながらセットリストの確認をしていた。不意に、澄香がいい勢いでドアを開けて部屋に上がり込む。すでに梨杏の姿はなかった。
「おっはよーお兄ちゃうっわ酒くさ、ここまでの二日酔いは珍しいね」
「うっせーもうどうでもいいわ。てかお前の声が頭に響くー」
「あ、振られたなこれは」
その言葉に動揺する貴明。
「ち、ちゃうわ!そんなわけ…あれ?」
確かに貴明はすみかに振られたわけでも、喧嘩したわけでもない。むしろこれから始まるはずだったのに、こんなに腐った気持ちになるのは何故だ。理不尽。意味不明。
「若いうちはいろいろありまんがな旦那。そんなわけで澄香は、悲惨なクリスマスを過ごしているであろう情けなーい兄を慰めようと、鍋焼きうどんを作りに来たのです」
「澄香っっ!」
「は、はい?なーに?」
「お前って原則生意気だけど、たまーに、いや稀にいい奴だよな!可愛い妹よ!」
そういいながら貴明は、澄香をぐいぐい抱きしめる。
「ちょ、酒くさ!やめ…もう、しょうがないんだからあ」
澄香は楽しげな表情で、ひっつく貴明をベリベリと引き剥がして料理を始める。そのうち興が乗って来たのか、鼻歌混じりで出汁をとっている。
♪私だけが止まったような 時を過ごしてた…
昨日すみかと話題にした曲「Ancient Water」の一節だ。いい気分で歌う澄香に、貴明はかすかな違和感を覚える。
「澄香、その曲?」
「お兄ちゃんの…」
そこまで言って澄香は、少し慌てる。
「そうだけどさ、お前この曲知ってたか?こないだ初めてやったばかりだぞ」
「でもどっかで聴いたよ。ほらアレじゃない?お兄ちゃん、作曲する時ヘッドホンしながら歌ってるから、そのせいだよ」
「あ、あり得る…」
「そうだよ、でかい声で歌うからやかましくてさ。あはー!澄香の記憶力なめんなー」
「あーあーすいませんでしたね、以後気をつけますよ」
大事な人が自分の曲を覚えてくれる嬉しさに、改めて昨日のすみかを思い出し、貴明は思うさま凹む。
「さあ、澄香特製鍋焼饂飩完成!漢字多め!一緒に食べよ…ってお兄ちゃん⁉︎」
そこには、テーブルに突っ伏して魂が抜けた様子の貴明がいた。
「わー!背中からなんか出てるよ?エクトなんとか?これまずいやつだよ!」
澄香はオロオロしながら、貴明の両肩に手を添える。
「もう、何があったか知らないけどさ、一緒に食べよ、ね?」
優しさあふれる柔らかな言い方に貴明は我に帰る。寂しさからか、無意識のうちに澄香の手を握りしめてしまう。澄香は嫌がる様子もなく、逆に繋いだ手を握り返した。
少し落ち着き、食卓につく2人。
「美味そうだなー。でもクリスマスにラーメンやうどんって、何なの俺らは」
「いいじゃない。ケーキも買ったから明日のライブの後に食べよ」
貴明はすみかとの関係に不安を抱えつつ、澄香の鍋焼きのおかげでなんとか気力は整ってきた。ここで澄香がミキサー卓の上のスノードームに気づく。その隣にはアップライトピアノ型のチャーム。2つはなんとなく、嬉しそうに寄り添っているように見えた。
「あ、澄香のプレゼントだ。ちゃんと飾ってくれてたんだ。えへ」
「うん。ありがとな。でも俺には似合わないかな、可愛すぎるだろこれ」
「あれれ、そうかなー。ところで隣のピアノは…」
「あ?あれはだな、いやその、別になんでも…」
「ふうーん?私が欲しいって言ったら拒否されたやつですよねえ?なぜここにあるのかなあ?」
悪い笑顔で下から覗き込む澄香。元気づけてくれているのであろう態度が愛しい。今晩のクリスマスライブは全てを出し切ろう。それが今の自分にできるMAXだと、貴明はスイッチを切り替え始めていた。
「何?」
「あれなんですけど…」
すみかはプリクラの機械を指差し、もじもじしている。彼女のすべての仕草が、貴明を惹きつける。
「もし好きな人ができたら、あれを撮りたいなって…」
恋愛に無縁だった貴明には、今日まで無関係だったものだ。だがこんなにいじらしいすみかを見れば、断る理由もない。
「いいよ、撮ろう!俺も初めてだ」
「本当に?嬉しい!」
2人は機械の前に並ぶ。操作に四苦八苦したがどうにか撮影にこぎつけた。
「じゃ、い、いくよ…」
「は、はい貴明さん…」
どちらもガッチガチで、表情は証明写真のような硬さだ。とてもじゃないが楽しい雰囲気の写真にはなりそうにない。さらに緊張しすぎたすみかは足の力が抜け、転びそうになる。貴明がそれをガードしたタイミングで、無情にもシャッターが切れ始めた。音に驚き2人はカメラを見るが案の定、恋人同士の2ショットとは程遠く、共に慌てた顔で貴明がすみかを後ろから抱きしめるような、意味不明な写真になっていた。
「こ、これは…なんという酷さ…」
「たた貴明さん、私恥ずかし…でもこの写真、なんかいいかも…」
「嘘でしょ?これは撮り直した方が…」
「いいの!まるで私を守ってくれてるみたい素敵に見えてきました。私これがいい」
「まあ、すみかちゃんがいいなら…」
すみかは真っ赤な顔で写真シールを切り分ける。片方を渡すときに互いの手が触れる、たかだかそれだけのことで、2人の顔の赤さは増した。
「貴明さん…私…私は…」
お互いの想いが満ち、感極まるすみか。だが上階に行くため乗ろうとしたエレベーターのドアが不自然なブルーに染まる。一緒に乗り込んだ瞬間、何故かすみかだけが白い光の中に吸い込まれていった。
残された貴明は呆然としつつ、数秒後に我に帰り、
「待って…消えた?どうなってんだ一体…」
自暴自棄になり、大混乱のまま部屋に帰る。そこには待ち構えるように梨杏がいた。
「りあーーーん!!!」
「お、威勢がいいね。どうした?」
「おい!すみかちゃんがいきなり消えたぞ⁉︎」
「わかるでしょ」
「わかるか!エレベーターが光って消えるなんてまるで…」
自身の言葉を反芻して、貴明はようやく事態を飲み込んだ。
「すみかちゃんも、エクスペリエンストなんだな」
「わかったようね。でもいつかも言ったけど、エクスペリエンス同士が出会うなんて珍しいのよ。1人出るのもせいぜい1年に1回なのに。」
「俺を想うと不幸になるって言ってた。その意味がわかったよ」
梨杏は珍しく切なげな表情になっている。
「ドアを介する限り、俺たちは絶対に一緒にはいられない。想いが高まると弾き出されるんだからな」
「うん…」
「でもさ、そもそもすみかちゃんはどっち側なんだ?もしこっち側の人ならドアは関係ないだろ。それならずっと一緒に…」
「残念だ。すみかはアザーサイドの人間だよ」
貴明は深く絶望する。痛飲して前後不覚になり、クリスマス廃止論を吐き捨てながら床に突っ伏す。澄香のクリスマスプレゼントのスノードームと、すみかのプレゼントのアップライトピアノのチャームを両手に握り締めながら酒を浴びた。
荒れる彼を梨杏は優しく抱き起こし、膝枕した。
「辛いよね。でもそれはすみかも同じだと思うよ。あんたが頑張らないとね」
ヤケ酒でぐったりする貴明の額を撫でながら、梨杏は包み込むような声でつぶやいた。
翌日、ライブ当日の日曜日。ライブは夜からなので日中は余裕があり、貴明は二日酔いの頭を抱えながらセットリストの確認をしていた。不意に、澄香がいい勢いでドアを開けて部屋に上がり込む。すでに梨杏の姿はなかった。
「おっはよーお兄ちゃうっわ酒くさ、ここまでの二日酔いは珍しいね」
「うっせーもうどうでもいいわ。てかお前の声が頭に響くー」
「あ、振られたなこれは」
その言葉に動揺する貴明。
「ち、ちゃうわ!そんなわけ…あれ?」
確かに貴明はすみかに振られたわけでも、喧嘩したわけでもない。むしろこれから始まるはずだったのに、こんなに腐った気持ちになるのは何故だ。理不尽。意味不明。
「若いうちはいろいろありまんがな旦那。そんなわけで澄香は、悲惨なクリスマスを過ごしているであろう情けなーい兄を慰めようと、鍋焼きうどんを作りに来たのです」
「澄香っっ!」
「は、はい?なーに?」
「お前って原則生意気だけど、たまーに、いや稀にいい奴だよな!可愛い妹よ!」
そういいながら貴明は、澄香をぐいぐい抱きしめる。
「ちょ、酒くさ!やめ…もう、しょうがないんだからあ」
澄香は楽しげな表情で、ひっつく貴明をベリベリと引き剥がして料理を始める。そのうち興が乗って来たのか、鼻歌混じりで出汁をとっている。
♪私だけが止まったような 時を過ごしてた…
昨日すみかと話題にした曲「Ancient Water」の一節だ。いい気分で歌う澄香に、貴明はかすかな違和感を覚える。
「澄香、その曲?」
「お兄ちゃんの…」
そこまで言って澄香は、少し慌てる。
「そうだけどさ、お前この曲知ってたか?こないだ初めてやったばかりだぞ」
「でもどっかで聴いたよ。ほらアレじゃない?お兄ちゃん、作曲する時ヘッドホンしながら歌ってるから、そのせいだよ」
「あ、あり得る…」
「そうだよ、でかい声で歌うからやかましくてさ。あはー!澄香の記憶力なめんなー」
「あーあーすいませんでしたね、以後気をつけますよ」
大事な人が自分の曲を覚えてくれる嬉しさに、改めて昨日のすみかを思い出し、貴明は思うさま凹む。
「さあ、澄香特製鍋焼饂飩完成!漢字多め!一緒に食べよ…ってお兄ちゃん⁉︎」
そこには、テーブルに突っ伏して魂が抜けた様子の貴明がいた。
「わー!背中からなんか出てるよ?エクトなんとか?これまずいやつだよ!」
澄香はオロオロしながら、貴明の両肩に手を添える。
「もう、何があったか知らないけどさ、一緒に食べよ、ね?」
優しさあふれる柔らかな言い方に貴明は我に帰る。寂しさからか、無意識のうちに澄香の手を握りしめてしまう。澄香は嫌がる様子もなく、逆に繋いだ手を握り返した。
少し落ち着き、食卓につく2人。
「美味そうだなー。でもクリスマスにラーメンやうどんって、何なの俺らは」
「いいじゃない。ケーキも買ったから明日のライブの後に食べよ」
貴明はすみかとの関係に不安を抱えつつ、澄香の鍋焼きのおかげでなんとか気力は整ってきた。ここで澄香がミキサー卓の上のスノードームに気づく。その隣にはアップライトピアノ型のチャーム。2つはなんとなく、嬉しそうに寄り添っているように見えた。
「あ、澄香のプレゼントだ。ちゃんと飾ってくれてたんだ。えへ」
「うん。ありがとな。でも俺には似合わないかな、可愛すぎるだろこれ」
「あれれ、そうかなー。ところで隣のピアノは…」
「あ?あれはだな、いやその、別になんでも…」
「ふうーん?私が欲しいって言ったら拒否されたやつですよねえ?なぜここにあるのかなあ?」
悪い笑顔で下から覗き込む澄香。元気づけてくれているのであろう態度が愛しい。今晩のクリスマスライブは全てを出し切ろう。それが今の自分にできるMAXだと、貴明はスイッチを切り替え始めていた。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
陰キャ幼馴染に振られた負けヒロインは俺がいる限り絶対に勝つ!
みずがめ
恋愛
★講談社ラノベ文庫新人賞佳作を受賞しました!
杉藤千夏はツンデレ少女である。
そんな彼女は誤解から好意を抱いていた幼馴染に軽蔑されてしまう。その場面を偶然目撃した佐野将隆は絶好のチャンスだと立ち上がった。
千夏に好意を寄せていた将隆だったが、彼女には生まれた頃から幼馴染の男子がいた。半ば諦めていたのに突然転がり込んできた好機。それを逃すことなく、将隆は千夏の弱った心に容赦なくつけ込んでいくのであった。
徐々に解されていく千夏の心。いつしか彼女は将隆なしではいられなくなっていく…。口うるさいツンデレ女子が優しい美少女幼馴染だと気づいても、今さらもう遅い!
※他サイトにも投稿しています。
※表紙絵イラストはおしつじさん、ロゴはあっきコタロウさんに作っていただきました。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる