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#13 Angry young man 〜今まで生きてきて最大に怒るべき場面ったらここしかなかった(1)
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梨杏は神の領域に連れ戻される。姿が消える刹那、3人に向けた彼女の笑顔には、わずかな時間でも心を通い合わせた者たちの未来を信じる輝きと慈愛があった。梨杏を飲み込んだ光の粒子が湖上に1粒こぼれ、吹雪の風音と暗闇が戻る。残された3人は、何も好転していない苦境に自らの力のみで立ち向かわなければいけなかった。
とはいえひとまず落ち着いたことで、すみかは地元警察に救助を要請することができた。この悪天では救助隊が来るまで1時間以上はかかるだろうが、それより先に澄香の体が消えては何の意味もない。事態は切迫したままだ。
「貴明さん、澄香!よかった!もうダメかと…」
「梨杏がいなきゃ完全にアウトだった。すみかちゃんも大丈夫かい」
「痛いけど、何もできない自分が情けないです。こんなの澄香に比べれば…」
すみかの白い肌は切れていくつも出血し、火傷のような症状も酷い。青白い顔であばらを押さえ、折れているかもしれない。その様子を見た澄香は申し訳なさそうに、
「すみかちゃん…私のせいで…」
「いいの。あなたは生きることだけを考えるの」
貴明は、今日のすみかに新たな魅力を感じていた。儚げで生命力の弱い印象だったが、今日は誰よりも強く頼もしい。心の闇を制した者が持つ、屈強な精神力を感じていた。
澄香は少し回復したものの、ダメージの蓄積が大きすぎる。足も消えたままで、ボブスレーの上で身動きができないままだ。
「私ダメだね。2人を信じてないわけじゃないのに」
「そうですよ。あなたはいわば私の妹なんだから、しっかりしてよね」
貴明は少し余裕が出る。
「ん?経緯を考えると妹よりも娘なのでは…」
「お兄ちゃん!」「貴明さん!」
弱々しいながらも、3人は顔を見合わせて笑う。少しの和みでもないと過酷な状況に押し潰されそうだ。
「そっか、すみかちゃんは私のお姉ちゃんなんだね」
「手のかかる妹だわ。でも可愛いの」
「お姉ちゃん…」
「本当はね、こんな目に遭わせてしまった澄香には死ぬまで謝りたい。でも今は未来を考えよう。3人で戻りましょう。その後なら、土下座でも裸踊りでもしてやるわ」
「は、裸踊り…」
すみかの盛ったモノ言いに即座に反応し、この状況で2人をドン引きさせる貴明。どこに出しても恥ずかしくない変態である。
「さあて、やってやるか」
貴明が立ち上がる。こちらは梨杏の手当てですっかりダメージが癒えたようだ。
「すみかちゃん、さっき梨杏が気になることを言っていたんだ」
「なんですか?」
「俺もエクストリームなんだってさ。で、何だか知らんが『Try jah love』って言ってた」
「本当?私も貴明さんの力はすごいと思います。でも次のは?」
「スティーヴィー・ワンダーの曲だよ。『神の愛を試せ』って意味だけど、何だかよくわからん」
「神の愛…いやそっちより、試すという方がキーなのかな」
「何言ってんだかな。どこに神の愛なんてあったよ?」
確かに時間はなかったが、梨杏の話はそもそも回りくどいから、わからないのだと貴明は舌打ちする。
「試すというなら、まずはこれかな」
貴明が、事もなげに澄香のドアの隣にドアを出現させる。
「す、すごい。私、ドアを作るのは今もたいへんだし、必ず好きなところに行けるわけでもないのに」
「うーん、できちゃうんだな。で、俺の場ドアにはオーディナリー・ワールドもアザーサイドもないって言ってたが、それがイマイチわからない」
「?」「?」
他の2人は頭上に大きな?が浮かぶ。
「お兄ちゃん?ちょっと何言ってるかわかりません」
「これがどんな意味なのか…」
貴明はしばし腕組みして考える。
「俺の作るドアは、実はアザーサイドのゲートではないらしい。すみかちゃん、ドアを閉じてもらえるかな」
「はい」
すみかはスッとドアを消す。
「間近で見るとすごいね2人とも。イリュージョンだね」
「こんな能力いらねえけどな。でも、このおかげで2人に会えた」
「えへへー」
澄香にかすかな笑顔が戻る。カムイの温泉のおかげで低体温症の恐れはひとまず回避でき、梨杏の手当てで凍傷も治っていた。澄香の横でひょいっと貴明がドアをもう1つ出現させると、中にはすみかがいた。
「こ、こんなのありですか?もうデタラメすぎて…」
「おいで、すみかちゃん」
貴明がドアの外、つまり氷の上から手を差し出す。
「…怖いよ…また体が…」
「大丈夫だ。さっき君がいた世界と、そのドアの世界は違うはずだから」
「貴明さんが言うなら信じて…」
すみかは恐る恐る貴明の手を握る。澄香は固唾を呑んで見守る。光の結界を超える瞬間、やはり電撃が走るが、最初のにくらべれば静電気並の弱さだ。
「痛っ…でもさっきより全然軽いです。これなら…」
そのまま貴明はすみかを引っ張る。ついに阿寒湖の氷上、同じ時空で3人が邂逅した。
「澄香…あなたが…」
「すみかちゃん…私のお姉ちゃん」
生まれて初めて、直に顔を合わせた2人。澄香は思わず声が出る。
「写真より全然綺麗…」
「写真ってまさかあのプリクラ?恥ずかしいよあれは!」
澄香に駆け寄ろうとするすみか。だが貴明は、
「まだ澄香に近づかない方がいい。2人が同じ時空にいてはいけないというルールは、たぶん変わってない」
「じゃあ私は、なぜドアからここに出られたの?」
「どっちも俺のオーディナリー・ワールドだから、だと思うんだ。ややこしいけど、すみかちゃんのオーディナリー・ワールドから見ればここはアザーサイドだ。アザーサイドへの出入りは、エクスペリエンストといえどもそう簡単じゃない。さらに澄香がいて神の禁忌に触れるから、すみかちゃんは存在が揺らいでしまう」
「それはわかります。でも…」
「俺のドアはたぶん、全部が俺のオーディナリー・ワールドなんだ。つまり君が今通ってきたドアも俺のホームだし、この湖もホームだ。アザーサイドを越える大きなハードルが一つなくなるから、すみかちゃんと澄香のような禁忌の関係でも、一緒にいられるようになるんじゃないかと思う」
「わかるような、わかんないような…」
「つまりこうだ!俺様の能力は…」
澄香とすみかは2人は息を呑む。
「ドアが全部オーディナリー・ワールドなのでエクストリームは全員通り放題だし神のルールも一部無効にできるめっちゃ便利ブロー!」
「め…」
「め…」
澄香とすみかが、呆れた表情で同時に叫ぶ。
「面倒くさい能力ーーー‼︎」
のうりょくー、うりょくー、くー…と、2人の声が阿寒湖の森にこだました。
とはいえひとまず落ち着いたことで、すみかは地元警察に救助を要請することができた。この悪天では救助隊が来るまで1時間以上はかかるだろうが、それより先に澄香の体が消えては何の意味もない。事態は切迫したままだ。
「貴明さん、澄香!よかった!もうダメかと…」
「梨杏がいなきゃ完全にアウトだった。すみかちゃんも大丈夫かい」
「痛いけど、何もできない自分が情けないです。こんなの澄香に比べれば…」
すみかの白い肌は切れていくつも出血し、火傷のような症状も酷い。青白い顔であばらを押さえ、折れているかもしれない。その様子を見た澄香は申し訳なさそうに、
「すみかちゃん…私のせいで…」
「いいの。あなたは生きることだけを考えるの」
貴明は、今日のすみかに新たな魅力を感じていた。儚げで生命力の弱い印象だったが、今日は誰よりも強く頼もしい。心の闇を制した者が持つ、屈強な精神力を感じていた。
澄香は少し回復したものの、ダメージの蓄積が大きすぎる。足も消えたままで、ボブスレーの上で身動きができないままだ。
「私ダメだね。2人を信じてないわけじゃないのに」
「そうですよ。あなたはいわば私の妹なんだから、しっかりしてよね」
貴明は少し余裕が出る。
「ん?経緯を考えると妹よりも娘なのでは…」
「お兄ちゃん!」「貴明さん!」
弱々しいながらも、3人は顔を見合わせて笑う。少しの和みでもないと過酷な状況に押し潰されそうだ。
「そっか、すみかちゃんは私のお姉ちゃんなんだね」
「手のかかる妹だわ。でも可愛いの」
「お姉ちゃん…」
「本当はね、こんな目に遭わせてしまった澄香には死ぬまで謝りたい。でも今は未来を考えよう。3人で戻りましょう。その後なら、土下座でも裸踊りでもしてやるわ」
「は、裸踊り…」
すみかの盛ったモノ言いに即座に反応し、この状況で2人をドン引きさせる貴明。どこに出しても恥ずかしくない変態である。
「さあて、やってやるか」
貴明が立ち上がる。こちらは梨杏の手当てですっかりダメージが癒えたようだ。
「すみかちゃん、さっき梨杏が気になることを言っていたんだ」
「なんですか?」
「俺もエクストリームなんだってさ。で、何だか知らんが『Try jah love』って言ってた」
「本当?私も貴明さんの力はすごいと思います。でも次のは?」
「スティーヴィー・ワンダーの曲だよ。『神の愛を試せ』って意味だけど、何だかよくわからん」
「神の愛…いやそっちより、試すという方がキーなのかな」
「何言ってんだかな。どこに神の愛なんてあったよ?」
確かに時間はなかったが、梨杏の話はそもそも回りくどいから、わからないのだと貴明は舌打ちする。
「試すというなら、まずはこれかな」
貴明が、事もなげに澄香のドアの隣にドアを出現させる。
「す、すごい。私、ドアを作るのは今もたいへんだし、必ず好きなところに行けるわけでもないのに」
「うーん、できちゃうんだな。で、俺の場ドアにはオーディナリー・ワールドもアザーサイドもないって言ってたが、それがイマイチわからない」
「?」「?」
他の2人は頭上に大きな?が浮かぶ。
「お兄ちゃん?ちょっと何言ってるかわかりません」
「これがどんな意味なのか…」
貴明はしばし腕組みして考える。
「俺の作るドアは、実はアザーサイドのゲートではないらしい。すみかちゃん、ドアを閉じてもらえるかな」
「はい」
すみかはスッとドアを消す。
「間近で見るとすごいね2人とも。イリュージョンだね」
「こんな能力いらねえけどな。でも、このおかげで2人に会えた」
「えへへー」
澄香にかすかな笑顔が戻る。カムイの温泉のおかげで低体温症の恐れはひとまず回避でき、梨杏の手当てで凍傷も治っていた。澄香の横でひょいっと貴明がドアをもう1つ出現させると、中にはすみかがいた。
「こ、こんなのありですか?もうデタラメすぎて…」
「おいで、すみかちゃん」
貴明がドアの外、つまり氷の上から手を差し出す。
「…怖いよ…また体が…」
「大丈夫だ。さっき君がいた世界と、そのドアの世界は違うはずだから」
「貴明さんが言うなら信じて…」
すみかは恐る恐る貴明の手を握る。澄香は固唾を呑んで見守る。光の結界を超える瞬間、やはり電撃が走るが、最初のにくらべれば静電気並の弱さだ。
「痛っ…でもさっきより全然軽いです。これなら…」
そのまま貴明はすみかを引っ張る。ついに阿寒湖の氷上、同じ時空で3人が邂逅した。
「澄香…あなたが…」
「すみかちゃん…私のお姉ちゃん」
生まれて初めて、直に顔を合わせた2人。澄香は思わず声が出る。
「写真より全然綺麗…」
「写真ってまさかあのプリクラ?恥ずかしいよあれは!」
澄香に駆け寄ろうとするすみか。だが貴明は、
「まだ澄香に近づかない方がいい。2人が同じ時空にいてはいけないというルールは、たぶん変わってない」
「じゃあ私は、なぜドアからここに出られたの?」
「どっちも俺のオーディナリー・ワールドだから、だと思うんだ。ややこしいけど、すみかちゃんのオーディナリー・ワールドから見ればここはアザーサイドだ。アザーサイドへの出入りは、エクスペリエンストといえどもそう簡単じゃない。さらに澄香がいて神の禁忌に触れるから、すみかちゃんは存在が揺らいでしまう」
「それはわかります。でも…」
「俺のドアはたぶん、全部が俺のオーディナリー・ワールドなんだ。つまり君が今通ってきたドアも俺のホームだし、この湖もホームだ。アザーサイドを越える大きなハードルが一つなくなるから、すみかちゃんと澄香のような禁忌の関係でも、一緒にいられるようになるんじゃないかと思う」
「わかるような、わかんないような…」
「つまりこうだ!俺様の能力は…」
澄香とすみかは2人は息を呑む。
「ドアが全部オーディナリー・ワールドなのでエクストリームは全員通り放題だし神のルールも一部無効にできるめっちゃ便利ブロー!」
「め…」
「め…」
澄香とすみかが、呆れた表情で同時に叫ぶ。
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