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第四章
第四章第50話 公王様に謁見しました
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十日ほどかけ、あたしたちはカルリア公国の公都プレシキンにある宮殿にやってきました。
え? 感想ですか?
えっとですね。すごいです。あ! もちろんトレスカのお城もすごいんですけど、こっちの宮殿はもっとすごいんです。
まずですね。敷地の広さが全然違うんです。プレシキンの町はオレグ湖っていうとても大きな湖の岸辺にあるんですけど、その東岸が全部宮殿の敷地なんだそうですよ! しかも、そのすごく広い敷地にきっちり庭園が整備されていているんです。噴水とかもあって、お庭も綺麗な模様みたいになっていて、本当にビックリしました。
宮殿の中は、えっと、そうですね。これはトレスカのお城とあんまり変わらない気がします。
あ! でもですね。あたしはこれから公王様に謁見してお手紙を渡すことになってるんですけど、その部屋の壁がですね。なんと全部琥珀でできているらしいんです。
いったいどんな部屋なんでしょう? 全然想像できないですよね。そんなにピカピカしてたら目がチカチカしちゃいそうです。
そんなこんなで緊張しながら宮殿の中を歩き、あたしたちは立派な装飾のある扉の前にやってきました。するとすぐに門番の人が扉を開いてくれます。
うっ……、なんだか、ものすごい金ぴかなお部屋です。本当に壁が全部琥珀なんですね。ただ、柱は琥珀じゃなくて金でできているみたいです。金のレリーフとかもあって、そこにランプの光が反射していて、やっぱり目がちょっとチカチカしちゃいます。
「マルダキア魔法王国よりタルヴィア子爵アルマンド様、タルヴィア子爵夫人イヴァンナ様、マレスティカ公爵令嬢ローザ様がいらっしゃいました」
名前を呼ばれながらあたしたちは金ぴかな謁見の間に入ります。正面には二つの玉座があって、中年の男女が座っています。きっとあれが公王様と公妃様なんだと思います。
公妃様、なんだか公子様と似ています。そんな公妃様の隣には公子様が立っていて、あたしに向かって微笑みかけてくれています。
それと、公王様の隣にも公子様よりちょっと年上の男性が立っていますけど、その人は公王様を若くしたような感じです。だからきっとあの人は公子様のお兄さんなんだと思います。
あたしはタルヴィア子爵の斜め後ろを歩き、ゆっくりと公王様の近くまできました。
「マルダキア魔法王国より参りましたタルヴィア子爵アルマンドが公王陛下に拝謁いたします」
そう口上を述べ、タルヴィア子爵が礼を執りました。それに合わせてあたしもカーテシーをします。
「うむ。楽にするがよい」
威厳たっぷりな声で公王様はそう言ってくれたので、カーテシーをやめます。
「この度は歓迎いただきありがとうございます。マルダキア魔法王国を代表し、公王公妃両陛下に感謝申し上げると共に……」
タルヴィア子爵は長々と口上を述べています。
う……そろそろ出番です。なんだかすごく緊張してきました。
「我が国といたしましては、益々の友好関係の発展を望み、ここに我が王ミハイ三世の親書をお持ちいたしました。マレスティカ公爵家が次女、ローザより公王陛下にお渡ししたく」
「許す」
で、出番が来ちゃいました。笑顔、笑顔です。
あたしはなんとか微笑むと、親書入りの封筒だけを持って前に出ます。
えっと、裾を踏まないように、ゆっくり、ゆっくり……。
ふう。公王様の前まで来ました。えっと、そうです。封筒を持っていないほうの手でスカートの裾を摘まんで、ちょこんとカーテシーです。
それからまた笑顔を頑張って作って、すー、はー。
よしっ! あたしはできます!
「マレスティカ公爵家が次女、ローザでございます。公王陛下のお招きに与り、我が王の使いとして参上いたしました。貴国との友好を願い、我が王より親書をお受け取り下さい」
「うむ」
あたしは封蝋が見えるようにして公王様に差し出しました。公王様はそれを受け取るとすぐに封筒を開け、さっと中身を確認しました。
「うむ。マルダキア魔法王国国王からの親書、たしかに受け取ったぞ。両国の友好関係を益々発展させようではないか」
公王様はなんだか上機嫌な様子です。もしかして、何かいいことでも書いてあったんでしょうか?
「追って返事を書こう。ローザ嬢、下がって良いぞ」
「かしこまりました」
あたしはもう一度カーテシーをすると、転ばないように注意しながらタルヴィア子爵の斜め後ろのポジションに戻りました。
ふ、ふう。できました。なんとかなりました。ちゃんと間違えずに全部言えました。
「ローザちゃん、まだ謁見は終わっていませんわ」
「っ!?」
あ、危ない。そうでした。まだ気を抜いちゃダメですよね。
……あ、あれ? なんだか公子様が笑っているような?
も、も、も、もしかしてあたしが気を抜いているの、バレちゃってます!?
は、恥ずかしい……!
え? 感想ですか?
えっとですね。すごいです。あ! もちろんトレスカのお城もすごいんですけど、こっちの宮殿はもっとすごいんです。
まずですね。敷地の広さが全然違うんです。プレシキンの町はオレグ湖っていうとても大きな湖の岸辺にあるんですけど、その東岸が全部宮殿の敷地なんだそうですよ! しかも、そのすごく広い敷地にきっちり庭園が整備されていているんです。噴水とかもあって、お庭も綺麗な模様みたいになっていて、本当にビックリしました。
宮殿の中は、えっと、そうですね。これはトレスカのお城とあんまり変わらない気がします。
あ! でもですね。あたしはこれから公王様に謁見してお手紙を渡すことになってるんですけど、その部屋の壁がですね。なんと全部琥珀でできているらしいんです。
いったいどんな部屋なんでしょう? 全然想像できないですよね。そんなにピカピカしてたら目がチカチカしちゃいそうです。
そんなこんなで緊張しながら宮殿の中を歩き、あたしたちは立派な装飾のある扉の前にやってきました。するとすぐに門番の人が扉を開いてくれます。
うっ……、なんだか、ものすごい金ぴかなお部屋です。本当に壁が全部琥珀なんですね。ただ、柱は琥珀じゃなくて金でできているみたいです。金のレリーフとかもあって、そこにランプの光が反射していて、やっぱり目がちょっとチカチカしちゃいます。
「マルダキア魔法王国よりタルヴィア子爵アルマンド様、タルヴィア子爵夫人イヴァンナ様、マレスティカ公爵令嬢ローザ様がいらっしゃいました」
名前を呼ばれながらあたしたちは金ぴかな謁見の間に入ります。正面には二つの玉座があって、中年の男女が座っています。きっとあれが公王様と公妃様なんだと思います。
公妃様、なんだか公子様と似ています。そんな公妃様の隣には公子様が立っていて、あたしに向かって微笑みかけてくれています。
それと、公王様の隣にも公子様よりちょっと年上の男性が立っていますけど、その人は公王様を若くしたような感じです。だからきっとあの人は公子様のお兄さんなんだと思います。
あたしはタルヴィア子爵の斜め後ろを歩き、ゆっくりと公王様の近くまできました。
「マルダキア魔法王国より参りましたタルヴィア子爵アルマンドが公王陛下に拝謁いたします」
そう口上を述べ、タルヴィア子爵が礼を執りました。それに合わせてあたしもカーテシーをします。
「うむ。楽にするがよい」
威厳たっぷりな声で公王様はそう言ってくれたので、カーテシーをやめます。
「この度は歓迎いただきありがとうございます。マルダキア魔法王国を代表し、公王公妃両陛下に感謝申し上げると共に……」
タルヴィア子爵は長々と口上を述べています。
う……そろそろ出番です。なんだかすごく緊張してきました。
「我が国といたしましては、益々の友好関係の発展を望み、ここに我が王ミハイ三世の親書をお持ちいたしました。マレスティカ公爵家が次女、ローザより公王陛下にお渡ししたく」
「許す」
で、出番が来ちゃいました。笑顔、笑顔です。
あたしはなんとか微笑むと、親書入りの封筒だけを持って前に出ます。
えっと、裾を踏まないように、ゆっくり、ゆっくり……。
ふう。公王様の前まで来ました。えっと、そうです。封筒を持っていないほうの手でスカートの裾を摘まんで、ちょこんとカーテシーです。
それからまた笑顔を頑張って作って、すー、はー。
よしっ! あたしはできます!
「マレスティカ公爵家が次女、ローザでございます。公王陛下のお招きに与り、我が王の使いとして参上いたしました。貴国との友好を願い、我が王より親書をお受け取り下さい」
「うむ」
あたしは封蝋が見えるようにして公王様に差し出しました。公王様はそれを受け取るとすぐに封筒を開け、さっと中身を確認しました。
「うむ。マルダキア魔法王国国王からの親書、たしかに受け取ったぞ。両国の友好関係を益々発展させようではないか」
公王様はなんだか上機嫌な様子です。もしかして、何かいいことでも書いてあったんでしょうか?
「追って返事を書こう。ローザ嬢、下がって良いぞ」
「かしこまりました」
あたしはもう一度カーテシーをすると、転ばないように注意しながらタルヴィア子爵の斜め後ろのポジションに戻りました。
ふ、ふう。できました。なんとかなりました。ちゃんと間違えずに全部言えました。
「ローザちゃん、まだ謁見は終わっていませんわ」
「っ!?」
あ、危ない。そうでした。まだ気を抜いちゃダメですよね。
……あ、あれ? なんだか公子様が笑っているような?
も、も、も、もしかしてあたしが気を抜いているの、バレちゃってます!?
は、恥ずかしい……!
応援ありがとうございます!
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