エロフに転生したので異世界を旅するVTuberとして天下を目指します

一色孝太郎

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第31話 後遺症

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 俺たちは夕食を終え、トマたちの部屋へとやってきた。

「トマ様、わたくしです。レティシアですわ」
「レティシア様、今開けやす」

 ヤニックさんの声がし、すぐにドアが開く。

「ありがとうごぜえやす。何か治療法は見つかりやしたか?」
「いえ。リリスさんはわたくしのアスタルテ様とは別の女神アルテナ様の使徒でらして、あの魔法は女神さまより賜った力なのだそうですわ。いくらわたくしでも神罰までは……」
「そうでやしたか。兄貴……」

 ヤニックさんは心配そうにしているが、あれは正当防衛だ。

 まあ、あそこまで効果があるとは思っていなかったし、過剰防衛と言われればそうかも知れないとは思う。なので次回からは別のやり方を考えようとは思うが……。

「ですから、リリスさんをお連れしましたわ」
「え?」

 突然話を振られ、なんのことだか分からずに思わず聞き返す。

「ええ。女神アルテナ様の使徒でらっしゃるリリスさんが罪を赦せば、アルテナ様もトマ様をお赦しくださるかもしれません」

 ああ、うん。なるほど。そういうのがあるのか。

 レティシアさんがここまで大事にされているのにはそういった事情もあるのだろう。

 ただ、俺のあれは別にあの駄女神が罰を与えたんじゃなくって精気を吸いだしただけだからなぁ。

「さ、リリスさん」
「ええ」

 俺は部屋の中に入った。室内には四つのベッドが設えられており、一番奥のベッドにトマが横たわっている。

「兄貴! リリスが来てくれやしたぜ。さあ、早く謝ってくだせぇ。聞いてやしたよね?」

 ヤニックさんがトマの枕元に行き、トマの上体を起こしてやった。

 トマはどうやら体を自由に動かすこともできないらしい。

 ううん。ここまでするつもりはなかったので、やや申し訳ない気分になる。

 ただ、トマはじっと俺のほうをにらんできており、反省などしていない様子だ。

「……兄貴?」
「あっ!」
「な、なんてことを……っ!」

 ヤニックの怪訝そうな声に被るようにミレーヌさんとレティシアさんの声が聞こえてきた。

「トマ様! なんということを! 本当に反省してらっしゃるんですか? 汚らわしい!」

 ん? レティシアさんが怒っている?

 というか、汚らわしい?

 なんのことだか分からずにレティシアさんの顔を見るが、レティシアさんは顔を赤くして怒っている。

 レティシアさんの視線はトマの体に向けられているような?

 そうしてトマの体を観察した俺は、その股間がもっこりとしているのに気付いてしまった。

「きゃっ!?」

 なんとも可愛らしい悲鳴が俺の口から飛び出した。

「リリスさん、行きますわよ! ミレーヌも!」
「あ、ああ」
「はい」

 こうして完全に怒ってしまったレティシアさんによって治療は中止されるのだった。

 まあ、あのまま居たところで何かできたわけではないのだが……。

◆◇◆

 あれから結局トマの治療は行われず、夕食を食べることになった。

 俺もウェイトレスのコスプレをしてせわしなく働いたわけだが、当然トマは食堂にやってくることはなかった。

 そういう場合は部屋まで運ぶことになっているそうなのだが、その役目はロラン君がやってくれている。

 乱暴されそうになり、俺が反撃したことでああなったという経緯はロラン君もクロエさんも知っているので、顔を合わせずに済むよう配慮してくれたのだ。

 そんなこんなで夕食の時間が終わると、レティシアさんが声をかけてきた。

「リリスさん」
「なあに?」
「わたくし、明日に豊穣の祈りを執り行おうと思いますわ」
「豊穣の祈り?」
「ええ。アスタルテ様への祈りを捧げ、この大地に祝福を授かるのですわ」
「するとどうなるの?」
「アスタルテ様の腕に抱かれ、作物の実りが良くなるのですわ」
「それはすごいね」
「ええ。もしよろしければ、見ていかれてはいかがかしら?」
「いいの?」
「ええ。リリスさんの女神様はあなたに記録せよと命じてらっしゃるんですのよね?」
「うん」
「それならきっとピッタリですわ」

 レティシアさんはそう言って優しく微笑んだ。

 聖女様モードのときのレティシアさんはまさに誰が見ても完璧な聖女様だ。

「レティシアさん、ありがとう。そうするね」
「ええ。わたくしも、どのように記録されるのかとっても楽しみですわ。さ、ミレーヌ。行きますわよ」
「ああ」

 頼れる女剣士モードのミレーヌさんと連れだってレティシアさんは食堂から出ていった。

 そんな二人の後ろ姿を見送りながら、俺は豊穣の祈りに思いをせるのだった。

================
 自業自得ですが、息子以外はかなり重症のようです。次回はレティシアさんの儀式を見学して動画にします。
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