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第76話 日本では……(16)
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二度目のライブ配信の翌日の放課後、剛たちは校舎裏に集まっていた。
「リリちゃんの昨日の配信!」
「おう! マジ可愛かったよな!」
「な!」
剛たちは全員ライブを見たようで、興奮気味な様子だ。
「にしても、リリちゃんて魔法使うとPONだったんだな」
「な。前に使ったときもやらかしてたもんな」
「でも、PONなリリちゃん可愛くね?」
「それな~」
「大きな音立てないからねっ! からの爆炎アンド悲鳴だからな」
「飛べるかわからないけどやってみますっ! からのちょっと浮いて墜落も」
楽し気に昨日のライブの様子を身振り手振りを交えながら楽しそうに語り合っている。
「そういやさ。昨日のリリちゃん、なんか雰囲気違ったよな」
「な! なんかこう、上手く言えないけどアダルトな感じ?」
「やっぱ照明ってすげぇよな」
「だな! 薄暗いだけでただでさえエロいのによりエロくなってるし」
「あー、また見てぇなぁ」
「俺も俺も」
「にしてもライブ、どうして残してくれないんだろうな」
「そりゃあ、アレだろ。あんだけやらかしまくってたらさすがにな」
「あーね」
「でも、あのアダルトなリリちゃんはなぁ」
「くっそエロいもんなぁ」
「でもさ。抜くんなら温泉回じゃね?」
「「「「たしかに!」」」」
西川の発言に珍しく剛たちは声をそろえて賛成したが、西川はそれに戸惑っている様子だ。
「お?」
「どうした?」
「いや、なんかこう、いつものがないから……」
「あー、まあ、あれだ。いくら俺らでも真理は否定しないっていうか? なぁ?」
「ああ」
「でも西川さ」
「ん? なんだ?」
「俺らにいじられないと満足できないってことは、お前さてはどMだろ?」
「はっ!?」
いきなり細川にいじられ、西川は絶句する。
「そういやポポンどMとかいうのがいたけど、あれお前じゃないだろうな?」
「は?」
「だって、お前、親のカードでスパチャとか――」
「やってねーから! 普通に親に殺されるわ!」
「だよな~」
「知ってた」
血相を変えて否定する西川だったが、生暖かい表情で見てくる剛たちを見てようやくからかわれていることに気付く。
「ああっ! またやられた! お前ら~!」
「あはははは。相変わらずすぐ真に受けるんだから」
「わりぃわりぃ。俺らもお前がそんなことするなんて思ってねぇから」
「お前らなぁ」
すぐに謝ってくる剛たちに西川は毒気を抜かれた様子だ。
するとそこへ両手いっぱいにゴミ袋を抱えた藤田が通りかかった。
「あら? 茂手内くん、こんにちは。ああ、あなたたちが一緒にいるってことはまたリリちゃんの話かしら?」
「えっ? あ、委員長。ゴミ捨て?」
「そうよ。それよりリリちゃんのライブは見た?」
「俺ら全員見たよ」
「そう。良かったわね。でも、なんだかよく分からないことになってきてると思わない?」
藤田の言葉に剛たちは不思議そうな表情を浮かべる。
「ほら、時差の話よ。前はハワイか西海岸あたりだったのに今回は時差無しだったじゃない?」
「ああ、そういえば?」
「もちろん窓から見えてる景色とかはCGで作ってんるでしょうけど、設定のために時差を演出して一体何がしたいのかしらね?」
「ええと?」
藤田の言葉に剛たちはついていけていない様子だ。
「あんなにすぐに配信を終わらせちゃう必要なんてないでしょ? 本当はCGでやってるんだから、ホテルの人が来たっていう設定にしても、そのまま続ければいいだけだもの。誰にも迷惑なんて掛からないんだし」
「あ! 言われてみればそう、かも?」
「でしょ? それに異世界だから時間の流れが違うっていう設定も面白いけど、ライブするならマイナスよね? 時間をきちんと予告しておいたほうが人が集まるし、人が集まったほうがスーパーチャットしてもらいやすいもの」
「たしかに。ってことは、リリちゃんはお金を稼ごうと思っていないってこと?」
「そうよ、細川くん。だからちゃんねる0.5で言われているみたいな、お金がなくてリリちゃんが配信をやめるっていうのは多分ないわね」
「そっか! よしっ!」
細川はガッツポーズをしたが、剛たちもほっと胸をなでおろしたようだ。
「でも、となるとリリちゃんって一体何者なんだろうな?」
「さあ」
「「「「えっ?」」」」
藤田はあっさりと回答を放棄し、そのことに剛たちは目を見開いて驚いた。
「何よ?」
「いや、その、委員長にも分からないことがあるんだなって」
剛がそう答えると、藤田は小さくため息をついた。
「私にだって分からないことくらいあるわよ。当然でしょ?」
「そ、そうだよな。ごめん」
「いいのよ。あっ! それより私、もう行くわね。ゴミ、早く用務員さんに渡してこなきゃ。それじゃあね」
「ああ」
藤田はそう言うとゴミ袋を抱え直し、立ち去っていく。するとそれを見た西川が委員長を呼び止める。
「おーい、委員長」
「何?」
「茂手内が手伝うってよ!」
「えっ? 本当?」
それを聞いた藤田の声のトーンが一段上がった。
「お、おい。西川」
「ほら、行ってやれって。いつも世話になってるだろ?」
「あー、それもそうか。委員長、ゴミ、持つよ」
剛は藤田のところへと歩いていき、ゴミ袋を受け取った。
「ありがとう。悪いわね」
「いいよ。いつも色々教えてもらってるし」
「ん」
藤田は少し嬉しそうにしながらも剛の一歩前を歩いていく。そんな藤田の後ろを剛は追いかけていくのだった。
「リリちゃんの昨日の配信!」
「おう! マジ可愛かったよな!」
「な!」
剛たちは全員ライブを見たようで、興奮気味な様子だ。
「にしても、リリちゃんて魔法使うとPONだったんだな」
「な。前に使ったときもやらかしてたもんな」
「でも、PONなリリちゃん可愛くね?」
「それな~」
「大きな音立てないからねっ! からの爆炎アンド悲鳴だからな」
「飛べるかわからないけどやってみますっ! からのちょっと浮いて墜落も」
楽し気に昨日のライブの様子を身振り手振りを交えながら楽しそうに語り合っている。
「そういやさ。昨日のリリちゃん、なんか雰囲気違ったよな」
「な! なんかこう、上手く言えないけどアダルトな感じ?」
「やっぱ照明ってすげぇよな」
「だな! 薄暗いだけでただでさえエロいのによりエロくなってるし」
「あー、また見てぇなぁ」
「俺も俺も」
「にしてもライブ、どうして残してくれないんだろうな」
「そりゃあ、アレだろ。あんだけやらかしまくってたらさすがにな」
「あーね」
「でも、あのアダルトなリリちゃんはなぁ」
「くっそエロいもんなぁ」
「でもさ。抜くんなら温泉回じゃね?」
「「「「たしかに!」」」」
西川の発言に珍しく剛たちは声をそろえて賛成したが、西川はそれに戸惑っている様子だ。
「お?」
「どうした?」
「いや、なんかこう、いつものがないから……」
「あー、まあ、あれだ。いくら俺らでも真理は否定しないっていうか? なぁ?」
「ああ」
「でも西川さ」
「ん? なんだ?」
「俺らにいじられないと満足できないってことは、お前さてはどMだろ?」
「はっ!?」
いきなり細川にいじられ、西川は絶句する。
「そういやポポンどMとかいうのがいたけど、あれお前じゃないだろうな?」
「は?」
「だって、お前、親のカードでスパチャとか――」
「やってねーから! 普通に親に殺されるわ!」
「だよな~」
「知ってた」
血相を変えて否定する西川だったが、生暖かい表情で見てくる剛たちを見てようやくからかわれていることに気付く。
「ああっ! またやられた! お前ら~!」
「あはははは。相変わらずすぐ真に受けるんだから」
「わりぃわりぃ。俺らもお前がそんなことするなんて思ってねぇから」
「お前らなぁ」
すぐに謝ってくる剛たちに西川は毒気を抜かれた様子だ。
するとそこへ両手いっぱいにゴミ袋を抱えた藤田が通りかかった。
「あら? 茂手内くん、こんにちは。ああ、あなたたちが一緒にいるってことはまたリリちゃんの話かしら?」
「えっ? あ、委員長。ゴミ捨て?」
「そうよ。それよりリリちゃんのライブは見た?」
「俺ら全員見たよ」
「そう。良かったわね。でも、なんだかよく分からないことになってきてると思わない?」
藤田の言葉に剛たちは不思議そうな表情を浮かべる。
「ほら、時差の話よ。前はハワイか西海岸あたりだったのに今回は時差無しだったじゃない?」
「ああ、そういえば?」
「もちろん窓から見えてる景色とかはCGで作ってんるでしょうけど、設定のために時差を演出して一体何がしたいのかしらね?」
「ええと?」
藤田の言葉に剛たちはついていけていない様子だ。
「あんなにすぐに配信を終わらせちゃう必要なんてないでしょ? 本当はCGでやってるんだから、ホテルの人が来たっていう設定にしても、そのまま続ければいいだけだもの。誰にも迷惑なんて掛からないんだし」
「あ! 言われてみればそう、かも?」
「でしょ? それに異世界だから時間の流れが違うっていう設定も面白いけど、ライブするならマイナスよね? 時間をきちんと予告しておいたほうが人が集まるし、人が集まったほうがスーパーチャットしてもらいやすいもの」
「たしかに。ってことは、リリちゃんはお金を稼ごうと思っていないってこと?」
「そうよ、細川くん。だからちゃんねる0.5で言われているみたいな、お金がなくてリリちゃんが配信をやめるっていうのは多分ないわね」
「そっか! よしっ!」
細川はガッツポーズをしたが、剛たちもほっと胸をなでおろしたようだ。
「でも、となるとリリちゃんって一体何者なんだろうな?」
「さあ」
「「「「えっ?」」」」
藤田はあっさりと回答を放棄し、そのことに剛たちは目を見開いて驚いた。
「何よ?」
「いや、その、委員長にも分からないことがあるんだなって」
剛がそう答えると、藤田は小さくため息をついた。
「私にだって分からないことくらいあるわよ。当然でしょ?」
「そ、そうだよな。ごめん」
「いいのよ。あっ! それより私、もう行くわね。ゴミ、早く用務員さんに渡してこなきゃ。それじゃあね」
「ああ」
藤田はそう言うとゴミ袋を抱え直し、立ち去っていく。するとそれを見た西川が委員長を呼び止める。
「おーい、委員長」
「何?」
「茂手内が手伝うってよ!」
「えっ? 本当?」
それを聞いた藤田の声のトーンが一段上がった。
「お、おい。西川」
「ほら、行ってやれって。いつも世話になってるだろ?」
「あー、それもそうか。委員長、ゴミ、持つよ」
剛は藤田のところへと歩いていき、ゴミ袋を受け取った。
「ありがとう。悪いわね」
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「ん」
藤田は少し嬉しそうにしながらも剛の一歩前を歩いていく。そんな藤田の後ろを剛は追いかけていくのだった。
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