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第155話 ルーカスの正体
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ホリーたちが立ち去ったあとの召喚の間に、一人の男が入ってきた。聖騎士団長のルーカスである。
ルーカスは壁際で血を流している教皇の許まで歩いていくと、冷たい視線で見下ろした。
「あ……う……」
「おや? まだ息があったのか」
「ル……カス……儂を……クラ……ディア……ところへ……」
教皇は苦しそうにルーカスに命じるが、ルーカスはそれを冷ややかな目で見ていた。
「ル……カス……?」
「教皇、失敗したあなたにはもう用はない。だが喜べ。最後に役に立てるぞ」
「なに……を……」
「ああ、そうそう。それは返してもらおう」
ルーカスはそう言うと、教皇の服の胸元を斬った。するとそこには聖導のしるしが赤く輝いている。
「ル……カス……きさま……」
「これはソフィアの血を固めて作った貴重なオリジナルだ。あなたにはもう必要ない」
淡々とした表情でそう言い放つと、教皇の胸元から聖導のしるしをむしり取った。
「さて、もうこのセンスのない飾りも不要だ」
そう言うと聖導教会のシンボルをかたどった飾りが溶けるようにして消え、禍々しい飾りが現れた。
「なん……だ……それ……は……」
「分からないのか? まあ、それもそうか。我ら邪神の使徒は長らく正体を隠してきたのだからな」
「じゃ……しん?」
「もともと聖導教会の教義は利用しやすかったからな。邪魔な魔族と人族を分断するのには大きく役に立った。それもこれもすべてはリリヤマールの女王を手に入れるため」
「な、なに……を……」
「さあ、教皇。あなたには生贄になってもらおう。このまま捕まるわけにはいかないのでね」
「ル……カス……」
ルーカスは抗議しようとする教皇のベルトを掴んで持ち上げ、ひょいと魔法陣の中央に向かって投げ捨てた。
「が……ぐ……」
ルーカスは冷たい目で苦しむ教皇を一瞥し、禍々しい飾りに包まれた赤い宝玉を掲げた。
するとすぐに魔法陣は赤黒く禍々しい光を放つ。
「あ、が、ああああああ!」
教皇は最後に絶叫し、そのまま溶けるように消えていった。教皇をのみ込んだ魔法陣はなおも禍々しい光を放ち続けている。
ルーカスは禍々しい飾りに包まれた赤い宝玉を魔法陣の中に投げ込んだ。すると魔法陣は赤い宝玉を中心にしてさらにその輝きを増していく。
「さて、これで時間稼ぎにはなるだろう。オリジナルを失うのは痛いが、リリヤマールの忘れ形見を捕らえればいいだけだ」
そう呟くとルーカスは踵を返し、召喚の間を後にした。
そうして廊下を歩いていくルーカスだが、その左右にはエルドレッドたちによって倒された多数の聖騎士が転がっている。
「だ、だん……ちょ……」
「おや? 生きていたのか?」
「ま、まぞく……が……」
息も絶え絶えな様子でそう報告してくる聖騎士にルーカスは冷たい視線を浴びせる。
「なるほど。ここの聖騎士たちも死んでいないものが多いな。手間をかけさせる」
「え? だん――」
ルーカスは困惑する聖騎士の首に剣を突き立て、トドメを刺した。そして次々と他の聖騎士たちにもトドメを刺していくのだった。
◆◇◆
ルーカスが立ち去ったあとの召喚の間では、赤い宝玉から大量の赤黒いガスが噴き出していた。
ブシュー、という音とともにガスは撒き散らされていく。
それは召喚の間全体に広がるとやがて廊下にも漂っていき、聖騎士たちの遺体を赤黒く覆っていった。
しばらくすると、死んだはずの聖騎士たちがむくりと起き上がった。
「あ、う、う、う……」
聖騎士たちはうめき声を上げ、ゆっくりと歩き始める。だがその光景は異様な物だった。
ある者はルーカスに刺された首の傷が残ったまま、ある者は魔法の爆発のせいで顔の右半分が抉れて脳が露出したまま、またあるものは片足を失って這いつくばりながら、ゆっくりと外へと向かって歩いていく。
召喚の間から彼らを後押しするかのように赤黒いガスが激しく噴き出した。ガスは階段を登り、一階にまでも広がっていく。
しばらくすると、召喚の間にある魔法陣の中央に一人の女性が出現した。
彼女の背丈はホリーよりも少し高いくらいだろうか。
膝まである長いウェーブがかった赤黒い髪と赤黒い瞳を持ち、その青い肌の所々には血管が浮き出ている。そして胸元にはあの赤い宝玉が禍々しい飾りとともにめり込んでいる。
彼女は黒い煽情的なボンテージを身に着けており、さらにその上から赤黒いガスの衣を纏っている。
「ふふふ。久しぶりの肉体ね。でも、これじゃ足りないわ」
そう言ってぺろりと唇を舐め、ニヤリと笑ったのだった。
ルーカスは壁際で血を流している教皇の許まで歩いていくと、冷たい視線で見下ろした。
「あ……う……」
「おや? まだ息があったのか」
「ル……カス……儂を……クラ……ディア……ところへ……」
教皇は苦しそうにルーカスに命じるが、ルーカスはそれを冷ややかな目で見ていた。
「ル……カス……?」
「教皇、失敗したあなたにはもう用はない。だが喜べ。最後に役に立てるぞ」
「なに……を……」
「ああ、そうそう。それは返してもらおう」
ルーカスはそう言うと、教皇の服の胸元を斬った。するとそこには聖導のしるしが赤く輝いている。
「ル……カス……きさま……」
「これはソフィアの血を固めて作った貴重なオリジナルだ。あなたにはもう必要ない」
淡々とした表情でそう言い放つと、教皇の胸元から聖導のしるしをむしり取った。
「さて、もうこのセンスのない飾りも不要だ」
そう言うと聖導教会のシンボルをかたどった飾りが溶けるようにして消え、禍々しい飾りが現れた。
「なん……だ……それ……は……」
「分からないのか? まあ、それもそうか。我ら邪神の使徒は長らく正体を隠してきたのだからな」
「じゃ……しん?」
「もともと聖導教会の教義は利用しやすかったからな。邪魔な魔族と人族を分断するのには大きく役に立った。それもこれもすべてはリリヤマールの女王を手に入れるため」
「な、なに……を……」
「さあ、教皇。あなたには生贄になってもらおう。このまま捕まるわけにはいかないのでね」
「ル……カス……」
ルーカスは抗議しようとする教皇のベルトを掴んで持ち上げ、ひょいと魔法陣の中央に向かって投げ捨てた。
「が……ぐ……」
ルーカスは冷たい目で苦しむ教皇を一瞥し、禍々しい飾りに包まれた赤い宝玉を掲げた。
するとすぐに魔法陣は赤黒く禍々しい光を放つ。
「あ、が、ああああああ!」
教皇は最後に絶叫し、そのまま溶けるように消えていった。教皇をのみ込んだ魔法陣はなおも禍々しい光を放ち続けている。
ルーカスは禍々しい飾りに包まれた赤い宝玉を魔法陣の中に投げ込んだ。すると魔法陣は赤い宝玉を中心にしてさらにその輝きを増していく。
「さて、これで時間稼ぎにはなるだろう。オリジナルを失うのは痛いが、リリヤマールの忘れ形見を捕らえればいいだけだ」
そう呟くとルーカスは踵を返し、召喚の間を後にした。
そうして廊下を歩いていくルーカスだが、その左右にはエルドレッドたちによって倒された多数の聖騎士が転がっている。
「だ、だん……ちょ……」
「おや? 生きていたのか?」
「ま、まぞく……が……」
息も絶え絶えな様子でそう報告してくる聖騎士にルーカスは冷たい視線を浴びせる。
「なるほど。ここの聖騎士たちも死んでいないものが多いな。手間をかけさせる」
「え? だん――」
ルーカスは困惑する聖騎士の首に剣を突き立て、トドメを刺した。そして次々と他の聖騎士たちにもトドメを刺していくのだった。
◆◇◆
ルーカスが立ち去ったあとの召喚の間では、赤い宝玉から大量の赤黒いガスが噴き出していた。
ブシュー、という音とともにガスは撒き散らされていく。
それは召喚の間全体に広がるとやがて廊下にも漂っていき、聖騎士たちの遺体を赤黒く覆っていった。
しばらくすると、死んだはずの聖騎士たちがむくりと起き上がった。
「あ、う、う、う……」
聖騎士たちはうめき声を上げ、ゆっくりと歩き始める。だがその光景は異様な物だった。
ある者はルーカスに刺された首の傷が残ったまま、ある者は魔法の爆発のせいで顔の右半分が抉れて脳が露出したまま、またあるものは片足を失って這いつくばりながら、ゆっくりと外へと向かって歩いていく。
召喚の間から彼らを後押しするかのように赤黒いガスが激しく噴き出した。ガスは階段を登り、一階にまでも広がっていく。
しばらくすると、召喚の間にある魔法陣の中央に一人の女性が出現した。
彼女の背丈はホリーよりも少し高いくらいだろうか。
膝まである長いウェーブがかった赤黒い髪と赤黒い瞳を持ち、その青い肌の所々には血管が浮き出ている。そして胸元にはあの赤い宝玉が禍々しい飾りとともにめり込んでいる。
彼女は黒い煽情的なボンテージを身に着けており、さらにその上から赤黒いガスの衣を纏っている。
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そう言ってぺろりと唇を舐め、ニヤリと笑ったのだった。
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