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2 15歳
しおりを挟むデビュタントを迎える今年、私はアルバートと婚約した。デビュタントの夜会で婚約を発表する。
「リリーアンヌが婚約者になってくれて俺は嬉しい」
「アルバートを側で見てるって言ったでしょ?」
青年の顔付きになったアルバート。優しく笑う顔は幼い頃から見ていた顔。アルバートは優しい青年になった。
「リリーアンヌ」
遠くから私を呼ぶ声が聞こえ振り返る。
「ジェイデン王子」
「リリーアンヌは今まで通りに呼んでくれないの?」
まだ少し幼さが残るジェイデン。それでも少年の顔付きになった。
「リリーアンヌ、どうして兄上と婚約したの?リリーアンヌを俺の婚約者にしようと思っていたのに」
「ジェイデン、私は貴方よりも年上よ?それに、」
「年上なんて関係ないじゃないか」
「それにね、私はアルバートが国王になる所を側で見守り支えたいの」
「なら俺が国王になったらリリーアンヌは俺と婚約してくれるの?」
「しないわ。ジェイデンにはジェイデンに見合った令嬢がいるわ。いつかジェイデンにも婚約者が出来る。でもそれは私ではないの。分かるでしょ?」
「分からないよ」
拗ねて顔を背けるジェイデン。
「ジェイデンいい加減にしろ」
「兄上はリリーアンヌと婚約出来て良いかもしれないけどさ」
「俺はリリーアンヌとタイラーが側に居てくれたら心強い。それに二人は俺にとって無くてはならない存在だ」
「そんなの俺だって…」
「ジェイデン、ジェイデンは俺の大事な弟だ、お前だって俺には無くてはならない存在なんだぞ?」
「分かってるよ。だから俺は兄上が国王になったら支えたいと思ってるよ」
「そうか」
優しい眼差しでジェイデンを見つめるアルバート。ジェイデンの頭を撫でている。ジェイデンも嬉しそう。
私はそんな二人の姿を見つめる。
「リリーアンヌ何を笑ってるんだ?」
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グレイソンは8歳年下の第三王子。私の弟ライアンと同じ年。グレイソンとライアンは幼馴染みとして一緒に過ごす事が多い。末っ子のグレイソンは王位に興味がない。それよりも騎士に興味があるみたい。
アルバートが国王になった時、ジェイデンは国王を支える宰相に、グレイソンは国王を護る近衛騎士に、そして私は王妃になり側で見守り支える。
この時の私は思い描く将来がとても明るいものだと信じていた。
デビュタント当日、私は白いドレスに身を包みアルバートが来るのを王宮の一部屋で待っている。
扉から現れたアルバートも白い衣装に身を包み少し大人っぽい印象だった。
「リリーアンヌ可愛い」
「アルバートも格好いいわ」
見つめ合い、そしてお互い視線を落とした。顔に熱をもつのが分かるくらい顔を真っ赤にさせ、恥ずかしい気持ちを隠す事が出来ない。
「リリーアンヌ」
アルバートは私の手を取り私の指に指輪をはめた。
「これ、」
私は驚きアルバートを見る。
「婚約指輪」
「ありがとう。大切にするわ」
アルバートは照れた顔を隠すように顔を背けた。赤みを帯びたアルバートの顔。私の顔も熱くなるのが分かった。
アルバートの瞳の色の青色の宝石がはめられた指輪。
王族の血を引く者は銀色の髪、青色の瞳を持って産まれてくる。お父様とライアンは銀色の髪、青紫色の瞳で王族の血が強く出ている。
アルバートにエスコートされ王族の出入口に着いた。
「リリーアンヌ緊張してる?俺は緊張してる」
「ふふっ、私もよ。緊張してほら手が震えているもの」
私は震える手を前にかざした。かざした私の手を包むようにアルバートの手が触れた。
「俺もだ」
アルバートの少し震えている手が私の手を握る。
「それでも俺達二人なら大丈夫、だろ?」
私はアルバートの顔を見た。優しく微笑むアルバートの顔は緊張した面持ちだった。それでもそれを必死に隠し私に優しく微笑む。
「ええ、アルバートと一緒なら大丈夫」
私はアルバートに微笑み返した。
「さあ行こうか」
アルバートの声で扉が開き会場の視線が集まる。
アルバートにエスコートされ一歩足を前に出す。その一歩、私が王族の一員として歩き出した瞬間だった。
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