悪女と呼ばれた王妃

アズやっこ

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13 23歳 ⑦

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半年後、流行り病はウイング侯爵が捨てたと言った土地の中だけで広がりを抑えた。

まだ寝たきりの老人もいる。それでもほとんどの人が快方に向かい、治癒した。

侯爵が見捨てた領民は子爵家と男爵家に親族が居る者は治癒し少し様子を見てから両領地に移る事が決まった。残りの領民は辺境の領民になった。



あれはウォルダー子爵がアルバートと謁見する一週間前、


「ウォルダー子爵、ウエスター男爵、本日はわざわざすみません。両領地共、大変な時にお呼び出しし申し訳ありません」

「王妃殿下、我々の申し出を受けて頂き感謝致します」

「早速ですが本題に入ります。ウォルダー子爵、貴方の考えをお聞かせ下さい」

「はい、領民に確認した所、両親や子供や孫達と一緒に暮らしたいと申し出る者が多くいました。天災で被害にあったこそ一緒に暮らしたいと。

私は領民の申し出を受けるつもりです」

「ありがとうございます」

「王妃殿下、私もよろしいでしょうか」

「ウエスター男爵どうぞ」

「我が男爵家も数人ですが受け入れるつもりです」

「ありがとうございます。男爵家は侯爵領よりも辺境との縁が多いですものね」

「はい。侯爵領に行った者は数人です。若い者は辺境の騎士になりたい者が多いですから」

「この度は辺境伯と男爵にはご協力を頂き本当に感謝しています。荷物の運搬の手伝いも進んで協力してくれたと報告を受けています。辺境伯には感謝の手紙を送りましたが、男爵には直接感謝の言葉をお伝えしたいと思い本日お呼び出ししました。

流行り病が流行している地に近付きたくない者が大半です。それでもご協力のお陰で助かった命です。本当にありがとうございました」


私は立ち上がり頭を下げた。


「頭を上げて下さい。妃殿下の民を思う気持ちに私は頭が下がります。領地は弟が領主をしていて無事の報告は受けていましたが、領地の状態、領民達、一度領地へ様子を見に行きました。その時穀物と薬、生活用品を乗せた馬車と一緒になりました。あれだけの量を、それも1回だけではないと、これで4回目だと教えてもらいました。

こう言っては不敬にあたりますが、前王妃殿下はあまり民に対して関心をお持ちではなかったと、すみません。それに領民達はアルバート新国王のお陰だと言っていましたが違いますね?妃殿下ですね?

私も本日ここに来るまで新国王だと思っていました。ですが妃殿下の独断だと確信しました」

「ふふっ、それはどうでしょう。ですが民が居てこその国です。立場の弱い平民を護る、それが私の理念です。そしてアルバート新国王が護るものを王妃として支える、それが私の信念です。

こう言ってはいけませんが前王妃殿下の関心は私とは違いましたから。

ここだけの秘密ですよ?3人だけの秘密です」

「「はい」」

「ウォルダー子爵、貴方には少し広い領地が渡るようにします。領民が増え大変だとは思いますが、馬は生活に欠かせないものです。騎士達にとっても欠かせないものです。子爵家のさらなる繁栄を心からお祈りしています」

「はい、ありがとうございます」


子爵と男爵が帰り私はアルバートの執務室へ向かった。


「アルバート、ウォルダー子爵に渡す領地だけど、ここはどうかしら」

「子爵にしては広すぎないか」

「子爵領は馬を育て子爵家を支えているわ。馬は騎士達にとっても我々にとっても欠かせないものよ。無くてはならないもの、そう思わない?

それに馬は広大な土地で伸び伸び育てる方が良いと思わない?確かに子爵にしては広大な土地よ?でも他の土地は馬を育てるには狭いと思うの」

「それは一理あるか、分かったそうしよう」



一週間後、ウォルダー子爵には広大な領地に移るように伝えた。領民が増えても十分な広さがあり、馬を育てるにも広い土地がある。以前の子爵領のように自然に囲まれた地、領民達も直ぐ生活に慣れると思う。



「アルバートお待たせ」


今日は一緒に庭でお茶をしようと約束していた。私はアルバートの執務室へ入り机の上にある書類の山を見た。


「リリーアンヌ、ちょっと待ってて、もう少しで終わらせるから」

「アルバート手伝う事はある?」

「あー、ならこっちをお願い」


各貴族から資金の流れの報告書と領民の人数の報告書の束を受け取った。貴族にとって領民の人数がその家の価値を決める、そう言われている。

単に人数が多ければ良いというわけではない。領地の広さ、資金の流れ、爵位に合わせた適正な領民の人数、それら全て。

人数が多すぎて領民の生活が困窮するなら意味はない。また少なすぎても領民達に負担がかかり迫害の原因になる。

提出された報告書と独自で得た情報を照らし合わせて調べていく。私も独自に動かす情報員が所々にいる。傭兵、商人、領地を転々とする流れ者、土地に住み商売をする者、シスターもいる。常に国中の情報を得ている。



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