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「お嬢様、俺がやりますよ」
私は花壇の手入れをしている。庭師も前は居たけど高齢で辞めてから新しい庭師は雇ってない。だから最近は私が花壇の手入れをしているの。人様から見える花壇には花を植えて、目立たない花壇で野菜を作ってる。
「良いのよ、私は好きでやってるの」
「俺も暇なので」
「そう? なら手伝ってくれる?」
「はい」
「ねえクロード」
「何ですか?」
「クロードは結婚したい?」
「俺ですか?出来ればしたいですね。ですが俺には無理ですから」
「ねえクロ」
「何ですか?」
「ねえクロ」
「何?」
「クロは捨て子なの気にしてるの?」
「当たり前だろ」
クロ、クロードは子供の時、親に捨てられた。街で倒れてる所を私とお兄様が見つけ、邸に連れて来た。
私より三つ年上の19歳。この家で一緒に過ごし騎士になる為に努力して今は護衛として伯爵家に仕えてる。御者の代わりもするから馬の扱いもお手のもの。
私がクロと呼ぶ時はクロも前の様に話してくれる。私にとって幼馴染みみたいな存在なの。
「だから結婚は無理なの?」
「それだけじゃないけどな」
「じゃあ何?」
「結婚はしたいけど家族ってものが怖い」
「女は抱きたいけど子供はいらない、みたいな?」
「お前な、」
「違うの?なら遊びなら良いけど本気は嫌、みたいな?」
「だから、お前な、一応令嬢だろ?恥じらいはどうした!」
「どこかに落としてきたのかもね?」
「はぁぁぁ」
「何よ!」
「お前も女ならそういう事を言うな!」
「あのね!私だって知ってるわよ!男女の営みぐらい」
「だとしてもだ」
「それでもそういう事でしょ?」
「ちょっと違うけどな」
「何が違うの?」
「結婚はしたい。俺だけのものってのが欲しいんだ」
「なら家族が怖いは?」
「親に捨てられた俺が子供を可愛がれるのか?俺も親みたいに子供を捨てるかもしれないだろ?」
「やっぱり女は抱きたいけど子供はいらないじゃない」
「子供がいらない訳じゃない。子供は欲しい。家族になるのが嫌な訳じゃない、憧れもある。俺は親のようにはならないと思う反面、親と同じ事をしたらどうしようと不安になる。だから怖い。大事な物を持つって事がな」
「大事な物を持つのは誰だって怖いわよ。失くしたくないと思う気持ちが大きい程ね」
「それより急にどうした?結婚したいかなんて聞いてきて」
「お父様がまたね…」
「縁談か?」
「そう。今回は恋人が居る人と女好きとお爺ちゃん」
「お前も大変だな」
「全て断ったわよ?当たり前じゃない。何で好き好んで問題ありの人と結婚するのよ。私は私だけを愛してくれる人がいい。別に貴族じゃなくてもね。貴族にしがみつきたい訳じゃないし」
「それでも旦那様はお前に幸せになってほしいだけだろ?」
「それは分かってるわよ? 貴族に嫁ぐ事が幸せなの?」
「平民に嫁げば全て自分でやらないといけないんだぞ」
「今だって同じじゃない。洗濯は任せてるけど、掃除だって、ご飯の下準備だって手伝ってるわ」
「それでも貴族と平民では生活が違うだろ?」
「まあ分かるわよ?お嬢様育ちのお母様は未だに一人で何も出来ないもの」
「奥様は根っからのお嬢様だからな」
「まあね。元侯爵令嬢だからね。それも裕福なね」
「まあな」
「今頃優雅にお茶でも飲んでそうだけど」
「それはあり得るな」
「お兄様が頑張って領地を盛りたててもお母様が使ってたら意味ないじゃない。だからお兄様に嫁が来ないのよ?」
「若ならいつでも嫁が来るさ」
「そうだけど…。お兄様、お母様に似て見目は良いものね」
「お前も可愛いだろうが」
「私はお父様に似て普通なの。良くも悪くもなくて普通」
「普通なのは髪の色だろ?顔は奥様に似てるぞ?」
「見た目が普通なら結局普通なのよ。さあ下準備の手伝いに行こうかな」
「俺も手伝うか?」
「クロはここの片付けお願い」
「それはいいけど」
「ならお願いね」
私は邸の中に入った。
私は花壇の手入れをしている。庭師も前は居たけど高齢で辞めてから新しい庭師は雇ってない。だから最近は私が花壇の手入れをしているの。人様から見える花壇には花を植えて、目立たない花壇で野菜を作ってる。
「良いのよ、私は好きでやってるの」
「俺も暇なので」
「そう? なら手伝ってくれる?」
「はい」
「ねえクロード」
「何ですか?」
「クロードは結婚したい?」
「俺ですか?出来ればしたいですね。ですが俺には無理ですから」
「ねえクロ」
「何ですか?」
「ねえクロ」
「何?」
「クロは捨て子なの気にしてるの?」
「当たり前だろ」
クロ、クロードは子供の時、親に捨てられた。街で倒れてる所を私とお兄様が見つけ、邸に連れて来た。
私より三つ年上の19歳。この家で一緒に過ごし騎士になる為に努力して今は護衛として伯爵家に仕えてる。御者の代わりもするから馬の扱いもお手のもの。
私がクロと呼ぶ時はクロも前の様に話してくれる。私にとって幼馴染みみたいな存在なの。
「だから結婚は無理なの?」
「それだけじゃないけどな」
「じゃあ何?」
「結婚はしたいけど家族ってものが怖い」
「女は抱きたいけど子供はいらない、みたいな?」
「お前な、」
「違うの?なら遊びなら良いけど本気は嫌、みたいな?」
「だから、お前な、一応令嬢だろ?恥じらいはどうした!」
「どこかに落としてきたのかもね?」
「はぁぁぁ」
「何よ!」
「お前も女ならそういう事を言うな!」
「あのね!私だって知ってるわよ!男女の営みぐらい」
「だとしてもだ」
「それでもそういう事でしょ?」
「ちょっと違うけどな」
「何が違うの?」
「結婚はしたい。俺だけのものってのが欲しいんだ」
「なら家族が怖いは?」
「親に捨てられた俺が子供を可愛がれるのか?俺も親みたいに子供を捨てるかもしれないだろ?」
「やっぱり女は抱きたいけど子供はいらないじゃない」
「子供がいらない訳じゃない。子供は欲しい。家族になるのが嫌な訳じゃない、憧れもある。俺は親のようにはならないと思う反面、親と同じ事をしたらどうしようと不安になる。だから怖い。大事な物を持つって事がな」
「大事な物を持つのは誰だって怖いわよ。失くしたくないと思う気持ちが大きい程ね」
「それより急にどうした?結婚したいかなんて聞いてきて」
「お父様がまたね…」
「縁談か?」
「そう。今回は恋人が居る人と女好きとお爺ちゃん」
「お前も大変だな」
「全て断ったわよ?当たり前じゃない。何で好き好んで問題ありの人と結婚するのよ。私は私だけを愛してくれる人がいい。別に貴族じゃなくてもね。貴族にしがみつきたい訳じゃないし」
「それでも旦那様はお前に幸せになってほしいだけだろ?」
「それは分かってるわよ? 貴族に嫁ぐ事が幸せなの?」
「平民に嫁げば全て自分でやらないといけないんだぞ」
「今だって同じじゃない。洗濯は任せてるけど、掃除だって、ご飯の下準備だって手伝ってるわ」
「それでも貴族と平民では生活が違うだろ?」
「まあ分かるわよ?お嬢様育ちのお母様は未だに一人で何も出来ないもの」
「奥様は根っからのお嬢様だからな」
「まあね。元侯爵令嬢だからね。それも裕福なね」
「まあな」
「今頃優雅にお茶でも飲んでそうだけど」
「それはあり得るな」
「お兄様が頑張って領地を盛りたててもお母様が使ってたら意味ないじゃない。だからお兄様に嫁が来ないのよ?」
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「見た目が普通なら結局普通なのよ。さあ下準備の手伝いに行こうかな」
「俺も手伝うか?」
「クロはここの片付けお願い」
「それはいいけど」
「ならお願いね」
私は邸の中に入った。
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