ガネット・フォルンは愛されたい

アズやっこ

文字の大きさ
3 / 16

侍女として働きます

 積もる話をお互い話し、いつまでも客人は申し訳ないと侍女として働きます。


「奥様、本日のお召し物はいかが致しましょう」

「ガネットに任せるわ」

「畏まりました」


 私は一枚のワンピースを持ってきました。


「ではこちらはいかがでしょうか」

「それで良いわ」

「ではこちらに」


 寝夜着を脱がせワンピースに着替えます。


「ガネット」

「お茶の準備はしてあります」

「お願いね」


 私は素早くお茶を淹れました。


「では、失礼致します」


 部屋を出て、寝室の掃除をします。シーツを取り換え、花も挿し替えます。

 旦那様と奥様、それから二人の坊ちゃまの朝食の間部屋の隅で待機し、朝食が終わられた坊ちゃま達を椅子から下ろします。


 坊ちゃま達を専属のメイドに引き渡し、私は旦那様と奥様のお茶の準備を致します。

 朝食が終わられた旦那様からお茶をお出しし、


「ガネットありがとう」

「いえ」


 奥様も終わられたのでお茶をお出しします。


「ありがとうガネット」

「いえ。では失礼致します」


 私は急いでパンを頂きます。

 奥様が部屋へ戻られる時後ろから付いていきます。

 部屋には坊ちゃま達が既に居て、私は部屋から出て来ました。


「ガネットちゃんおはよう」

「おはようございます、ハルク様」

「様なんていらないよ」

「では、ハルク副団長様」

「他人行儀だなぁ」

「他人ですので」

「ガネットちゃん今日夜ご飯一緒に食べない?」

「結構です。私はアンネと食べますので」

「アンネちゃんも一緒でいいからさぁ」

「ご遠慮致します。では」

「ねえガネットちゃん、元旦那の事まだ忘れられない?だから俺の誘いも断るの?」

「とうの昔に忘れました」

「なら元旦那の事も気にならないんだ」

「はい、他人の事など気になりません」

「冷たいなぁ」

「冷たくて結構です」

「ガネットちゃんの元旦那さぁ、辺境に来てるよ」

「そうですか」

「俺がやっつけてやろうか?」

「勝手にどうぞ」

「勝手にして死んじゃったらごめんね」

「どうぞご勝手に」

「これっぽっちも思ってないんだね」

「そうですね。私は変わりのきく妻でしたので」

「変わりのきく妻か」

「はい」

「失いたくないから愛人を作ったって思わないの?」

「愛人を作るのが男の矜持ですか?私は私だけを生涯愛してほしかったのです。愛人に注ぐ愛情も全て」

「愛人に注ぐのは愛じゃないかもよ?欲だったかもしれない」

「欲に溺れた、快楽に溺れた、確かにそうでしょう。私は幼い頃からそんな人を身近で見てきました。身近で見てきたからこそ私には耐えられないと思いました。自分が妻の立場なら耐え続ける事はできません」

「ならその身近で見てきた人の妻は何故耐えられたと思う?」

「分かりません。ですが夫婦には夫婦にしか分からない事もあると思います。妻にとって一番大切な大事な何かを夫が最後まで妻にしか示さなかった。妻だけの特別な何かを最後まで穢さなかったからではないでしょうか」

「君にとって特別な何かがあるんだ」

「はい」

「それを元旦那は穢した?」

「そうですね」

「それは許せないね」

「はい」

「それは愛人を作るなって事?」

「愛人や浮気で傷付いたのは事実です。出来れば愛人なんて作って欲しくない。でも、特別な何かは違います」

「そうか。ならこれは捨てよう」


 ハルク様が持っていたのは黄色の花でした。


「受け取るつもりはありません」

「分かった」


 ハルク様は黄色の花を窓から捨てました。


感想 194

あなたにおすすめの小説

私が妻です!

ミカン♬
恋愛
幼い頃のトラウマで男性が怖いエルシーは夫のヴァルと結婚して2年、まだ本当の夫婦には成っていない。 王都で一人暮らす夫から連絡が途絶えて2か月、エルシーは弟のような護衛レノを連れて夫の家に向かうと、愛人と赤子と暮らしていた。失意のエルシーを狙う従兄妹のオリバーに王都でも襲われる。その時に助けてくれた侯爵夫人にお世話になってエルシーは生まれ変わろうと決心する。 侯爵家に離婚届けにサインを求めて夫がやってきた。 そこに王宮騎士団の副団長エイダンが追いかけてきて、夫の様子がおかしくなるのだった。 世界観など全てフワっと設定です。サクっと終わります。 5/23 完結に状況の説明を書き足しました。申し訳ありません。 ★★★なろう様では最後に閑話をいれています。 脱字報告、応援して下さった皆様本当に有難うございました。 他のサイトにも投稿しています。

すれ違う思い、私と貴方の恋の行方…

アズやっこ
恋愛
私には婚約者がいる。 婚約者には役目がある。 例え、私との時間が取れなくても、 例え、一人で夜会に行く事になっても、 例え、貴方が彼女を愛していても、 私は貴方を愛してる。  ❈ 作者独自の世界観です。  ❈ 女性視点、男性視点があります。  ❈ ふんわりとした設定なので温かい目でお願いします。

さよなら私の愛しい人

ペン子
恋愛
由緒正しき大店の一人娘ミラは、結婚して3年となる夫エドモンに毛嫌いされている。二人は親によって決められた政略結婚だったが、ミラは彼を愛してしまったのだ。邪険に扱われる事に慣れてしまったある日、エドモンの口にした一言によって、崩壊寸前の心はいとも簡単に砕け散った。「お前のような役立たずは、死んでしまえ」そしてミラは、自らの最期に向けて動き出していく。 ※5月30日無事完結しました。応援ありがとうございます! ※小説家になろう様にも別名義で掲載してます。

お飾りな妻は何を思う

湖月もか
恋愛
リーリアには二歳歳上の婚約者がいる。 彼は突然父が連れてきた少年で、幼い頃から美しい人だったが歳を重ねるにつれてより美しさが際立つ顔つきに。 次第に婚約者へ惹かれていくリーリア。しかし彼にとっては世間体のための結婚だった。 そんなお飾り妻リーリアとその夫の話。

貴方に私は相応しくない【完結】

迷い人
恋愛
私との将来を求める公爵令息エドウィン・フォスター。 彼は初恋の人で学園入学をきっかけに再会を果たした。 天使のような無邪気な笑みで愛を語り。 彼は私の心を踏みにじる。 私は貴方の都合の良い子にはなれません。 私は貴方に相応しい女にはなれません。

ただずっと側にいてほしかった

アズやっこ
恋愛
ただ貴方にずっと側にいてほしかった…。 伯爵令息の彼と婚約し婚姻した。 騎士だった彼は隣国へ戦に行った。戦が終わっても帰ってこない彼。誰も消息は知らないと言う。 彼の部隊は敵に囲まれ部下の騎士達を逃がす為に囮になったと言われた。 隣国の騎士に捕まり捕虜になったのか、それとも…。 怪我をしたから、記憶を無くしたから戻って来れない、それでも良い。 貴方が生きていてくれれば。 ❈ 作者独自の世界観です。

[完結]裏切りの果てに……

青空一夏
恋愛
王都に本邸を構える大商会、アルマード男爵家の一人娘リリアは、父の勧めで王立近衛騎士団から引き抜かれた青年カイルと婚約する。 彼は公爵家の分家筋の出身で、政争で没落したものの、誇り高く優秀な騎士だった。 穏やかで誠実な彼に惹かれていくリリア。 だが、学園の同級生レオンのささやいた一言が、彼女の心を揺らす。 「カイルは優しい人なんだろ? 君が望めば、何でもしてくれるはずさ。 でも、それは――仕事だからだよ。結婚も仕事のうちさ。 だって、雇い主の命令に逆らえないでしょ? 君に好意がなくても、義務でそうするんだ」 その言葉が頭から離れないリリアは、カイルの同僚たちに聞き込み、彼に病気の家族がいると知った。「治療費のために自分と結婚するの?」 そう思い込んだリリアに、父母がそろって事故死するという不幸が襲う。 レオンはリリアを惑わし、孤立させ、莫大な持参金を持って自分の元へ嫁ぐように仕向けるのだった。 だが、待っていたのは愛ではなく、孤独と裏切り。 日差しの差さない部屋に閉じ込められ、心身を衰弱させていくリリア。 「……カイル、助けて……」 そう呟いたとき。動き出したのは、かつて彼女を守ると誓った男――カイル・グランベルだった。そしてリリアも自らここを抜けだし、レオンを懲らしめてやろうと決意するようになり…… 今、失われた愛と誇りを取り戻す物語が始まる。

(完)大好きなお姉様、なぜ?ー夫も子供も奪われた私

青空一夏
恋愛
妹が大嫌いな姉が仕組んだ身勝手な計画にまんまと引っかかった妹の不幸な結婚生活からの恋物語。ハッピーエンド保証。 中世ヨーロッパ風異世界。ゆるふわ設定ご都合主義。魔法のある世界。