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11 役者がそろった
スカーレット公爵令嬢がエドワード王子の婚約者に決まった。
さあ、頑張ってね?
スカーレット様、貴女は今とても喜んでいるわよね?
伯爵令嬢になった私は今まで通り学園に通った。遠巻きに何か言ってくる人はいるけど私は気にしない。
勝手に言ってなさい。
「あら、伯爵令嬢のシャーロット様じゃない」
私はスカーレット様にお辞儀をした。
「知ってる?私エドワード王子の婚約者になったのよ?エドワード王子から婚約者になってくれって直々に頼まれたの。だから断われなくて。
あら、ごめんなさいね?貴女はエドワード王子に婚約破棄されたのよね?やっぱりエドワード王子も愛していない人と婚姻はしたくなかったのよ。
私はエドワード王子、ううん、エドワードから愛されているから、昨日も一緒に、ふふっ、お茶をしたの。エドワードったら優しいのよ?」
「スカーレット様のお美しさにエドワード王子も思い直したんだと思いますよ?愛していない元婚約者より、愛してるスカーレット様だと」
「やっぱりそう思う?」
「はい」
「そうよね、だって私の事を愛しいって瞳で昨日も見つめてきたもの。だからね、私がエドワードを癒してあげるの。元婚約者に苦労させられたでしょ?だから今はエドワードの心を癒やしてあげたいわ。それは婚約者の私の役目よね?」
「スカーレット様しか癒せませんよ」
スカーレット様と取巻きの令嬢が話している所を私は黙って見つめている。
取巻きの令嬢、貴女は確か伯爵令嬢よね?私を押したのを覚えているわよ?どうせ靴を隠したのも、教科書を破いたのも、ゴミ箱に捨てたのも貴女でしょ?
スカーレット様は頬を赤らめて喜んでいるけど、ふふっ、
あれはいつもの校舎裏でレーナさんと話しをしていた時の事。
「レーナさん、私が婚約破棄されたらエドワード王子にスカーレット公爵令嬢と婚約してほしいと頼んだ方がいいと思うの」
「そうね!乙女ゲームには悪役令嬢のスカーレットが必要だもの」
「ええ、そしてエドワード王子から婚約を申し込んで仲良くしてほしいと伝えたらどう?」
「どうして?」
「もしスカーレット公爵令嬢とまた婚約破棄にでもなったらエドワード王子は国王にはなれないわ。私も臣下としてそれは悲しいもの。
それにレーナさんから伝えたらレーナさんの優しい心にエドワード王子はまた感動すると思うわ。
あとね、もしもの話よ?もし他国の王女様が婚約者にでもなったらレーナさんは殺されるかもしれないわ」
「それは嫌よ」
「それでも他国の王女様とは国と国が絡んでいるからエドワード王子も王女様を邪険には出来ないでしょ?
エドワード王子の愛を独占している愛しいレーナさんは王女様からしたら邪魔になる存在だと思うの」
「そうなの?」
「ええ、他国の王女様にはこの国のしきたりは通用しないのよ。残念ながらね」
「しきたり?」
「この国は男性の方が立場が上なの。女性は男性に口答え出来ないの。だからエドワード王子がスカーレット様と婚姻した後でレーナさんの存在が明るみになったとしても、スカーレット様に「黙って従え」と言えば済む話だもの。
だからね?婚約中は仲良く過ごしてって頼んでみたら?」
「でも、それだとエドワードはスカーレットを好きにならない?」
「そこはレーナさんが虜にし続ければ済む話でしょ?今だってエドワード王子の愛を独占しているのはレーナさんよ?
それに学園を卒業するエドワード王子にはもうレーナさんを助ける事は出来ないのよ?もしレーナさんの存在をスカーレット様が知ったら嫌がらせをされるのよ?でも助けてくれるエドワード王子は、もういない。
レーナさんは一人で耐えられるの?」
「それは無理よ」
「でしょ?レーナさんの存在を知るのは婚姻した後がいいと思うの。これはレーナさんの身を護る為、にもよ?
エドワード王子にスカーレット様と婚姻するまでは秘密の恋人になりましょ?ってレーナさんが言ったら、愛しいレーナさんの可愛いお願いを聞いてくれると思うわ。
嫉妬して可愛いと、どんどんレーナさんの虜になるわね?」
「そうよね、私の身を護る為よね、分かったわ。結婚するまでは秘密の恋人になって結婚したら堂々とエドワードとの仲をスカーレットに、皆に見せびらかすわ」
「それがいいわ。それに秘密の恋人なんて何か悪い事をしているようでいい刺激になりそうね?」
「それもそうね。シャーロット、いつもありがとう」
「私もエドワード王子とレーナさんの愛を応援している一人だもの」
レーナさんは足取り軽く私の前を去って行った。
「聞いていたわね」
「はい」
「スカーレット様は必ずエドワード王子の婚約者になるわ、私が婚約者にするから。婚約者になったら二人の接触は回避して」
「承知」
あれから私が婚約破棄されて目の前のスカーレット様が婚約者になった。まだレーナさんの存在には気づいていない。
「ふふっ」
役者はそろったわ!
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