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番外編 シャーロットの未来
この国は傾きかけている。第一王子と妾を王子妃が殺し処刑。王子妃は一躍有名の悪女となった。
そして王子と妾の一途な恋、障害があっても一途にお互いを思う恋物語として観劇になった。
スカーレット様の実家の公爵家は取潰になり、公爵家だけじゃなく親戚筋も取潰になった。
でも暴君王子が暴露されてからは今度は王家が矢面に立った。
元婚約者の私や妃のスカーレット様を蔑ろにし妾の体に溺れ快楽に溺れ婚約者として夫として浮気をし不貞をし続けた事が明るみになり、妾と一日中部屋に籠もり情事をしていて王子としての政務もしていなかった事が明るみになった。
こんな王子を次期国王にしようとしていた現国王は貴族、平民、この国の民を敵に回した。
息子一人まともに育てられないのか!
王子の状況を知っていて、あえて見てみぬふりをしたのか!
スカーレット王子妃殺し!
国王に毒杯を!
王家に毒杯を!
この国の民の声は日に日に大きくなっていった。
その打開策として唯一生き残っている私に第二王子の婚約者になってほしいって言われたわ。王子妃教育も終わっているしね。
でも丁重にお断りさせてもらった。
第二王子には代わりに侯爵家の令嬢を紹介したわ。お父様が侯爵家の後ろ盾になって王家と和解って形にしたの。侯爵家も公爵家が後ろ盾に付いてくれれば安心だしね。
そうなの。お父様が公爵家当主になったのよ。だから私もまた公爵令嬢になったわ。広大の土地を所有し、老舗の商会を持ち、裏の顔の元締め。三家になった公爵家の中でも一番の影響力を持つ公爵家になった。
元お父様はあれから快楽に溺れ公爵当主としての役目を果たさなかった。種無しの事実も明るみに出ていたし、当主の権利を剥奪され次男のお父様に当主の座が移った。
今はお父様が所有する邸にサーラと義母と3人で暮らしているわ。まあ、幽閉みたいなものよ。そこで毎日元お父様とサーラは情事に励み、義母は使用人になっているわ。どれだけ情事に励んでも子が出来ないんだから好きなだけ楽しんで?
でも私も騙されたわ。
「あの女は強かだぞ。自分の娘を兄上に差し出したんだからな」
お父様に聞いた時は驚いたわ。だけど良く考えれば分かるわよね。あの義母が強かなのも、自分の生活を護る為にサーラを元お父様の愛人にしたのも。
義母とサーラは親子だもの。サーラが行くところに自分は付いていけるでしょ?自分はもうお払い箱なら代わりにまだ若い娘を差し出す。サーラを言いくるめるのは造作もないもの。
元お父様の愛人になれば綺麗なドレスも宝石も好きなだけ買って貰える、とでも言えばあの物欲の塊のサーラなら二つ返事で元お父様の愛人になるわね。それで自分はおこぼれを貰う。
でもそう画策したとしても自分の娘を生贄にするとはね…。
もう私には関係ない人達だわ。好きに生きて?どうせそこから一生出れないんだもの。
でもいつまで生きていられるかしらね。3人で暮らすには明らかに少ない食料しか貰えないのよ?それにお金もない。そこで誰が死のうが、誰にも気づかれない。だってそこ、地図上にはない所なの。諜報員の死の墓場って呼ばれているのよ?
お父様が公爵当主になった事で伯爵家はいずれ私の子が二人出来た時に一人の子に継がせれるように公爵家の分家としてお父様が今も持っている。元々領地はない爵位だもの。
公爵当主になったお父様だけど住まいは伯爵家よ?公爵家は更地にしたわ。あそこには良い思い出もないしね。それにここにはお母様も眠っている。お母様の側にいたいお父様がここから動く訳がないわ。
私は公爵家の血を受け継ぐ唯一の存在。
縁談の話は来るわよ?
エドワード王子に婚約破棄されて傷もの令嬢になったけど、暴君王子が世に知れ渡って私は同情されるようになった。
同情なんていらないわ。
婚約解消したかったのは私だもの。
それなのに王子に蔑ろにされて傷ついているんでしょ?って腫れ物に触るようにされるの。
結局傷心令嬢って言われてるの。
でもね…、私が幸せになってもいいの?私が作り上げた乙女ゲームの世界はエドワード王子、スカーレット王子妃、レーナさん、3人の犠牲者が出たわ。
これでも責任を感じているの。
だから私が幸せにならないように、婚約者を蔑ろにして婚約破棄した侯爵令息と婚約したわ。
一度した人は同じ事をするもの。
私は公爵家の血を受け継ぐ子を産めればいいの。だから初めに言ったの。
「貴方が愛人を作ろうが私は気にしません。ただ、もし愛人に子が出来ても公爵家とは関係のない子です。私の血を受け継ぐ子だけが公爵家を継げます。もし乗っ取ろうと画策しているのなら、覚悟、を持って下さいね?」
「俺は一度婚約者を蔑ろにして婚約破棄した。勘当されなかったのが奇跡だと思っている。それに、エドワード元王子のようにはなりたくない」
そうよね。暴君王子の醜態は観劇で世に広まった。これからも広まり続けるわ。それだけ女性を敵に回したの。
浮気夫の末路は死
誰に殺された、誰が殺した、よりも、末路は死、それがメインの物語なんだもの。誰だって命は惜しい。なら正妻を婚約者を大事にしよう、他の女性にうつつを抜かさない、そう心に誓う人もいるわよね。
あら、エドワード王子、いい手本になったじゃない。悪い意味だけど、良かったわね?
「シャーロット、俺はシャーロットと恋がしたい。恋が愛に、一生離せない相手になりたい。元婚約者とも政略だったが恋にはならなかった。でも俺は、恋をしたい、愛したい。
学友達は言っていた。お互い歩み寄りが大事だと。俺に歩み寄ってくれないか?」
「もし私が歩み寄ったら貴方も歩み寄ってくれますか?」
「いや、俺から歩み寄る。手を繋いでもいいか?」
ダニエル様はそれから毎日文官の仕事が終われば私に会いにきて一緒に過ごす。手を繋いで庭を散歩したり、観劇へ行ったり。
私達は少しづつお互いに歩み寄った。
「シャーロット、俺はシャーロットが好きだ」
「私もダニエルが好きよ」
ダニエルは一緒にいる時いつも私を膝の上に座らせる。そして私を抱きしめるの。
婚約して1年。未だに口付けはしていないわ。婚姻式の時に初めて口付けをするの。
私は傷心令嬢
ダニエルは、ダニエルと手を繋ぐだけで、抱きしめられるだけで幸せだと、そう思わせてくれる人なの。
恋が愛に、一生離せない相手
お互いが思う気持ち。この気持ちは息子が二人出来ても、孫が出来ても、最期の時までお互いが思う気持ちになったわ。
愛してる
しわが増えた優しい貴方の顔、愛しいと見つめる瞳、私の頬を優しく撫でるしわしわの手、
「愛してるシャーロット」
最期まで愛しい貴方の側にいれて私は幸せよ。愛しい貴方の顔を最期に目に焼き付けるわ。
だからよく見せて?
ダニエルと見つめあい、私は目を閉じた…。
完結
❈ 番外編までお付き合い頂きありがとうございました。
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最後まできれいに纏められた素敵な作品でした。
読ませて頂いて有難うございました。
hiyo様
コメントありがとうございます。
本作品を目に止めて頂きとても嬉しいです。
本作品のような綺麗に纏められる作品を書けるようにこれからも頑張ります。
お話は楽しく、ラストは予想したとは言え衝撃で
ローカルに永久保存させて頂きました。
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迷用、乱用すると違和感がスゴいです。
慣用的な付句(下に続く言い回し)の決まったものも多く
単に後ろに「する」を付けると
幼児のカタコト日本語みたいになるものも多いので。
気になった点でした。
久々に読み返したんですが
やはり目が止まってしまったので。
ulalume様
コメントありがとうございます。
情事している→情を交わしている
に訂正しました。
コメントを読んでもう一度読み返したら『を』が足りないな…と思いました。
永久保存嬉しいです。ありがとうございます。
今後もulalume様の目に止まる事を願っています。
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マイケル様
コメントありがとうございます。
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