辺境伯へ嫁ぎます。

アズやっこ

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私は今、お父様、バウリーガン王国の国王陛下の執務室で、


「辺境伯へ嫁げ」


と、唐突に言われました。


(いやいや、それだけ? 嫁げって婚姻よね? 公務とか視察とかじゃないわよね? それなのに私の顔を見る事もせず言う事? 分かってたわよ?お父様にとって子供は駒って事ぐらい。 でも、一応貴方の子供よ?顔ぐらい見て言ってほしかったわ)


私は表情を変えず、書類仕事をしてるお父様に、


「隣国の王子の次は辺境伯ですか…。分かりました」

「詳しい話は宰相から聞け」

「では、失礼します」


私は執務室を後にして、私室まで戻って来た。直ぐに宰相が部屋に来て詳しい詳細を聞く事になった。


宰相曰く、本来なら10年前、第一王女のお姉様と婚約させ、辺境伯へ嫁ぐ予定だったと。

お姉様は隣国の帝国へ10年前、同盟国の証で帝国の第一皇子の元へ嫁いで行った。当時私は7歳で泣きながらお姉様を見送ったわ。



宰相曰く、隣国へ嫁げないなら、辺境伯もまだ独身の為、辺境伯との関係を強固にする為、私が嫁ぐ事になったと。


私の国は三つの国に囲まれている。お姉様は隣国の一つの国の帝国へ、王太子のお兄様は国土が広い大国の王女を娶った。そして私は残りの一つの国の王国の王子に嫁ぐ予定だった。


ただ、その王子、真実の愛?を見つけたらしく、男爵令嬢と恋仲になりあちらの国王陛下に直談判したらしく、そのまま王位継承も外され、廃嫡されたらしい。国王陛下には第二王子もいるけど私よりも10歳年下、流石のお父様もそれには了承しなかったから、婚約の話は無くなった。

私だって10歳年上ならまだしも10歳年下は嫌よ。

一応、お馬鹿な元王子とは、後はお互い本人達がサインして婚約式をして正式に婚約する予定だった。ちなみに婚約式の日取りも決まっていたのよ? 婚約する前だったからまだ良かったものの、婚約してたら大惨事になる所だったって分かってなかったのかしら?分かってなかったから真実の愛?に走ったのよね…。

私はこの話を聞いた時「馬鹿なの?」って思わず口から出ちゃったわよ。


辺境伯様に嫁ぐのは別に構わないわ。あんな馬鹿王子より断然辺境伯様の方が良いもの。だから、そこは文句は言わない。反対にありがとうお父様って感謝したいくらいだわ。

辺境伯様は可哀想とは思うけど…。こんな小娘を嫁にしないといけないなんて。発展途上とはいえ、主張し過ぎない胸………。

小さい訳ではないの。普通なの、普通。ただ、主張する程大きくないってだけで…。



ただね、やっぱりお父様にとって、子供って駒なのね、って思っただけ…。

愛情?そんなの期待してないわ。王女に産まれた以上、国の為、国の民の為、隣国との政略結婚は覚悟していたし、そう教育も受けてるわ。

犠牲って言い方は好きじゃないけど、それでも自分の子を犠牲にすれば国は護れる。国王としては立派な事よ。それも分かってるわ。

でもね…、隣国が駄目なら辺境伯へって、子としては何とも言えない感情が湧き上がるのよ。

私も敵か味方か分からない隣国へ単身で嫁ぐ訳だから、ぞんざいに扱われる事も覚悟をしてたわ。


この国は国王でも一夫一妻制だし、お姉様が嫁いだ帝国は側妃も娶れるけど、お義兄様の皇太子様はお姉様以外の妃は娶らないと宣言している。私が嫁ぐ予定だった隣国は王家だけ側妃に妾が娶れる。私は側妃を持とうが妾を作ろうが目を瞑る覚悟も必要だった。その覚悟が一番の苦痛だったの。

別に愛し愛されたいって夢を見てる訳じゃないわよ?いや、夢を見たいとは思うけど、国が変わればその国に従わなければいけないのも分かってる。味方が誰一人居ない国で旦那様しか頼れる人もいないのに、その旦那様も私一人を見てくれる訳ではない。もし、運良く愛情を築けたとして、それでも側妃や妾と閨を共にするのを認めれるかって言われたら、認められないだろうな。結局、愛さない様にしようと結論づけ覚悟を決めたわけ。


辺境伯様と愛し愛される関係が築けるか分からないけど、他の女性で悩まされる事がないだけ、気は楽だわ。本当にそこだけはお父様に感謝だわ。

ありがとうお父様!



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