辺境伯へ嫁ぎます。

アズやっこ

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馬車に乗り込むと、座席に花束が置いてありました。メッセージカードを読んでいるとジル様が馬車の中へ入って来ました。

ジル様はどこか気まずそうな、そして照れた顔をしていました。

ケイトも馬車に乗り、馬車が動き出しました。


ケイトは今私の目の前に座り、外を眺めています。

ジル様は私の横に座り手を繋いでいます。私は花束を膝の上に置き、


「ジル様、私もジル様に出会えた事を感謝しています。私もジル様を愛してます」

「あ、ああ」


ジル様は少し照れた顔をしていて、その顔が可愛いです。さっきまでは隊長の顔をしていたのに。凛々しいお姿はとても格好良くてまたまた惚れました。

メッセージカードにはジル様の直筆で書かれた言葉…



『シアと出会えた巡り合わせに感謝する。

  幸せにする。

  愛してる、アリシア   』 



薔薇の花束は愛の象徴です。


「花束ありがとうございます。すごく嬉しいです。初めて好きな方から貰いました」

「芸が無くてすまない。喜んでくれたなら嬉しい」

「花束を貰い嫌がる女性はいません」

「それでもな、そのまますぎるだろ」

「薔薇を貰い嫌がる女性もいませんよ?見た目も良く香りも良い、それにジル様から貰えた事が凄く嬉しいです。薔薇は愛の花ですから」

「花言葉も色で違うらしい。それに本数にも意味があると俺も初めて知った」

「花言葉は分かりますが本数にも意味があるのですか?」

「らしいぞ」

「赤い薔薇が5本、ピンクの薔薇が6本、合わせて11本、どんな意味ですか?」

「それは…、自分で調べてくれ」

「分かりました。どんな意味か楽しみです。ケイトは知ってる?」

「私は本数までは。ですがベンの奥さんなら知っているかもしれません。色々情報通ですから」

「そうなの?今度聞いてみるわ。帰る頃には騎士隊の食事を手伝っている頃だもの」


ベンの奥様情報通なのね…。色々な話が聞けるかしら。それも楽しみだわ。


「ジル様、ブレーブで街へ来たのですよね?」

「ああ、ゼフに任せた。俺がいるのにシアと同じ馬車に乗せるのもな」

「私はジル様が同じ馬車に乗ってくれて嬉しいです。行きはこうやって話しながらではなかったので」

「そうか」

「そういえば、ゼフ様は食いしん坊さんなのですね」

「普通だと思うが」

「昨日護衛をして頂いた時に少しお話をしたのですが、なぜかお腹がいっぱいでごちそうさまと言われました。だからご飯をたくさん食べたのかと思ったのですが…」

「へぇ、ゼフと話したのか…(帰ったら稽古を付けてやろう。今日の事もあるしな)」

「ゼフ様にジル様の素敵な所を聞いてもらいました」

「何を言ったんだ?」

「それは内緒です」

「アリシアお嬢様、ゼフはきっと、惚気話を聞いてお腹がいっぱいです。二人の幸せにごちそうさま、と言ったんだと思いますよ?」

「惚気?私は本当の事を言っただけよ?いかにジル様が素敵な男性か言っただけだもの」

「それを惚気話と言うのです。私はお二人が仲が良いのが一番なので聞いていても微笑ましいのですが、ゼフはまだ若いので」

「キース様は何も言わないわ」

「キースはジルベーク様の幸せをずっと願っていたので。父親の心境なのでしょうね」

「ケイト、父親は違うだろ」

「では兄ですね」

「俺の方が年上だ」

「いえ、イザークが父でキースが兄です。そして私は姉です」

「どちらかと言えば肝っ玉母さんだかな」

「何か言いましたか?」

「いや、何も言ってない」

「ふふっ、皆仲が良いのですね」

「そうだな、皆俺を今迄支えてくれた。イザークやケイトはいつも色々言ってくれるしな。キースは遠慮がないが」

「ジルベーク様は言わないと気付きませんから」

「まあそうなんだが、いつも助かってる。シアが来てからは特に助けてもらっている」

「私もケイトには助けてもらってばかりです」

「私もお二人の幸せを願う一人ですから」


ジル様に、キース様はじめイザーク、ケイトが側に居て本当に良かったわ。

私もケイトにはいつも助けられているもの。辺境に来て寂しいと思った事がないのはケイトのおかげもあるの。

ジル様を私が幸せにできたら嬉しいわ。私はジル様に幸せにしてもらってばかりだもの。

私はジル様とケイトの話を楽しく聞いていた。


馬車が邸に着き、そのまま遅い昼食を食べた。ジル様は騎士隊へ行くと言って騎士隊へ行き、私は今日買ってきた布と刺繍糸を広げていた。

ボル様が護衛に付き今は扉の所にいる。

ゼフ様はどうしたのかしら?

きっとあの馬鹿王子の対応でもしているのね。クルト様が押さえていたし、私達が街から帰る時もクルト様はまだ街に残っていたもの。


ジル様から貰った花束はケイトが花瓶にいけて部屋に飾ってくれた。

部屋には薔薇の良い香りがしてとても幸せな気分だった。



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