3 / 187
3
しおりを挟む
まだ大騒ぎしてる人達は無視して、私は書類とにらめっこ。
コンコン
「誰?」
「俺」
「入って」
扉から家の騎士隊の副隊長、ジムの息子のグレンが入ってきた。
「グレンどうしたの?」
「エミーはどうするつもりなんだ?」
「サラ?他っておけば?あの子ももう成人したのよ?もう個人の問題だわ」
「でも見つけ出すまであの人達は諦めないだろ?」
「そうね。それも面倒ね」
「あいつ等使うか?」
「そうね。情報は欲しいわ。サラに手を貸すつもりはないけど、居場所だけは知っておきたいわね」
「なら話してくるよ。今から街まで捜索する事になったから」
「そう。ご苦労さま。頑張ってね~」
私は手をヒラヒラさせてグレンを見送った。
あいつ等とはグレンが見つけてきた街で生活してる人達で、商売の傍ら情報を仕入れて貰ってる、私の密偵。見返りに支援をしてるし、密偵中の生活の補償もしてるわ。
「街まで捜索してるって事は少しは静かになるわね」
私は邸の中が静かになってからサラの部屋へ行った。 メイもついて来て、
「ドレスも宝石もあらかた残ってるわね」
「はい」
「でも気にならない?家出にしてもお金が必要になるわよね?なら宝石を持っていかない?」
「宝石を売って見つかると思ったとかでは?」
「それもそうね。でもあの子現金なんて持ってたのかしら?」
「数日暮らせるぐらいは持っていたかと。後、ワンピースが数枚無くなっていますね」
「本当に?」
「はい」
「そう。ねぇ、メイは知らない?あの子が珍しい髪飾り持ってたの」
「露店などで売ってそうなのですか?」
「そう。あんなのあの人達がサラに買い与える訳がないし、高級そうには見えなかったし。それに飾りの石はガラス玉だったわ」
「自分で買われたのでしょうか?」
「自分で買ったから大事にしてたのか、誰かに貰ったのか…」
「誰でしょう」
「とりあえず、グレンの情報待ちになるわね」
私とメイはサラの部屋を出て、執務室で仕事をする事にした。自室では簡単な作業は出来ても、資料を見たり調べ物をする書類は出来ないし。領地からの報告も見ないとね。
ジムに資料を貰いながら書類を書いていく。
「あの人達はどうしてるの?」
「旦那様と奥様なら部屋におります」
「そう。街まで捜索して居なかったらどうするつもりかしらね」
「さあ、私には分かりかねます」
「あの人達なら国中探して回りそうね」
「そうかもしれませんね。ですが名だけといえど当主なのですから邸を留守にする事は出来ません」
「そうね。あの人達も一応貴族学園を卒業したのだから知ってるわよね」
「おそらくは」
「お祖父様も子供には甘いのね。孫の私には厳しいのに」
「大旦那様は旦那様に見切りを付けておいでですから」
「お父様しか子供が居ないのがいけないのよ」
「それは仕方ありません」
「例え自分の子供でもお祖母様が取られるのが嫌だったのよね?」
「そうですね」
「お祖父様のお祖母様大好きにも困ったものだわ。お父様に当主を譲ったのもお祖母様と早く二人きりになりたいからでしょ?それで私に矛先が向いたのだって、自分が当主の代わりに仕事をしてお祖母様との時間が無くなるのを嫌がった為よ!」
「お嬢様が何でも出来たのが功を奏しましたな」
「でも10歳の子にやらせる事かしら」
「それでもお嬢様は出来てしまわれた。旦那様にも同じ様に指導したのですがね」
「そうなの?あの厳しい指導を受けたの?あのお父様が?」
「厳しくして伸びる方ではありませんから丁寧に指導しましたよ。ですがお手上げでしたが」
「え~。私も優しく指導して欲しかったわ」
「お嬢様は厳しく指導した方が伸びる方です。負けん気の強いお嬢様だから出来た指導です」
「確かに。明日には間違えない!ジムに認めさせる!って思ってたわ」
「はい。相手に合った指導方法をしなければ伸びる事はありません」
「確かにね」
お互い話しながらも手を休める事なく、書類作業を終わらせていく。
コンコン
「誰?」
「俺」
「入って」
扉から家の騎士隊の副隊長、ジムの息子のグレンが入ってきた。
「グレンどうしたの?」
「エミーはどうするつもりなんだ?」
「サラ?他っておけば?あの子ももう成人したのよ?もう個人の問題だわ」
「でも見つけ出すまであの人達は諦めないだろ?」
「そうね。それも面倒ね」
「あいつ等使うか?」
「そうね。情報は欲しいわ。サラに手を貸すつもりはないけど、居場所だけは知っておきたいわね」
「なら話してくるよ。今から街まで捜索する事になったから」
「そう。ご苦労さま。頑張ってね~」
私は手をヒラヒラさせてグレンを見送った。
あいつ等とはグレンが見つけてきた街で生活してる人達で、商売の傍ら情報を仕入れて貰ってる、私の密偵。見返りに支援をしてるし、密偵中の生活の補償もしてるわ。
「街まで捜索してるって事は少しは静かになるわね」
私は邸の中が静かになってからサラの部屋へ行った。 メイもついて来て、
「ドレスも宝石もあらかた残ってるわね」
「はい」
「でも気にならない?家出にしてもお金が必要になるわよね?なら宝石を持っていかない?」
「宝石を売って見つかると思ったとかでは?」
「それもそうね。でもあの子現金なんて持ってたのかしら?」
「数日暮らせるぐらいは持っていたかと。後、ワンピースが数枚無くなっていますね」
「本当に?」
「はい」
「そう。ねぇ、メイは知らない?あの子が珍しい髪飾り持ってたの」
「露店などで売ってそうなのですか?」
「そう。あんなのあの人達がサラに買い与える訳がないし、高級そうには見えなかったし。それに飾りの石はガラス玉だったわ」
「自分で買われたのでしょうか?」
「自分で買ったから大事にしてたのか、誰かに貰ったのか…」
「誰でしょう」
「とりあえず、グレンの情報待ちになるわね」
私とメイはサラの部屋を出て、執務室で仕事をする事にした。自室では簡単な作業は出来ても、資料を見たり調べ物をする書類は出来ないし。領地からの報告も見ないとね。
ジムに資料を貰いながら書類を書いていく。
「あの人達はどうしてるの?」
「旦那様と奥様なら部屋におります」
「そう。街まで捜索して居なかったらどうするつもりかしらね」
「さあ、私には分かりかねます」
「あの人達なら国中探して回りそうね」
「そうかもしれませんね。ですが名だけといえど当主なのですから邸を留守にする事は出来ません」
「そうね。あの人達も一応貴族学園を卒業したのだから知ってるわよね」
「おそらくは」
「お祖父様も子供には甘いのね。孫の私には厳しいのに」
「大旦那様は旦那様に見切りを付けておいでですから」
「お父様しか子供が居ないのがいけないのよ」
「それは仕方ありません」
「例え自分の子供でもお祖母様が取られるのが嫌だったのよね?」
「そうですね」
「お祖父様のお祖母様大好きにも困ったものだわ。お父様に当主を譲ったのもお祖母様と早く二人きりになりたいからでしょ?それで私に矛先が向いたのだって、自分が当主の代わりに仕事をしてお祖母様との時間が無くなるのを嫌がった為よ!」
「お嬢様が何でも出来たのが功を奏しましたな」
「でも10歳の子にやらせる事かしら」
「それでもお嬢様は出来てしまわれた。旦那様にも同じ様に指導したのですがね」
「そうなの?あの厳しい指導を受けたの?あのお父様が?」
「厳しくして伸びる方ではありませんから丁寧に指導しましたよ。ですがお手上げでしたが」
「え~。私も優しく指導して欲しかったわ」
「お嬢様は厳しく指導した方が伸びる方です。負けん気の強いお嬢様だから出来た指導です」
「確かに。明日には間違えない!ジムに認めさせる!って思ってたわ」
「はい。相手に合った指導方法をしなければ伸びる事はありません」
「確かにね」
お互い話しながらも手を休める事なく、書類作業を終わらせていく。
1,030
あなたにおすすめの小説
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱えて、離縁をつきつけ家を出た。
そこで待っていたのは、
最悪の出来事――
けれど同時に、人生の転機だった。
夫は、愛人と好きに生きればいい。
けれど、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
彼女が選び直す人生と、
辿り着く本当の幸せの行方とは。
【完結】捨てたものに用なんかないでしょう?
風見ゆうみ
恋愛
血の繋がらない姉の代わりに嫁がされたリミアリアは、伯爵の爵位を持つ夫とは一度しか顔を合わせたことがない。
戦地に赴いている彼に代わって仕事をし、使用人や領民から信頼を得た頃、夫のエマオが愛人を連れて帰ってきた。
愛人はリミアリアの姉のフラワ。
フラワは昔から妹のリミアリアに嫌がらせをして楽しんでいた。
「俺にはフラワがいる。お前などいらん」
フラワに騙されたエマオは、リミアリアの話など一切聞かず、彼女を捨てフラワとの生活を始める。
捨てられる形となったリミアリアだが、こうなることは予想しており――。
(完)貴女は私の全てを奪う妹のふりをする他人ですよね?
青空一夏
恋愛
公爵令嬢の私は婚約者の王太子殿下と優しい家族に、気の合う親友に囲まれ充実した生活を送っていた。それは完璧なバランスがとれた幸せな世界。
けれど、それは一人の女のせいで歪んだ世界になっていくのだった。なぜ私がこんな思いをしなければならないの?
中世ヨーロッパ風異世界。魔道具使用により現代文明のような便利さが普通仕様になっている異世界です。
妹は謝らない
青葉めいこ
恋愛
物心つく頃から、わたくし、ウィスタリア・アーテル公爵令嬢の物を奪ってきた双子の妹エレクトラは、当然のように、わたくしの婚約者である第二王子さえも奪い取った。
手に入れた途端、興味を失くして放り出すのはいつもの事だが、妹の態度に怒った第二王子は口論の末、妹の首を絞めた。
気絶し、目覚めた妹は、今までの妹とは真逆な人間になっていた。
「彼女」曰く、自分は妹の前世の人格だというのだ。
わたくしが恋する義兄シオンにも前世の記憶があり、「彼女」とシオンは前世で因縁があるようで――。
「彼女」と会った時、シオンは、どうなるのだろう?
小説家になろうにも投稿しています。
両親に溺愛されて育った妹の顛末
葉柚
恋愛
皇太子妃になるためにと厳しく育てられた私、エミリアとは違い、本来私に与えられるはずだった両親からの愛までも注ぎ込まれて溺愛され育てられた妹のオフィーリア。
オフィーリアは両親からの過剰な愛を受けて愛らしく育ったが、過剰な愛を受けて育ったために次第に世界は自分のためにあると勘違いするようになってしまい……。
「お姉さまはずるいわ。皇太子妃になっていずれはこの国の妃になるのでしょう?」
「私も、この国の頂点に立つ女性になりたいわ。」
「ねえ、お姉さま。私の方が皇太子妃に相応しいと思うの。代わってくださらない?」
妹の要求は徐々にエスカレートしていき、最後には……。
『悪役令嬢は、二度目の人生で無言を貫く。~処刑回避のために黙っていただけなのに、なぜか冷徹宰相様から「君こそ運命の人だ」と溺愛さています~』
放浪人
恋愛
「もう、余計なことは喋りません(処刑されたくないので!)」
王太子の婚約者エリスは、無実の罪を着せられた際、必死に弁解しようと叫び散らした結果「見苦しい」と断罪され、処刑されてしまった。 死に戻った彼女は悟る。「口は災いの元。二度目の人生は、何があっても口を閉ざして生き延びよう」と。
しかし、断罪の場で恐怖のあまり沈黙を貫いた結果、その姿は「弁解せず耐え忍ぶ高潔な令嬢」として称賛されてしまう。 さらに、人間嫌いの冷徹宰相クラウスに「私の静寂を理解する唯一の女性」と盛大な勘違いをされ、求婚されてしまい……!?
「君の沈黙は、愛の肯定だね?」(違います、怖くて固まっているだけです!) 「この国の危機を、一目で見抜くとは」(ただ臭かったから鼻を押さえただけです!)
怯えて黙っているだけの元悪役令嬢と、彼女の沈黙を「深遠な知性」と解釈して溺愛する最強宰相。 転生ヒロインの妨害も、隣国の陰謀も、全て「無言」で解決(?)していく、すれ違いロマンティック・コメディ! 最後はちゃんと言葉で愛を伝えて、最高のハッピーエンドを迎えます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる