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憎しみ合う番、この先は…
設定度外視です。
しおりを挟む❈ 設定度外視の作品です。
それでも読んでみたい!と言う方だけお読み頂けたら嬉しいです。
❈ 人族街、獣人街、に自由に入れるようになった設定になります。
レオンお兄様に、
「アイリスの好きな花を抱えきれない程買って来てくれないか?」
と言われ、仕事が休みのガイと一緒に花屋で抱えきれない程花を買った。
流石に抱えて歩く事ができずガイに持って貰ったけど…。
ガイと騎士団へ向かい、
「アイリス」
レオンお兄様に抱き上げられ、
「レオンお兄様」
「今日は悪かったな」
「それより花なんてどうするの?」
「少し付いてきてくれるか?」
レオンお兄様から下ろされた私はガイと一緒にレオンお兄様の後を付いて行き、騎士団の獣人側出入口から外へ出た。
騎士の人達が訓練や稽古をしている。
「隊長!」
「気にせず続けろ!」
「はい!」
騎士達の横を通り抜け、
「アイリス、すまない」
「え?」
「獣人しかいないだろ」
「まあ、そうですね」
「怖くないか?」
「今はガイもレオンお兄様もいるから」
「なら良いが」
「隊長、アイリスは、愛しい妻は俺が護りますから」
「そうか」
訓練場を抜けた先、
「アイリス、アイリスには辛い場所だ。辛い場所だと分かってはいるが、すまない。それでもアイリスの選んだ、アイリスの好きな花をアイリスに手向けて欲しかった。
俺の一方的な思いだ。もし、責めるなら俺を責めてくれて構わない。それでも…それでも頼む。一度でいい、もう頼まない、だから一度だけここに花を手向けてはくれないか」
「レオンお兄様…」
少し大きな石が置かれていた。
そこに【 友 】とだけ彫られている。
「友、それはお兄様ですか?」
「ああ」
「そうですか…」
「俺達は墓には行けなかった。墓石にすれば壊される。名前も入れられない、ただの石しか用意できない、それでも、それでも…」
「レオンお兄様、分かりました」
私はガイから花を受け取り、
「お兄様はここでも眠っているのですね。ここがお兄様の最期の場所でしたか…。
そうでしたか…。ううっ…」
私は花を石の周りに置いた。
「お兄様…」
ガイの手が私の肩に振れる。
「お兄様、お兄様は皆さんに慕われていますね。お兄様は友に囲まれ、騎士達の訓練の声を聞いて、そちらから高みの見物のように覗いていますか?
お兄様から見たこちらはどう映っていますか?
お兄様が言ったように獣人も私達と変わらないと私も思います。獣人の方達の方が人思いで人優しい、情を持つとても親しみやすい方達ですね。
お兄様、これからもずっと友と一緒に過ごして下さい」
私は立ち上がり、
「アイリス、すまない。辛い事をさせた」
「レオンお兄様、いいんです」
私は振り返り、
「ディガさん、ビアードさんまで、それに皆さん…」
「妹、ありがとう、ありがとう…」
「アイリス嬢ありがとうございます」
ディガさん、ビアードさんはじめ、騎士の皆さんが後ろにいました。
「こちらこそありがとうございます。お兄様をずっと忘れずにいてくださって。本当にありがとうございます」
私は頭を下げた。ガイも一緒に私と頭を下げている。
「クロード良かったな。お前の大事なアイリスだ。アイリスの好きな花に囲まれて、アイリスに手向けられて…。うっ、
ようやく、ようやくお前に…お前に……」
「レオンお兄様…」
「お前に、アイリスを会わせ…られた…」
私とガイは騎士団を後にして、少し散歩をしようと。
「隊長さ、休みの日はいつもあの場所にいるんだ」
「そうなの?」
「友、とだけ書いてある石だろ?だから仲間の何か、だとは思っていたけど、まさか兄上だとは思わなかった。いや、アイリスと会ってからは分かったけど、それまではな」
「そりゃそうよ。お兄様が亡くなって何年たってると思ってるの?」
「それにディガ副隊長も泣いてるのを見た事があってな」
「そう…」
「ビアードさんも花を手向けてた」
「そう…」
「先輩達も来るときと帰りに必ず頭を下げているんだ」
「そうなの?」
「ああ。俺達若い騎士は分からず下げてる奴もいたけどな」
「そうよね」
「ディガ副隊長もビアードさんも必ず石に触ってから頭を下げてる」
「そう…」
「レオン隊長もだけどな。レオン隊長は石に触れて動かない時もある」
「そう…」
「俺はいつも何をしているんだろうと思っていたんだ」
「そうよね」
「でもさ、その時の隊長は誰も寄せ付けない、話し掛けられない、そんな雰囲気だった」
「そう…」
「これで少しでも心が安まるといいけどな」
「そうね、私もそう思うわ」
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