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ガネット・フォルンは愛されたい
仕方がないなぁ
しおりを挟むガネットと結婚する許しをもらう為に王都に居るネイソンを訪ねた。
友との久しぶりの再開、兄妹の久しぶりの再開だ。
一週間ガネットが暮らした離れで俺達は寝泊まりした。
早速夜はネイソンと酒盛りした。
どちらかが潰れるまで飲む!
悲しい事に二人共朝になっても潰れない。
お互いネイソンはアビーに怒られ、俺はガネットに怒られた。
三日目になるとネイソンの娘のパジーがようやく俺に懐いた。
「おはようございます、かしら」
「ああ、おはよう」
ガネットが辺境に来て半年がたった頃、俺は王宮に来た。陛下に呼ばれた辺境伯、クルーガ団長の代理として。
その時、ネイソンの邸で5日間寝泊まりさせて貰った。
その時は、
「おじちゃ、おはよーごじゃいまちゅ」
と、おじさんと呼んでくれていたのにな…。
「かしら、どうしたんです?」
「ハリソン」
そう、全てはネイソンの息子、ハリソンの仕業だ。
「おじちゃ」
と言ったパジーに、
「パジー、男は皆「クズ」って言うんだよ?」
「くじゅ?」
「そうだよ。パジーはかしこいね~」
「おいおいハリソン。そしたらお前もクズになるぞ」
「はぁぁ、分かりましたよ。
パジー、このおじさんの事は「きちく」って呼ぶんだよ?」
「きちゅく?」
「そうだよ。パジーはおりこうさんだね」
「おいおいハリソン、俺は鬼畜じゃない」
「ボスと仲が良いならきちくでしょ?どうせ」
「ハリソン、やっぱりお前はネイソンの息子だな」
「パジー、やっぱり「クズ」みたいだ」
「くじゅ?」
「そうだよ。パジーはぜったいに近寄っちゃダメだからね」
「あい!」
「ちょ、ちょっと待て!ハリソン、俺が悪かった。だからクズや鬼畜は止めてくれ」
「はぁぁ、なら、ボスと仲が良いから「かしら」でいいですか?」
「おじさんは?」
「はああ!?」
「いえ、かしらで、かしらでお願いします」
「パジー、かしら、言える?」
「かちゅら?」
「そうだよ。パジー良くできたね。流石僕のパジーだよ」
「にーたま」
「うっ、可愛い。僕の妹可愛い!」
「ハリソン…」
「何か?」
「いえ」
「パジー、この人は?」
「かちゅら」
「パジーはすごいね。パジーこの人は?」
「かちゅら」
「パジーは天才だね」
ハリソンの教えのおかげで?俺は「かしら」と呼ばれるようになったが…。
流石はネイソンの息子だな。血は受け継いでるよ!
「パジー、この人は?」
「かちゅら!」
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