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憎しみ合う番、この先は…
昼過ぎに…
しおりを挟む長い夜を陣痛と戦い、朝日が登りきりいつもの日常が動き始めた頃、ようやく私は出産した。
「疲れたでしょ?」
「…は、い…」
「少し眠りなさい」
「…すみま、せん……」
「旦那さんには使いを出すわね」
「お願い、します」
「旦那さんは家にいるかしら」
「この時間だと騎士団の方に」
「ならそっちに使いを出すわ」
「ありがとうございます」
「良く一人で頑張ったわ」
「ありがとうございます」
コンコン
「赤ちゃん連れて来ました」
「お母さんと対面ね」
私は産まれたばかりの我が子を抱いた。
「男の子よ。おめでとう」
「ありがとうございます」
体を拭かれたからか、ふわふわしていた。
「今は毛で覆われてるから獣人というより獣に近いけど、直ぐに獣人になるわよ」
「はい」
「このふわふわもこもこは期間限定だから、思いっきり満喫して」
「ふふっ、はい分かりました」
「旦那さんが来るまで少し眠りなさい。赤ちゃんは私達が責任持って見てるから」
「はい、お願いします」
私は出産で疲れたのか、夜中中陣痛で寝れなかったからか、目を閉じたら直ぐに眠ってしまった。
目が覚め、
「ガイ?」
「アイリス」
「仕事は?」
「隊長が帰っていいって言ってくれてな」
「そう……」
「眠いならもう少し寝ろ。疲れただろ?」
「そう、ね……」
ガイの顔を見たら安心したのかまた眠りについた。
目が覚め、
「ガイ?」
「アイリス」
「仕事は?」
「さっきも同じ事言ったぞ」
「え?ガイずっといたの?起こしてくれれば良かったのに」
「疲れてるアイリスを起こす訳がないだろ?」
「赤ちゃん見た?」
「アイリスが寝てる間に抱かせてもらった。アイリス、ありがとう。よく頑張ったな」
「ふふっ。大変だったわ。でもね、幸せな疲れよ?」
「出産、一人にさせて悪かった」
「獣人は入れないんだから仕方がないでしょ?」
「そうらしいな」
「私が痛いって叫んで、私の苦しそうな唸り声を聞いたらガイは正気でいられる?」
「無理だ」
「だからよ」
「でもな…」
「これから子育て手伝ってくれれば良いから」
「それは当たり前だ」
「男の子だって」
「ああ」
「ガイは名前考えておいてね?」
「任せろ」
ガイは私の頭を撫でて、
「アイリス、ありがとな」
「ん?」
「俺に家族を作ってくれて」
「うん」
ガイの血が入った家族は今は息子だけ。
私の家族を自分の家族と本心から思ってるのは知ってる。それでも、ガイの血が入った家族をガイが持てた事が私は嬉しい。
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