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憎しみ合う番、この先は…
久しぶりに、
しおりを挟む私は毎朝お兄様のお墓に花を飾る。
私は子供の頃のようにお墓の前で寝転がった。
「お兄様、私ね、お母さんになったの。お兄様の歳も越しちゃったわ。
お兄様言ったわよね?アイリスの子が産まれたら俺の子のように可愛がるって。
私の子、産まれたわよ?」
「なら俺が可愛がる」
突然の声に、
「レオンお兄様」
「こんな所で横になるな。体を冷やす」
「そうね」
「こうやっていつも話していたのか?」
「そう」
「そうか」
「レオンお兄様はどうしたの?」
「休みだからアイリスの顔を見に来た。それとヴォルの顔もな」
「そう」
「アイリス、俺はヴォルを俺の子のように可愛がる」
「うん、そうして」
「将来は騎士にするか」
「そうね。それも良いかも」
レオンお兄様はお兄様のお墓を愛おしいそうに撫でている。
私はそれを見ている。
「さあ、冷える」
レオンお兄様は私を抱っこし邸の中に入った。
「レオン、おかえりなさい」
「母上、ただいま戻りました」
レオンお兄様は正式にお父様の養子になって度々こうしてこの邸に一人でも帰って来ている。
「伯父上」
「ソニック、ただいま」
「伯父上、今日は剣の稽古をしてくれますか?」
「ヴォルに会ってからな」
「はい」
レオンお兄様はソニックの頭を撫でた。
きっとお兄様も可愛い甥、可愛い姪とこうして過ごしていただろう。
ヴォルを見たレオンお兄様はとても愛おしいそうに見つめ、優しく撫でる。
だけど、きっと、剣の稽古の時は厳しい師匠になるんだろうな…
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