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はい、来た~!イベント来たよ!
突然背中を押され噴水にダイブしたわよ。今はずぶ濡れよ、最悪…。
走ってジェイク王子とトーマス様がこっちに来てるけど、今?
どうせならダイブする前に来てよ!
「ソフィー大丈夫か」
「大丈夫じゃないですぅ」
(見て分からない?ずぶ濡れなの!ずぶ濡れ!大丈夫なわけないでしょ!タオルの一枚でも持ってこいよ!それに自分が濡れるの嫌だからってトーマス様に抱き抱えさせるんじゃないわよ!)
「トーマスさまぁ、トーマスさまが濡れてしまいますぅ」
「ソフィア嬢、そんな些細な事を気にするな。急ぐぞ、少し俺に掴まってくれないか?」
「良いのですかぁ~?」
「ああ、その方が運びやすい」
「トーマスさまありがとうございますぅ」
(ほら、トーマス様の方が男らしい。それに軽々私を抱き抱えて走ってくれている。こういう姿にキュンってするのよ?)
「キャーーー」
ゴロゴロゴロ…
痛た…。イベントは大事かもしれないけど、普通に階段から突き落とされたら良くて大怪我で最悪死ぬからね!分かってる!
本当ならこんな足首の捻挫だけで済まないのよ?私が訴えたら傷害よ?傷害事件よ?分かってる?
誰か知らないけど!
それにあれだけ護るって言っていたトーマス様もほらイベントの時には護ってくれないじゃない!ここぞ!って時に護れなくていつ護るのよ!
もう!本当に痛い!
「ソフィー!」
「ソフィア!」
「ソフィア嬢!」
3人共今頃?遅いわよ!
「ソフィー誰がやった!」
(誰がやったか知っていたら自分で回避するわよ!)
「わからないですぅ」
「私の婚約者だな!」
「殿下、僕の婚約者かもしれません」
「俺の婚約者の可能性もあります」
(いやいや、決めつけはよくないわよ?)
「こうなったら婚約破棄だ!」
「殿下、なら僕も婚約破棄します!」
「俺も婚約破棄します」
(止めてよね!どうして婚約破棄するのよ!)
「止めてくださいぃ」
「ソフィー、良いんだ!こんな卑怯な真似をする婚約者は必要ない!私のソフィーを傷つけた罪は重い!思い知らせてやる!」
「そうです」
「はい」
(そんな話どうでも良いから早く保健室行って湿布貼りたいんだけど…。痛た…)
イベントが大事なのは分かるわよ?物語上何かイベントがないと盛り上がらないし、イベントで絆が深くなるって言うしね?でもね…、当事者からすればイベントなんていらないの。
何足靴を隠されたと思ってるの?
教科書にいたずらされて、破かれて、捨てられて、もう何冊目だと思ってるの?
男爵家の財力知ってる?
靴をそう何足も買えないのよ?教科書だってそうよ?
今の私の状況知ってる?
靴も教科書も移動するたびに持ち歩いているのよ?
「ソフィー保健室へ行こう」
(やっと?)
「荷物はこれだけか?」
「はいぃ」
「重…」
(今、重って言った?そうよ?重いの!それを私はいつも運んでるのよ?)
「トーマス、ソフィーの荷物を持って来い」
(あ~、自分では持たないんだ…、そう、トーマス様に運ばせるのね…、へぇ~、そう…)
「ソフィア、僕の肩に摑まれる?」
「はいぃ、ありがとうございます、オスカーさまぁ」
(ちょっと!何その重たそうな顔!私は重くないわよ!失礼ね!片足が痛いんだから仕方がないでしょ!オスカー様こそ痩せ過ぎなんじゃないの?トーマス様みたいに女性を軽々運ぶ方が格好いいのよ?)
「オスカーさまぁ、重たいですよねぇ~?」
「ソフィアは軽いよ、気にしなくて良い」
「ありがとうございますぅ」
(軽いなら重たそうな顔をするな!ちょっと傷つくんだから!)
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