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婚約解消か?受け入れただろ。
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私は目の前で仲良く話しているお互いの元婚約者達を見ていた。
突然手を引かれ、
「オスカー様?」
「シッ!」
オスカー様に手を繋がれ馬車に乗り込んだ。
今は馬車の中、
「良いのですか?」
「俺達にはもう関係のない人だ」
「それもそうですね」
「それよりもアイラの元婚約者、アイラの事がまだ好きなんじゃないか?」
「まさか!やめてくださいよ!」
「あれは好きな子をいじめるってやつじゃないのか?」
「違います。もし仮に私を好きだとして、好きな子をいじめたら普通に嫌いになると思います。いじめてくる子を好きになりますか?
好きな子をいじめて好きになってくれるってどこをどうしたら思えるんですか?」
「それもそうか」
「はい。いじめられたら私は嫌いになります。好きなら好きと分かる方が良いです」
「どうすれば分かるんだ?」
「照れたり?ですかね?
何度も目が合ったり、話す時に照れて顔を見れなかったり、もし素っ気なくても好意を持ってくれてると分かります」
「そうか…。俺の好意は分かってくれてるだろうか」
「好意ですか?私に持ってくれてるんですか?話しやすいだけじゃなくて?楽しいだけじゃなくて?」
「あ、ああ」
オスカー様の少し赤くなった照れた顔が…、
私は少し赤くなった顔を俯けた。
「アイラは可愛いと思う。何度も話すうちにいい子だなと思っていた。毎日図書室へ通うのが楽しみだった。だけどアイラは結婚にあまりこだわっていなかっただろ?」
「確かにそうですね。お父様の商会で働けば良いと思っていたので」
「他人だから知らない人だから話しやすくて話すのが楽しいと思っていたんだが、父上から婚約者が出来そうだと言われた時、フッとアイラの顔が浮かんだ。婚約者が出来たらあの楽しい時間が無くなるのか、と思ったら寂しくて辛かった」
「私もオスカー様から婚約者が出来そうと聞いた時寂しくて辛かったです。オスカー様と過ごす時間はあまりに楽しい時間で癒やしの時間でしたから」
「アイラ、好きだ」
「私もオスカー様が好きです」
二人で顔を真っ赤にさせて俯いた。
馬車が街へ着きオスカー様に手を借りて馬車を降りた。繋がれた手は離される事がなくそのまま街へ入っていった。
「アイラ、髪飾りを贈ったらつけてくれるか?」
「はい」
宝石店に入り髪飾りを選ぶ。
「どれが良い?」
「私はオスカー様が選んでくれたものをつけたいです」
「そうか、ならこれはどうだ」
オスカー様は花のモチーフの髪飾りを指差した。
「可愛いです」
「ならこれにするか」
「はい」
オスカー様に初めて贈ってもらった髪飾りを大事にしたい。でもつけてる所も見てほしい。
オスカー様から髪飾りを受け取り、
「ありがとうございます。大事にします」
それからお茶をして家まで送ってもらった。
次の日の朝、オスカー様が迎えに来てくれ馬車に乗り込む。
「オスカー様おはようございます」
「おはよう。やっぱり似合うな。一目見たときからアイラに似合うと思っていたんだ」
「ありがとうございます」
私は嬉しくて、
「アイラの笑った顔は可愛いな。前から思っていたが」
「それならオスカー様の笑った顔も素敵です」
またまた二人して真っ赤になった顔を俯けた。
「前にアイラに言われたからじゃないぞ?似合うと本当に思ったし可愛いと本当に思う」
「はい、ありがとうございます」
「確かに言わないと分からないかもしれないが、言いたいと思ったのはアイラだけだ。アイラには思わず言いたくなるというか、考えるより先に言葉が出る」
「私もオスカー様に似合うと言ってもらえて嬉しいです。それにオスカー様も、その、格好良くて素敵です」
「隣に座ってもいいか?」
「はい」
オスカー様は隣に座り私の手を繋いだ。
馬車が学園に着き、馬車を降りても手は繋がれたまま。
「オスカー様!どうして手を繋いでいるの?私の時は繋いでって言っても繋いでくれなかったじゃない!それに私ずっと家で迎えに来てくれるのを待っていたのよ?」
「ならそのままずっと待ってれば良かっただろ」
「そしたら遅れるじゃない。どうして迎えに来ないのよ!」
「どうして婚約者でもない他人を迎えに行かないといけない。俺は婚約者のアイラと一緒に通いたい。
それに俺はアイラの手を繋ぎたいと初めて思った、離したくないと初めて思った。元々人と手を繋ぐのはあまり好きじゃない、だからお前とも繋がなかっただけだ」
オスカー様は手を繋ぐの好きじゃないのね…。
ん?
そうするとオスカー様の元婚約者が他の人に目を移しても仕方がないんじゃ…。私もマシュー様と手を繋いだ事はないけど。
「好き」はまぁ好きじゃないと言えないとして手を繋ぐぐらいは…、
でも好きじゃない人と手は繋ぎたくないわね。肌と肌が直接触れ合うんだもの、私は嫌ね。だからマシュー様とも繋ぎたいとも思わなかったもの。
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