今まで頑張ってきた私が悪役令嬢? 今さら貴方に未練も何もありません

アズやっこ

文字の大きさ
21 / 30
番外編

番外編 ルドゥーベルの末路 前編

しおりを挟む
リサが連れて行かれた。

何がお父さんに会えるだ!何がお母さんに会えるだ!会える訳がないだろ!あんなバカ女に騙されたばかりに!

自然体が可愛い?誰が言った!ただのバカだろうが!


あの時の私はどうかしていた。リサよりもっと良い令嬢がいたはずだ。平民を相手にしたのがいけなかった。やはり貴族の令嬢にしておくべきだった。

リサは疫病神だ!

私の今迄を台無しにされた!

まあ、それでも父上が私を助けてくれるのは間違いない。リサの手前、私だけ助けるなど出来ないしな。明日にはここを出られるか。

牢屋など王子の私が入っていい場所ではない。アーロンの奴、私をこんな所に入れやがって!ここを出たらアーロンは騎士を剥奪してやる!


だが、次の日も父上は来なかった。

その次の日、


「エミリオ!父上に頼まれて私をここから出してくれるのだろ!」

「違います」

「まあ良い。早くここから出してくれ!直接父上の所へ行く」

「殿下、最後の挨拶に来ました」

「最後?お前どこか行くのか?まあ良い。どこに行こうが私には関係ない」

「子供の頃からそして学院でも側近として側にいましたが、少しでも私やアーロンの声に耳を傾けてくれていたら、私も遠慮せずもっとはっきり言えていたらと、今更後悔しても意味はありませんが。


ルド、俺はお前に王になってほしかった。王になったお前の後ろで右腕としてお前を支えたかった。友としてお前が築くこの国の行末を見たかったよ。

殿下、これから先、お体など崩されませんように」

「エミリオ、エミリオ待て!待ってくれ!エミリオーーー」


エミリオは一度も振り返ることなく出て行った。


次の日、


「ハインス!お前!お前私を騙したな!」

「騙す?俺は何も騙してない」

「従兄弟だと思っていたのだぞ!それを!」

「従兄弟だろ?それに俺は王位継承権を放棄していなかった。それを頭の片隅にすら覚えていなかったのはルドだろ」

「お前は放棄するものだと」

「確かにルドに何も無ければ放棄していたさ。俺はルドの替えだからな」

「なら!」

「ルドがリリーシャと婚約破棄しなければルドは王太子にも王にもなれた。それをふいにしたのはルド自身だ。

ルドは敵に回してはいけない人を敵に回した、その結果だ」

「敵だと!それは誰だ!父上か?」

「陛下?そんなわけないだろ」

「なら誰だ!」

「リリーシャの父上、この国の宰相だ。

リリーシャと婚約破棄した時点でルドの行末は決まっていた。あの晩餐会は宰相なりの最後の足掻きを見せろというお前への温情だったんだぞ。それに気付きお前が晩餐会を成功させていたら、平民になり国外追放くらいで終わっていたはずだ」

「私が今ここにいるのは宰相の仕業か!」

「お前の処分を決めたのは陛下だ。もし成功していたら宰相は陛下に口添えをしていたという事だ。それをお前は成功どころか何もしなかった。お前は自分で自分の首を絞めたんだ。

なあ、ルド、お前は怒らせてはいけない人を怒らせた。リリーシャに婚約破棄を言った瞬間にお前は宰相に喧嘩を売った。宰相はお前を排除した。お前はずっと負け戦をしていたんだよ。どんなにお前が優秀だったとしてもお前は宰相には勝てなかった。何故だか分かるか。

今回の晩餐会に呼ばれた周辺諸国、同盟国や友好国は宰相が懇意にしている国だ。そしてその国々の王も宰相を懇意にしている。切れ者宰相としての技量を買ってる人達が、お前の粗相を見逃すと思うか?

お前が宰相に勝つには宰相以上の技量と強かさ、根回しが必要だ。そんなものお前にあるか?

お前は宰相のリリーシャ愛を見誤った、その結果だ」

「だが父上は陛下だ。この国で一番偉いのは父上だ」

「陛下は国の象徴だ。この国で一番偉いのは陛下だ。だがな、陛下が一人で何もかも出来る訳じゃない。切れ者宰相の知性、暗躍する父上の武力、影で支える者がいて初めて陛下は物事を進める事が出来る。だから陛下も二人を無下に扱わない。

リリーシャとの婚約も宰相の後ろ盾をお前に付ける為にだろ?それは懇意にしている国々も含まれていたんだ。

そしてお前は陛下にも見切りをつけられた。今お前がここにいるのも、断罪されたのも、全てお前が蒔いた種だ、自業自得なんだよ。

誰にも大切なものがある。護りたいものがある。陛下が息子よりもこの国と民を取ったようにな。

お前は何を間違え、何を失ったかよく考えるんだな」

「私は何を間違えた?何を失った?なあ、ハインス、教えてくれよ。なあハインス…」

「それが分かった時、お前は失っていけないものを永遠に失った事に気付く。

それと陛下から伝言だ。「あと数日で迎えがくる。去り際くらい迷惑をかけるな、それが王子として最後の公務だ」だそうだ」


ハインスが去り際に言った言葉、


「お前を側で支えてくれた人達の思いをお前は裏切った」


私の側で支えてくれた人達を裏切り、永遠に失ったもの……そうか………




しおりを挟む
感想 464

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

「君は完璧だから、放っておいても大丈夫」と笑った夫。~王宮から私が去ったあと「愛していた」と泣きついても、もう手遅れです~

水上
恋愛
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫だ」 夫である王太子はそう笑い、泣き真似が得意な見習い令嬢ばかりを優先した。 王太子妃セシリアは、怒り狂うこともなく、静かに心を閉ざす。 「左様でございますか」 彼女は夫への期待というノイズを遮断し、離縁の準備を始めた。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。

四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」 突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。