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85:もどかしい。
しおりを挟む「……ごめん!」
一瞬、何を謝られているのかと思いましたら、まさかのテオ様のテオ様がとても元気付いていらっしゃいました。
テオ様が私から距離を取りながら、真っ青なお顔で叫ぶように「ごめん」と何度も言われました。
「私は……汚いですか?」
こんな聞き方、とても狡いと分かっています。
言った瞬間に、テオ様が怒ったような顔をされました。
「そんなわけないだろう⁉ ミラベルは……ミラベルは美しい、綺麗だ」
「それなら、テオ様……上書き、して下さい」
「…………ミラベル?」
苦しくて、怖くて、痛くて、気持ち悪かった。
悔しくて、悔しくて、悔しくて。
誰にも何も言えなくて。
「怖かった! 痛かった!」
「ん」
ゆっくりと、テオ様が近付いてきてくれました。
「知らない男に、触られた!」
「っ、ん」
そっと、包み込むように柔らかく抱きしめて下さいました。
「指、入れられたぁ」
「っ⁉」
テオ様の体がビクリとし、ギュッと強く抱き寄せられました。
「テオ様以外にされるくらいなら、死のうと思いました」
「…………ぃやだ」
痛いほどに、抱きしめられました。
「……私、テオ様としかしてない!」
「ん」
「私、誘ってません!」
「ん」
「何で、笑われないといけないのですか⁉」
「っ……」
また、テオ様の体がビクリと震えました。
「何で、私だけが悪者にされるのですか⁉」
「……すまない」
「みんな、大嫌いです!」
「ん」
「テオ様が、私を、切り捨てた!」
「ミラベル……」
テオ様が悲しそうな瞳で、私を見つめていました。
「アンジェリカ様の方が、色気があって、大人ですもんね⁉ 国同士の繋がりも出来て、みんな大喜びでしたもんね!」
「ミラベル、嫌な思いばかりさせてごめんね」
「……」
「ミラベル、顔を上げて?」
「……」
「ミラベル、その顔は駄目」
何が駄目なのかわかりません。
私は怒っているのです。
「ミラベル。ねぇ、私のミラベル。かわいい、ミラベル。いっぱい愛してあげる。私でいっぱいにしてあげる。嫌なこと、ぜーんぶ忘れて、ふわふわで、幸せいっぱいにしてあげる。だから、ずっと、私の側にいて?」
「…………はい」
テオ様がパァァァっと光り輝くような笑顔をしたかと思ったら、私を抱き上げ、ベッドに移動しました。
流石に、生理中ということもあり、この日は唇を重ね、抱きしめあって眠るだけに留めました。
テオ様の鼻息が異様に荒い問題は、丸っと無視です。
監視が無くなったフリーストなお風呂を楽しみ、夫婦の寝室に行くと、部屋の中央に仁王立ちしたテオ様がいらっしゃいました。
「ミラベル、終わったと聞いたが?」
「……どこ情報ですかソレ」
「ザラ」
――――ちっ。
「をい!」
心の中の舌打ちは、どうやら現実世界でも鳴り響いたもようです。
正直、触れられるのは今も怖いです。
でも、テオ様と進みたい。
テオ様と、二人で、求め合いたい。
だから――――。
「テオ様」
テオ様の頬を撫で、するりと首に腕を回し、柔らかな唇にそっと私のそれを重ねました。
最上級に興奮されたテオ様に、勢い良く抱きかかえられ、運ばれました。
ベッドに下ろされ、ガウンや夜着をそうっと脱がされ、生まれたままの姿にされました。
「ミラベル、どこを触られたの?」
「っ…………胸」
そう伝えると、テオ様が私の胸に両手を伸ばしてきました。
ゆっくりと揉みしだき、乳輪をゆるりとなぞり、中心の頂きにフッと息を吹きかけてきました。
擽ったいような刺激に、ビクビクと震えてしまいます。
「あぁ……かわいい。ぷっくり膨らんで、ココだよと主張している」
舌を伸ばし、ツンツンと突いたり、軽く噛んで、歯の間で転がしたり、赤ちゃんのようにチュウチュウと吸われました。
「次は?」
「指を…………入れられました」
「っ、そうか。では、もっともっと上書きしないと、ね?」
「……はい」
太股の間に手を挿し込まれ、内太股やその付け根を執拗に撫でられました。
「んっ」
「ミラベルの太股はしっとりやわらかくて美味しそうだ」
そう言うと、パカリと左右に膝を割り、太股に顔を寄せてきます。
テオ様は、ちゅちゅ、と内太股にキスを繰り返すばかりで、中心には全く触れてくれません。
凄く、凄く、もどかしいです……。
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