86 / 196
85:もどかしい。
しおりを挟む「……ごめん!」
一瞬、何を謝られているのかと思いましたら、まさかのテオ様のテオ様がとても元気付いていらっしゃいました。
テオ様が私から距離を取りながら、真っ青なお顔で叫ぶように「ごめん」と何度も言われました。
「私は……汚いですか?」
こんな聞き方、とても狡いと分かっています。
言った瞬間に、テオ様が怒ったような顔をされました。
「そんなわけないだろう⁉ ミラベルは……ミラベルは美しい、綺麗だ」
「それなら、テオ様……上書き、して下さい」
「…………ミラベル?」
苦しくて、怖くて、痛くて、気持ち悪かった。
悔しくて、悔しくて、悔しくて。
誰にも何も言えなくて。
「怖かった! 痛かった!」
「ん」
ゆっくりと、テオ様が近付いてきてくれました。
「知らない男に、触られた!」
「っ、ん」
そっと、包み込むように柔らかく抱きしめて下さいました。
「指、入れられたぁ」
「っ⁉」
テオ様の体がビクリとし、ギュッと強く抱き寄せられました。
「テオ様以外にされるくらいなら、死のうと思いました」
「…………ぃやだ」
痛いほどに、抱きしめられました。
「……私、テオ様としかしてない!」
「ん」
「私、誘ってません!」
「ん」
「何で、笑われないといけないのですか⁉」
「っ……」
また、テオ様の体がビクリと震えました。
「何で、私だけが悪者にされるのですか⁉」
「……すまない」
「みんな、大嫌いです!」
「ん」
「テオ様が、私を、切り捨てた!」
「ミラベル……」
テオ様が悲しそうな瞳で、私を見つめていました。
「アンジェリカ様の方が、色気があって、大人ですもんね⁉ 国同士の繋がりも出来て、みんな大喜びでしたもんね!」
「ミラベル、嫌な思いばかりさせてごめんね」
「……」
「ミラベル、顔を上げて?」
「……」
「ミラベル、その顔は駄目」
何が駄目なのかわかりません。
私は怒っているのです。
「ミラベル。ねぇ、私のミラベル。かわいい、ミラベル。いっぱい愛してあげる。私でいっぱいにしてあげる。嫌なこと、ぜーんぶ忘れて、ふわふわで、幸せいっぱいにしてあげる。だから、ずっと、私の側にいて?」
「…………はい」
テオ様がパァァァっと光り輝くような笑顔をしたかと思ったら、私を抱き上げ、ベッドに移動しました。
流石に、生理中ということもあり、この日は唇を重ね、抱きしめあって眠るだけに留めました。
テオ様の鼻息が異様に荒い問題は、丸っと無視です。
監視が無くなったフリーストなお風呂を楽しみ、夫婦の寝室に行くと、部屋の中央に仁王立ちしたテオ様がいらっしゃいました。
「ミラベル、終わったと聞いたが?」
「……どこ情報ですかソレ」
「ザラ」
――――ちっ。
「をい!」
心の中の舌打ちは、どうやら現実世界でも鳴り響いたもようです。
正直、触れられるのは今も怖いです。
でも、テオ様と進みたい。
テオ様と、二人で、求め合いたい。
だから――――。
「テオ様」
テオ様の頬を撫で、するりと首に腕を回し、柔らかな唇にそっと私のそれを重ねました。
最上級に興奮されたテオ様に、勢い良く抱きかかえられ、運ばれました。
ベッドに下ろされ、ガウンや夜着をそうっと脱がされ、生まれたままの姿にされました。
「ミラベル、どこを触られたの?」
「っ…………胸」
そう伝えると、テオ様が私の胸に両手を伸ばしてきました。
ゆっくりと揉みしだき、乳輪をゆるりとなぞり、中心の頂きにフッと息を吹きかけてきました。
擽ったいような刺激に、ビクビクと震えてしまいます。
「あぁ……かわいい。ぷっくり膨らんで、ココだよと主張している」
舌を伸ばし、ツンツンと突いたり、軽く噛んで、歯の間で転がしたり、赤ちゃんのようにチュウチュウと吸われました。
「次は?」
「指を…………入れられました」
「っ、そうか。では、もっともっと上書きしないと、ね?」
「……はい」
太股の間に手を挿し込まれ、内太股やその付け根を執拗に撫でられました。
「んっ」
「ミラベルの太股はしっとりやわらかくて美味しそうだ」
そう言うと、パカリと左右に膝を割り、太股に顔を寄せてきます。
テオ様は、ちゅちゅ、と内太股にキスを繰り返すばかりで、中心には全く触れてくれません。
凄く、凄く、もどかしいです……。
0
あなたにおすすめの小説
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
お見合いに代理出席したら花嫁になっちゃいました
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
綾美は平日派遣の事務仕事をしているが、暇な土日に便利屋のバイトをしている。ある日、お見合いの代理出席をする為にホテルへ向かったのだが、そこにいたのは!?
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
モブでいたはずの私が、ただひとりに溺愛されるまで
ChaCha
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したことに気づいたアイナ・ネルケ。
だが彼女はヒロインではない――ただの“モブ令嬢”。
「私は観る側。恋はヒロインのもの」
そう決めて、治癒魔術科で必死に学び、気合いと根性で仲間を癒し続けていた。
筋肉とビンタと回復の日々。
それなのに――
「大丈夫だ。俺が必ず君を守る」
野外訓練で命を救った騎士、エルンスト・トゥルぺ。
彼の瞳と声が、治癒と共に魂に触れた瞬間から、世界が静かに変わり始める。
幼馴染ヴィルの揺れる視線。
家族の温かな歓迎。
辺境伯領と学園という“日常の戦場”。
「……好き」
「これは恋だ。もう、モブではいたくない」
守られるだけの存在ではなく、選ばれる覚悟を決めたモブ令嬢と、
現実しか知らない騎士の、静かで激しい溺愛の始まり。
これは――
モブでいたはずの私が、ただひとりに溺愛されるまでの物語。
※溺愛表現は後半からです。のんびり更新します。
※作者の好みにより筋肉と気合い…ヤンデレ落ち掛けが踊りながらやって来ます。
※これは恋愛ファンタジーです。ヒロインと違ってモブは本当に大変なんです。みんなアイナを応援してあげて下さい!!
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる