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93:淫らな期待。
しおりを挟む彼氏の存在をなんとか誤魔化そうと、口を開きますが、全てにおいて、ぶった切られてしまいます。
「彼氏とは、そこまで深いお付き合いを――――」
「しないわけでは無いよな? ミラベルが、まだそんな年齢ではなかっただけの話なのだろう?」
「あ、えっと、その、付き合っている年数とかもありま――――」
「ほぅ。年と数えるほどには、長ーい付き合いがあった、と」
――――ふぎゃぁぁぁ。
墓穴をザックザク、ザックのザックザクです。
テオ様が何故か立ち上がられたので、私も立ち上がりました。
テオ様が何故か近付いて来られるので、私は後退りをしました。
テオ様が何故か歩幅を大きくされるので、私も大きく下がりました。
「ミラベル? なぜ逃げる?」
「テオ様が近付かれるので」
「何故、婚約者に近付いてはいけないのだ?」
「えっと…………そのぉ…………」
返答に困っていましたら、背中がトスンと硬質で冷たい壁に当たりました。
テオ様がズンズンと近付いて来て、目の前でビタリと止まり、ねめつけるように見下ろして来られました。
あまりにも顔が近過ぎて、息が止まりそうです。
顎に手をかけられ、クイッと上にあげられました。
プラチナブロンドの髪の毛が、しゃらりと垂れて、私の顔や肩に触れました。
その擽ったさに気を取られていましたら、テオ様のお顔が焦点が合わないくらいに近付いていて、くちゅり、という艶めかしい音とともに、唇の隙間に舌が挿し込まれていました。
「ん! ふぅっ⁉」
ぐにゅりぐにゅりと蠢く熱いものに、口腔内が翻弄されます。
先ず、歯列をなぞられました。
そして、上顎を奥から手前に舐め上げられ、下顎の中はグチュグチュに掻き混ぜられました。
ハァハァと息を乱していると、今度は舌の側面を擦り合わせられ、最後にジュルリと唾液を吸われました。
「んっ、ん……っ!」
全身から力が抜け、腰からくたりと床に崩れ落ちるように座り込んで、立てなくなりました。
「ミラベル」
ギラリとした目で見つめられて、お腹の奥がギュンギュンします。
テオ様が、怒っている。
テオ様が、嫉妬している。
テオ様が、独占欲に塗れている。
それがあまりにも嬉しくて、テオ様に甘えるように両手を伸ばすと、そっと抱きかかえてくださいました。
ベッドに下ろされ、押し倒され、淫らな期待がどんどんと膨らんでしまいます。
「私以外の男と、こういった行為を、したんだな?」
テオ様がそう言いながら、スカートの中に手を入れ、ゆるゆると内太股を撫でてきました。
「はい」
「……ふん」
テオ様が面白くなさそうなお顔をしながら、ガプリと私の首筋に噛み付いてきました。
ビリッとする痛さと甘い疼きが、首から腰へと駆け巡り、体が跳ねるように反応してしまいます。
「んっ!」
「ミラベル? 何故足を閉じる?」
先程の刺激のせいで、足がギュッと閉じてしまい、テオ様の手を太股で挟んでいました。
テオ様は、それが気に入らないようで、スカートを腰までたくし上げると、私の膝をパックリと開き、ショーツを剥ぎ取ってしまいました。
「ふっ……グズグズに濡らしているな? 何を期待しているんだ?」
「っ!」
テオ様が、指で秘裂をツンと突いてきます。
それだけで感じてしまい、もう我慢なんて出来ませんでした。
「ひぁん!」
「ミラベル? 何を期待しているんだ、と聞いているんだよ? 喘げとは言っていないよ」
ツプツプと浅く突いては抜いてを繰り返して、不意に敏感な突起をピンと指で弾かれました。
「っあぁぁ!」
「ミラベル? 甘イキしたね? 私を放置して、一人で。なんて、淫猥な子なんだろうね?」
言葉責めと緩やかな悦楽。
あまりにも刺激的すぎて、生理的な涙が溢れ、目尻からポロポロと零れ落ちていました。
「ミラベル? 泣いて、何を乞うの? 何を期待しているの?」
「っ、ん……」
期待、していること――――。
「――――めちゃくちゃに、して? 何もかも、忘れてしまうくらいに」
「よく、言えました」
とろけるように破顔されたテオ様がゆったりと服を脱いでいくさまを、舐めるように見つめてしまっていました。
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