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111:お茶会スタート。
しおりを挟む王城サロンでのお茶会当日、朝から張り切って……コルセット締め。
「ふげぇぇぇふぅぅ」
「お嬢様、もうちょっと女性らしく……呻いてください」
女性らしく呻くって何なのよ、とザラに文句を言いつつ、何とか地獄の時間をやり過ごしました。
テオ様には、顔を出したらシバき倒しますからね、と伝えてから、サロンに向かいました。
サロンは指示通りに準備されており、取り敢えず一安心です。
アシュリー様、ヘレナ様、ベリンダ様と私の四人で、お茶会開始です。
数回お茶会をしたおかげか、それぞれの波長が合ったのか、早い段階から口調は砕けました。
最近は、それぞれの家庭の愚痴やちょこっと夜の話に踏み込んだりしています。
なので、それぞれの侍女たちには隣の控室で待機をお願いしています。
「まぁ! 何だか凄く……凄いわ」
「あはは! ベリンダったら、語彙力が喪失してるわよ!」
カラフルなマカロンタワーを見たベリンダ様の目が、キラキラとしていました。
マカロンタワーの他は、チョココーティングしたポップコーン、ゴロッとしたフルーツサンド、お惣菜系のサンド、そして大トリのかき氷です。
かき氷は、メニュー表を作りました。
そこから選んでもらい、シェフに目の前で作ってもらうことになっています。
「んんんっ! ポップコーンとチョコレートって合うのね」
「本当ね!」
アシュリー様はチョコポップコーンが気に入ったようです。
ヘレナ様は、お皿にマカロンを山盛りしていました。
「ちょっとぉ⁉ 流石に盛りすぎよー」
「ふふふっ、皆様、お気に召したものがあったら、言ってさいね? 手土産も用意してますから」
「「本当⁉」」
三人とも同時に同じ反応。
皆で顔を見合わせて、大笑い。
凄く、『女子会』って感じで楽しいです。
いつも通りに楽しく話しつつ、話題は来週に控えた私達の婚約式の話に移っていきました。
「王族の婚約式は、一般とはちょっと違うと聞いたんですけど、どのように違いますの?」
一般的な婚約式は、ホームパーティーで婚約指輪の交換などです。
ですが、王族の場合は、王城敷地内の聖堂にて大司教の前での宣誓、誓約書への署名、婚約指輪の交換、王位継承者とその配偶者等での晩餐会になります。
「あぁ、アレですわね。とても面倒くさいんですよねぇ」
――――え⁉
ただ単に晩餐をするだけだと聞いていたのですが。
アシュリー様に詳しく教えて欲しいと頼むと、私が流れを教えてもらえていない事に驚かれました。
「まず、あの男の何処が好きかとか、尊敬できる所とか……まぁ、そういうアレなことを延々と聞かれますわ。それから、王族の一員となる事について、王族になって民の為に何をするのか、など真面目なこともたまには聞かれますわ」
「え……そういう、『ヒューヒュー!』みたいなノリのやつなんですか⁉」
「そう! しかも、長い! 物凄く食い付かれますわよ。王太子妃殿下の時は、途中で寝そうになりましたわ」
――――そんなに長時間⁉
ちょっと、そこらへん、後でテオ様にきちんと確認してみましょう。
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