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「よし。それじゃ今から見せるぞ」
「ん、終わったのか? 一体さっきから何してたんだ? いや、何もしてねえようにしか見えなかったけど」
「まあ、見てろって。――復元・鉄の剣」
左手にオリジナルの剣を持ったまま、右手を前にかざしてそう唱えた。
直後、右手に中に左手に持っている剣とまったく同じ剣が出現する。
「っ!? な、何だ何だ!? いきなり剣が!? 何したってんだよ、天満!?」
ここへ来て驚くばかりだった天満も、彼の驚きっぷりを見てようやく軽い優越感を覚えた。
「さらに――復元・鉄の剣」
もう一本をオマケに顕現させてやった。
「も、もう一本っ!? ま、まさか剣を創れるスキルなのか!? カッコ良いじゃねえか!? 厨二っぽくて!」
三十を超えたオッサンがそんなので喜ぶのは痛いような気がした。
「んー残念ながらそうじゃないぞ」
「へ? でもよ……」
「オレのスキルは《万象網羅》って言って、情報を読み取り、読み取った情報を元にして復元する能力なんだよ」
「……はい先生!」
「はい、真悟くん」
「よく分かりません!」
「だよな。オレもお前ならそう言うと思ってたよ。バカだし」
「うっせえよ! もっとほら、俺にも分かりやすく説明してくれって」
おバカな生徒に仕方なく《万象網羅》について自分が知っていることを詳しく教えてやった。
「う~ん、それは確かに万能型だよなぁ。触れるものだったら何でも復元できるってことだろ? あ、もしかしたらよ、食材とかそれを使ったら無限増殖できて楽じゃね!」
「そう言うと思ってたよ。バカだし」
「同じことを二回も言うなよ!」
「あのな。スキルはあくまでもお前が使う魔法と一緒で、魔力……つまりMPを消費するんだぞ。無限増殖なんて、それこそMP無限のチートがなけりゃムリだってば」
「そ、そう言われたらそうだな……なるほどな。世の中そう上手くはいかねえってことか」
「だな。けど……」
「どうした、そんな神妙な顔して」
「オレがもう少しこの能力を扱えるようになってたら、あの女の子を救えたんじゃないかなって……さ」
真悟も気づいたのかハッとなって意気消沈したような表情を浮かべる。
城にある食材や飲み水などを読み取って復元すれば、腹を空かせていた彼女を助けられたかもしれない。
今となっては考えても仕方ないことかもしれないが。
(それにあの子一人救ったとしても、他の連中は救えなかっただろうしな)
とても民全員の腹を満足させるほどの力はあの当時はなかった。たとえ能力の本質に気づいていたとしても、だ。
魔力は有限で、回復するまで時間もかかる。そんな中で、僅かな食材の復元がどれだけ役に立ったのかは分からない。
それでも目の前で死んでいった少女を救えたかもしれないと思うと、やはりやり切れなくなってしまう。
「……だからよ。あんな世界にしねえためにも、俺らが頑張らねえと」
「……そのためにもまずはレベル上げだな。今のオレじゃ、この剣を2本創るくらいがやっとだ」
「うし! そうと決まったら、さっさとモンスター討伐に行こうぜ!」
悩んでいても、落ち込んでいても仕方ない。
今は、やるべきこと、やりたいことを見据えて前に進むしかないのだから。
「ん、終わったのか? 一体さっきから何してたんだ? いや、何もしてねえようにしか見えなかったけど」
「まあ、見てろって。――復元・鉄の剣」
左手にオリジナルの剣を持ったまま、右手を前にかざしてそう唱えた。
直後、右手に中に左手に持っている剣とまったく同じ剣が出現する。
「っ!? な、何だ何だ!? いきなり剣が!? 何したってんだよ、天満!?」
ここへ来て驚くばかりだった天満も、彼の驚きっぷりを見てようやく軽い優越感を覚えた。
「さらに――復元・鉄の剣」
もう一本をオマケに顕現させてやった。
「も、もう一本っ!? ま、まさか剣を創れるスキルなのか!? カッコ良いじゃねえか!? 厨二っぽくて!」
三十を超えたオッサンがそんなので喜ぶのは痛いような気がした。
「んー残念ながらそうじゃないぞ」
「へ? でもよ……」
「オレのスキルは《万象網羅》って言って、情報を読み取り、読み取った情報を元にして復元する能力なんだよ」
「……はい先生!」
「はい、真悟くん」
「よく分かりません!」
「だよな。オレもお前ならそう言うと思ってたよ。バカだし」
「うっせえよ! もっとほら、俺にも分かりやすく説明してくれって」
おバカな生徒に仕方なく《万象網羅》について自分が知っていることを詳しく教えてやった。
「う~ん、それは確かに万能型だよなぁ。触れるものだったら何でも復元できるってことだろ? あ、もしかしたらよ、食材とかそれを使ったら無限増殖できて楽じゃね!」
「そう言うと思ってたよ。バカだし」
「同じことを二回も言うなよ!」
「あのな。スキルはあくまでもお前が使う魔法と一緒で、魔力……つまりMPを消費するんだぞ。無限増殖なんて、それこそMP無限のチートがなけりゃムリだってば」
「そ、そう言われたらそうだな……なるほどな。世の中そう上手くはいかねえってことか」
「だな。けど……」
「どうした、そんな神妙な顔して」
「オレがもう少しこの能力を扱えるようになってたら、あの女の子を救えたんじゃないかなって……さ」
真悟も気づいたのかハッとなって意気消沈したような表情を浮かべる。
城にある食材や飲み水などを読み取って復元すれば、腹を空かせていた彼女を助けられたかもしれない。
今となっては考えても仕方ないことかもしれないが。
(それにあの子一人救ったとしても、他の連中は救えなかっただろうしな)
とても民全員の腹を満足させるほどの力はあの当時はなかった。たとえ能力の本質に気づいていたとしても、だ。
魔力は有限で、回復するまで時間もかかる。そんな中で、僅かな食材の復元がどれだけ役に立ったのかは分からない。
それでも目の前で死んでいった少女を救えたかもしれないと思うと、やはりやり切れなくなってしまう。
「……だからよ。あんな世界にしねえためにも、俺らが頑張らねえと」
「……そのためにもまずはレベル上げだな。今のオレじゃ、この剣を2本創るくらいがやっとだ」
「うし! そうと決まったら、さっさとモンスター討伐に行こうぜ!」
悩んでいても、落ち込んでいても仕方ない。
今は、やるべきこと、やりたいことを見据えて前に進むしかないのだから。
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