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第四十二話
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レッドウォーを討伐して戻ってきたオレは、ドームの天井上に開いた穴から意外な現場を目にする。
それはすでにスネイクワームが倒され、残りはバジリスク一体になっている状況だ。
VIP席には杖を持ったジイがいる。恐らくジイがスネイクワームを倒したのだろう。魔力の残滓を感じ取れば分かる。
しかしそれよりも気になったのは、二人の少女たちだ。
一人はオレにとって疑惑の存在だったウーナン・アミッツである。
もう一人はそんな謎の猫娘に守られながらも、何かをしようとしている我が弟子だ。
「アイツ……まさか」
ヒナテの格好から、彼女が何をしようとしているのかは一目瞭然だ。
しかしソレは、まだ一度も成功したことのない魔法である。
確かにバジリスクの固い鱗を破壊するには、うってつけの魔法ではあるが……。
正直、今の彼女には荷が重過ぎると考える。
仕方ない。少し手助けをして……と、そう思った直後だ。
「詠唱を半分完成させた……!」
今まではその前で失敗していた。
思わず息を飲み、彼女を見入ってしまう。
「アッバーゼド……ファ……ルス」
ヒナテがいまだ失敗せずに詠唱を続ける。
だがそこで苦悶の表情を見せ、グラリとヒナテの身体が揺らぐ。
無理もない。模擬試合ですべてを出し尽くしたのだ。幾分か回復したといっても、今の彼女にとって苦行ともいえる状態である。
しかしそれでも諦めずに、彼女は強い眼差しを見せた。
その瞳に三度映るのは、例の紋章だ。
同時に彼女から力強い魔力が溢れ出る。
息を吹き返したかのようなヒナテは、最後の詠唱を完成させる。
「――ホーリィ・リリアスカ・マギイーヴッ!」
瞬間、彼女が造り上げた魔力の塊が、一気に膨れ上がり形態をある存在へと変える。
雪のように白い巨鳥。全身に眩いまでの光を纏った聖なる獣だ。
「光の……鳥?」
そう呟いたのは、ウーナンだ。だが彼女だけでなく、その神秘的な存在を目にし、誰もが言葉を失って見惚れてしまっていた。
「昇天せよ――――《|白羽鳥(リリアスカ)》!」
神聖な光を纏った鳥が、バジリスクに向かって飛ぶ。
バジリスクも尻尾で貫こうと応戦するが、触れた瞬間からまるで浄化するかのように消失していく。
そして白鳥は、静かにバジリスクのもとへ辿り着くと、その大きな翼で優しく包み込む。
するとバジリスクの身体が、先程の尾のようにこの世から消え始める。
普通なら激痛を感じて断末魔の声でも上げるはずだが、バジリスクはまるで母親に抱かれている赤子のような穏やかな空気を醸し出しながら、その姿を天へと昇らせていったのだった。
そして恐らくバジリスクに食べられていたのだろう、生徒たちもほぼ無傷で姿を見せる。バジリスクが倒されたことで、石化も解かれているようだ。
「え……へへ…………やっ……たぁ……!」
「あ、ちょ! 大丈夫!? 誰かーっ! 衛生兵っ、衛生兵はいずこにゃ~っ!」
倒れたヒナテを抱きとめたウーナンが叫んでいる。
そこへ教師やクーたちが駆け付けていく。
「…………ヒナテ」
オレは心底驚嘆していた。
こうまでオレの予測を裏切る存在を、オレは一人しか知らないからだ。
あの眼……アイツと――トーカと同じ《白姫眼》を持っているのは、もう疑いようのない事実だな。
それは彼女が見せた能力を考慮して明らかになった。
かつて『白姫』と呼ばれた精霊から、その眼を譲り受けたトーカ。
その眼は『白姫眼』と名付けられ、使う者には多くの恩恵が与えられた。
膨大な魔力。異常な回復力。超常的な五感。
特に相手の動きを見極め、弱点を見い出す能力は至高のものだった。
やはり――。
「やはりヒナテは、アイツの――生まれ変わりなのだな」
どんな古い文献にも、トーカが子孫を成したとはされていない。
ヒナテのあの見た目だ。てっきり子孫かとも思ったけれど、クーにも確かめたが、メルドアの血筋にはイーヴニクスの名はないのだ。
だがヒナテの外見もそうだが、あの鬱陶しいまでの一途な性格、何よりもあの『白姫眼』がすべてを物語っている。
ヒナテがトーカの生まれ変わりだと。
最初にあの眼を確認した時に、半信半疑ながらその真実に辿り着いた。
だからこそオレはある計画を打ち立てたのである。
本来なら強くなってもう一度、トーカにリベンジをしたかった。
しかし残念ながらオレは五百年後に転生し、その機会は永遠に失われた。
ならせめて勇者として頂点を極めれば、魔王と勇者を極めた存在として、奴よりも上であると認めることができたのだ。
ただそれもまたあやふやなものでしかない。トーカと直接比べることができないからだ。
そんな時、ヒナテが奴の生まれ変わりかもしれないと気づく。
そしてオレはこう考えた。
トーカがいなくとも、トーカの能力を受け継ぐヒナテがいる。
彼女を鍛え上げ『勇者王』を引き継いだその時が、オレの野望を成就させる瞬間ではないかと。
幸いヒナテは頂点を目指している。これを利用しない手はない。
「クク…………クククク、まさかこのような宿命が待っていたとはな」
当然ヒナテはトーカのことを知らないし、その記憶もまたないだろう。だがもうヒナテが生まれ変わりだという確信を得た。
「〝本物の強さ〟……か」
いまだその正体は掴めないが、ヒナテの傍にいれば見つかるような気がする。
そしてその時こそ、オレが〝最強〟を名乗るに相応しい機会が訪れるはずだ。
「この野望、必ず成就してみせるぞ。だから精々強くなってみせろ、ヒナテ」
そのためにはオレも全力でお前を鍛え上げてやる。
他ならぬ、オレの目的のために――。
それはすでにスネイクワームが倒され、残りはバジリスク一体になっている状況だ。
VIP席には杖を持ったジイがいる。恐らくジイがスネイクワームを倒したのだろう。魔力の残滓を感じ取れば分かる。
しかしそれよりも気になったのは、二人の少女たちだ。
一人はオレにとって疑惑の存在だったウーナン・アミッツである。
もう一人はそんな謎の猫娘に守られながらも、何かをしようとしている我が弟子だ。
「アイツ……まさか」
ヒナテの格好から、彼女が何をしようとしているのかは一目瞭然だ。
しかしソレは、まだ一度も成功したことのない魔法である。
確かにバジリスクの固い鱗を破壊するには、うってつけの魔法ではあるが……。
正直、今の彼女には荷が重過ぎると考える。
仕方ない。少し手助けをして……と、そう思った直後だ。
「詠唱を半分完成させた……!」
今まではその前で失敗していた。
思わず息を飲み、彼女を見入ってしまう。
「アッバーゼド……ファ……ルス」
ヒナテがいまだ失敗せずに詠唱を続ける。
だがそこで苦悶の表情を見せ、グラリとヒナテの身体が揺らぐ。
無理もない。模擬試合ですべてを出し尽くしたのだ。幾分か回復したといっても、今の彼女にとって苦行ともいえる状態である。
しかしそれでも諦めずに、彼女は強い眼差しを見せた。
その瞳に三度映るのは、例の紋章だ。
同時に彼女から力強い魔力が溢れ出る。
息を吹き返したかのようなヒナテは、最後の詠唱を完成させる。
「――ホーリィ・リリアスカ・マギイーヴッ!」
瞬間、彼女が造り上げた魔力の塊が、一気に膨れ上がり形態をある存在へと変える。
雪のように白い巨鳥。全身に眩いまでの光を纏った聖なる獣だ。
「光の……鳥?」
そう呟いたのは、ウーナンだ。だが彼女だけでなく、その神秘的な存在を目にし、誰もが言葉を失って見惚れてしまっていた。
「昇天せよ――――《|白羽鳥(リリアスカ)》!」
神聖な光を纏った鳥が、バジリスクに向かって飛ぶ。
バジリスクも尻尾で貫こうと応戦するが、触れた瞬間からまるで浄化するかのように消失していく。
そして白鳥は、静かにバジリスクのもとへ辿り着くと、その大きな翼で優しく包み込む。
するとバジリスクの身体が、先程の尾のようにこの世から消え始める。
普通なら激痛を感じて断末魔の声でも上げるはずだが、バジリスクはまるで母親に抱かれている赤子のような穏やかな空気を醸し出しながら、その姿を天へと昇らせていったのだった。
そして恐らくバジリスクに食べられていたのだろう、生徒たちもほぼ無傷で姿を見せる。バジリスクが倒されたことで、石化も解かれているようだ。
「え……へへ…………やっ……たぁ……!」
「あ、ちょ! 大丈夫!? 誰かーっ! 衛生兵っ、衛生兵はいずこにゃ~っ!」
倒れたヒナテを抱きとめたウーナンが叫んでいる。
そこへ教師やクーたちが駆け付けていく。
「…………ヒナテ」
オレは心底驚嘆していた。
こうまでオレの予測を裏切る存在を、オレは一人しか知らないからだ。
あの眼……アイツと――トーカと同じ《白姫眼》を持っているのは、もう疑いようのない事実だな。
それは彼女が見せた能力を考慮して明らかになった。
かつて『白姫』と呼ばれた精霊から、その眼を譲り受けたトーカ。
その眼は『白姫眼』と名付けられ、使う者には多くの恩恵が与えられた。
膨大な魔力。異常な回復力。超常的な五感。
特に相手の動きを見極め、弱点を見い出す能力は至高のものだった。
やはり――。
「やはりヒナテは、アイツの――生まれ変わりなのだな」
どんな古い文献にも、トーカが子孫を成したとはされていない。
ヒナテのあの見た目だ。てっきり子孫かとも思ったけれど、クーにも確かめたが、メルドアの血筋にはイーヴニクスの名はないのだ。
だがヒナテの外見もそうだが、あの鬱陶しいまでの一途な性格、何よりもあの『白姫眼』がすべてを物語っている。
ヒナテがトーカの生まれ変わりだと。
最初にあの眼を確認した時に、半信半疑ながらその真実に辿り着いた。
だからこそオレはある計画を打ち立てたのである。
本来なら強くなってもう一度、トーカにリベンジをしたかった。
しかし残念ながらオレは五百年後に転生し、その機会は永遠に失われた。
ならせめて勇者として頂点を極めれば、魔王と勇者を極めた存在として、奴よりも上であると認めることができたのだ。
ただそれもまたあやふやなものでしかない。トーカと直接比べることができないからだ。
そんな時、ヒナテが奴の生まれ変わりかもしれないと気づく。
そしてオレはこう考えた。
トーカがいなくとも、トーカの能力を受け継ぐヒナテがいる。
彼女を鍛え上げ『勇者王』を引き継いだその時が、オレの野望を成就させる瞬間ではないかと。
幸いヒナテは頂点を目指している。これを利用しない手はない。
「クク…………クククク、まさかこのような宿命が待っていたとはな」
当然ヒナテはトーカのことを知らないし、その記憶もまたないだろう。だがもうヒナテが生まれ変わりだという確信を得た。
「〝本物の強さ〟……か」
いまだその正体は掴めないが、ヒナテの傍にいれば見つかるような気がする。
そしてその時こそ、オレが〝最強〟を名乗るに相応しい機会が訪れるはずだ。
「この野望、必ず成就してみせるぞ。だから精々強くなってみせろ、ヒナテ」
そのためにはオレも全力でお前を鍛え上げてやる。
他ならぬ、オレの目的のために――。
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