マモノの神様 ～魔物を作って育ててのんびりクラフトライフ～

プロローグ

　昔から物作りが好きだった。
　特に一人で黙々とこなすタイプのものばかり好んで行っていたものである。
　一番最初は小さい頃に夏祭りの出店で父親に買ってもらったプラモデルだったと思う。
　あまりにも面白くて、プラモデル作りにのめり込んだ。
　それを皮切りに手先も器用だったということもあって、裁縫や料理など、何かを作ることにかけていろいろなものに手を出した。

　そして高校に入ってからは専ら家庭菜園に精を出す。
　自分で育てた野菜を自分で料理にして食す。
　これぞ至高の幸せのように感じていた。
　将来の道筋に農業大学が入るのも当然のことだった。
　そんな物作りに特化した才能を持つ僕だったが、最近また新たに目覚めたものがあるのだ。

　それは――育成ゲームである。

　名前は〝マモノ牧場〟。
　パソコンでできるオンラインゲームの一つであり、ただの育成ではなく物作りと一体化したゲームなのだ。
　概要は何かというと、ユーザーは特別な《創作能力》と《育成能力》を持つ。
　また世界の神から島一つを与えられ、そこからゲームはスタートするのである。

　では創作するものは何かというと――――魔物だ。
　いわゆるモンスターや怪物などと呼ばれるファンタジーな生物のことである。
　それらを創作し、上手く育成していくことにより、ユーザーのレベルや能力が向上したり、島の規模や環境などが変化したりするのだ。

　明確なゴールなどはない半永久的に楽しめる、とても自由度の高い〝箱庭モノ〟のゲームである。
　これがまた面白いのだ。
　魔物の種類は豊富で、中には愛らしく癒される子たちもいるし、随時アップデートされていく上、野菜や建物なども自分で創作できるとあって、僕にとっては素晴らしい暇潰しになっていた。

　そして今日も学校から帰ってゲーム三昧だと自室に引きこもりパソコンと対面した。
　したのだけども……。
　何故か突如強烈な睡魔が襲い掛かってきて、目覚めると――。


「…………………………どこさ、ココ？」


　見知らぬ土地に一人っきりだった。