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「おほん! なあニナ、魔本って一人一冊しか持てねえの?」
「いいえ、かの【キューヴェル王国】の国王 ジヴァン・ブル・キューヴェルという方は五冊ほど所有しているという情報があるらしいでしゅ」
「おいおい、そいつってアレだろ? “七色の魔本”の“紫の魔本”まで持ってる奴じゃん。それなのに他のもんまで持ってんの? なにそれチートじゃね?」
「ちーと? チーズ的な何かですか?」
「ううん、反則だなってこと」
「ふわ~、神の世界にはそんなお言葉があるんですね、勉強になるでしゅ!」
しっかし、そのジヴァンって奴はすげえな。まあ、国王だから部下たちに命じて魔本を集めさせることだってできるだろうし、一人で何冊も所持することも不可能じゃないだろう。
だが超絶と言われる“七色の魔本”を持ってるんだからそれで満足すりゃいいのに……。あれか、力と権力と金は手にできるだけ手にするってタイプか…………おこぼれもらえねえかな?
そういう奴に限ってイケメンで周りに女の子を囲ってやがるんだよなぁ。しかも国王だし、毎日違う女の子とワッショイワッショイかぁ…………ホントにおこぼれがほしい。使えるべき王を間違えたかもしれねえ。
「どうされました?」
しかしそこへ行けばニナとも別れることになるし、何よりクーアイのあの見事なオッパイがもう拝めなくなるかもしれん。それは切な過ぎる。それに向こうは少年の国主。……うん、やっぱモルニエで良かった。だって美少女だし。
オレはポンポンと左手で彼女の頭をそっと叩くと、
「そういやニナは魔本持ってないのか?」
「持ってましゅよ?」
「そうだよな。持ってないよな。できれば見せてほしかったけどって持ってんのかよっ!?」
「はうぅ!」
「ああゴメンゴメン、ビックリさせてさ! でも持ってんの?」
「は、はいでしゅ」
「み、見せてもらってもいいかな?」
「もちろんです! 来たれ、我が魔本、“672の魔本”!」
彼女の詠唱によって、ボボンッと白い本が出現する。
「おお~!」
確かにオレの黒とは対照的な色をしている本である。そして表紙には“672”と数字が刻まれてある。
「どんな能力あんの!」
めっちゃ興味が出てきた。オレ、ワクワクすっぞ!
「今からお見せしましゅね」
ニナが本を開くと、やはりそこには“黒の魔本”と同じく手形が描かれてある。そこに彼女は自らの小さな手を合わせる。
「……《兎の耳》」
魔本が粒子状に消えると、彼女の頭に集束していき形を成していく。それはまさしく獣耳…………否っ! ウサミミだった!
オレは衝動に耐え切れずにその耳に触れてしまう。
「ふわっ!?」
フニフニフニフニフニフニ。
「ふにゅ~」
フニフニフニフニフニフニ。
「くしゅぐっちゃいでしゅぅ~」
フニフニフニフニフニフニ。ア、アカンッ! こらアカンでっ! 一度触ったら止められへんっ!?
その触り心地はまさにフニフニ肉球の巨大バージョン。ほんのりと感じる温もりと癖になる柔らかさは至極の境地。永遠に触っていたいという欲求が凄まじい。
だが気づけばニナの顔から湯気が噴き出て死にそうなくらい恥ずかしそうだ。
「おわっと、悪いニナ! つい我を忘れちまった!」
「あ、はぅ……あ、あのあの……ど、どうでしたか?」
「うん! サイコーだ! ニナはやっぱり可愛いな!」
もう一度頭を撫でてやると、嬉しそうに破顔する。どうやら怒ってないようで安心した。
「けどこの耳ってどんな能力あんの? いや、確かに老若少年女問わず魅了するという効果は確実にあるだろうけど……」
「……? そんな能力はないでしゅよ?」
いや、あるんだよ。君が気づいてないだけで。
「えっとですね、遠くの音を聞けます!」
「…………それだけ?」
「それだけでしゅ!」
「…………いや、待てよ。よくよく考えたらこれは凄い能力なんじゃないのか?」
「え? あのオウギさま……?」
「だってよ、もしこの耳があればクーアイやモルニエの入浴時の音が盗聴できるじゃないか! くっ、何故オレにはウサミミがないんだっ!」
オレは再び運命を呪う。
「いや! もしかしたらこの世界のどこかに同じような能力を持つ魔本が存在するかもしれねえ! いや、きっとしてるはず! よし! オレはいつか必ず盗聴、盗撮できる魔本を手に入れてみせる!」
「ほう、それでどうするつもりだ?」
「決まってるだろ! クーアイの入浴シーンや着替えシーンを覗いて……ってあれ?」
振り向いたらそこに鬼がいた。
「この一週間、泣き言も言わずによくついてきたと思っておれば、貴様にはまだまだ修練が足りなかったようだな」
「あ、あのあの……クーアイしゃま?」
何故かニナ化してしまうオレ。
「このド変態野郎がぁぁぁぁっ!」
「はどひゅんっ!?」
踵落としがオレの脳天を打ち抜く。
「はうぅぅぅっ!? オウギしゃまぁぁぁぁっ!?」
「行くぞニナ、このような変態は放っておけ!」
そう言ってクーアイはニナを部屋から連れ出していった。その日の夕食は血の味がした。
「いいえ、かの【キューヴェル王国】の国王 ジヴァン・ブル・キューヴェルという方は五冊ほど所有しているという情報があるらしいでしゅ」
「おいおい、そいつってアレだろ? “七色の魔本”の“紫の魔本”まで持ってる奴じゃん。それなのに他のもんまで持ってんの? なにそれチートじゃね?」
「ちーと? チーズ的な何かですか?」
「ううん、反則だなってこと」
「ふわ~、神の世界にはそんなお言葉があるんですね、勉強になるでしゅ!」
しっかし、そのジヴァンって奴はすげえな。まあ、国王だから部下たちに命じて魔本を集めさせることだってできるだろうし、一人で何冊も所持することも不可能じゃないだろう。
だが超絶と言われる“七色の魔本”を持ってるんだからそれで満足すりゃいいのに……。あれか、力と権力と金は手にできるだけ手にするってタイプか…………おこぼれもらえねえかな?
そういう奴に限ってイケメンで周りに女の子を囲ってやがるんだよなぁ。しかも国王だし、毎日違う女の子とワッショイワッショイかぁ…………ホントにおこぼれがほしい。使えるべき王を間違えたかもしれねえ。
「どうされました?」
しかしそこへ行けばニナとも別れることになるし、何よりクーアイのあの見事なオッパイがもう拝めなくなるかもしれん。それは切な過ぎる。それに向こうは少年の国主。……うん、やっぱモルニエで良かった。だって美少女だし。
オレはポンポンと左手で彼女の頭をそっと叩くと、
「そういやニナは魔本持ってないのか?」
「持ってましゅよ?」
「そうだよな。持ってないよな。できれば見せてほしかったけどって持ってんのかよっ!?」
「はうぅ!」
「ああゴメンゴメン、ビックリさせてさ! でも持ってんの?」
「は、はいでしゅ」
「み、見せてもらってもいいかな?」
「もちろんです! 来たれ、我が魔本、“672の魔本”!」
彼女の詠唱によって、ボボンッと白い本が出現する。
「おお~!」
確かにオレの黒とは対照的な色をしている本である。そして表紙には“672”と数字が刻まれてある。
「どんな能力あんの!」
めっちゃ興味が出てきた。オレ、ワクワクすっぞ!
「今からお見せしましゅね」
ニナが本を開くと、やはりそこには“黒の魔本”と同じく手形が描かれてある。そこに彼女は自らの小さな手を合わせる。
「……《兎の耳》」
魔本が粒子状に消えると、彼女の頭に集束していき形を成していく。それはまさしく獣耳…………否っ! ウサミミだった!
オレは衝動に耐え切れずにその耳に触れてしまう。
「ふわっ!?」
フニフニフニフニフニフニ。
「ふにゅ~」
フニフニフニフニフニフニ。
「くしゅぐっちゃいでしゅぅ~」
フニフニフニフニフニフニ。ア、アカンッ! こらアカンでっ! 一度触ったら止められへんっ!?
その触り心地はまさにフニフニ肉球の巨大バージョン。ほんのりと感じる温もりと癖になる柔らかさは至極の境地。永遠に触っていたいという欲求が凄まじい。
だが気づけばニナの顔から湯気が噴き出て死にそうなくらい恥ずかしそうだ。
「おわっと、悪いニナ! つい我を忘れちまった!」
「あ、はぅ……あ、あのあの……ど、どうでしたか?」
「うん! サイコーだ! ニナはやっぱり可愛いな!」
もう一度頭を撫でてやると、嬉しそうに破顔する。どうやら怒ってないようで安心した。
「けどこの耳ってどんな能力あんの? いや、確かに老若少年女問わず魅了するという効果は確実にあるだろうけど……」
「……? そんな能力はないでしゅよ?」
いや、あるんだよ。君が気づいてないだけで。
「えっとですね、遠くの音を聞けます!」
「…………それだけ?」
「それだけでしゅ!」
「…………いや、待てよ。よくよく考えたらこれは凄い能力なんじゃないのか?」
「え? あのオウギさま……?」
「だってよ、もしこの耳があればクーアイやモルニエの入浴時の音が盗聴できるじゃないか! くっ、何故オレにはウサミミがないんだっ!」
オレは再び運命を呪う。
「いや! もしかしたらこの世界のどこかに同じような能力を持つ魔本が存在するかもしれねえ! いや、きっとしてるはず! よし! オレはいつか必ず盗聴、盗撮できる魔本を手に入れてみせる!」
「ほう、それでどうするつもりだ?」
「決まってるだろ! クーアイの入浴シーンや着替えシーンを覗いて……ってあれ?」
振り向いたらそこに鬼がいた。
「この一週間、泣き言も言わずによくついてきたと思っておれば、貴様にはまだまだ修練が足りなかったようだな」
「あ、あのあの……クーアイしゃま?」
何故かニナ化してしまうオレ。
「このド変態野郎がぁぁぁぁっ!」
「はどひゅんっ!?」
踵落としがオレの脳天を打ち抜く。
「はうぅぅぅっ!? オウギしゃまぁぁぁぁっ!?」
「行くぞニナ、このような変態は放っておけ!」
そう言ってクーアイはニナを部屋から連れ出していった。その日の夕食は血の味がした。
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