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………疲れた………。
何とか軽く朝ごはんを食べて、学園に着いて教室の席に座ると、どっと疲れが襲ってきた。
教室の席は階段になっており、教壇が下になっていて少し見下ろす感じだ。
机にうつ伏せになりため息を吐く。
そんな俺の頭を撫でてくるやつがいた。
「ルシオン、朝からどうしたの?眠いの?」
「テオルド~。」
俺の癒しの女神だ。
テオルドの美しい顔は今日も神々しいほど眩しい。
美人は3日で飽きるって嘘だ。テオルドの美しさはずっと見ていて飽きない所か、疲れさえも癒される栄養ドリンクのようだ。
そんな女神が俺の心配をしてくれるなんて…
つい両手を合わせて拝んでしまった。
「何それ…。」
怪訝な顔をされた。この世界では手を組んで祈る事はあっても、手を合わせて拝む事は存在しない。
「何をじゃれてる?」
俺の後ろから現れたのはマクビルだ。
「テオルドが尊くて感動してた。」
「俺の事は尊んでくれないのか?」
マクビルは寂しそうに言うが、比べるのが間違ってる。
テオルドは女神で、マクビルは戦騎士だ。
俺はなるべくマクビルの機嫌を損なわないように言う。
「マクビルの事は、強くて尊敬してるよ。」
「そうか。」
マクビルは笑顔になり俺の頭を撫でてくる。
皆、頭撫でるの好きだな。
初めての授業は、魔法の属性について個人の適正を調べるものだった。
魔法担当の教師が教壇に、バレーボールくらいの水晶玉を置く。
「皆さん、この水晶に手をかざして下さい。個人の魔法属性が現れます。」
俺は闇属性で、しかも魔力が平均より低いためショボい魔法しか使えなかったはずだ。
せっかく魔法世界に生まれ変わったのに…悔しい。
よし、勉強して少しは使いこなせるように頑張ろう。使い手次第って事だ。
次々と皆が水晶玉に手をかざして、自分の属性を見ていく。
水晶玉の中に属性の色や特徴が写し出される。
テオルドは『水と木』属性だった。『水』は何となく知っていたが『木』は植物系の魔法属性らしく、水晶玉の中に緑の植物が栄えていた。テオルドらしく優しい感じがする。
マクビルは『雷と土』属性で、強そうでやっぱり似合っていると納得した。
俺は『闇』だけだろうと手をかざすと、水晶玉の中に白いモヤのようなものが広がり、しだいに黒い煙が渦を巻く。それが『闇』属性だ。そこで終わりだと思って手を離そうとする。
「待ちなさい。」
教師に止められ、水晶玉を覗くと黒い煙の中から光が差し、暗かった闇が明るくなっていく。少しだけ水晶玉が暖かく感じる。
これって何?
「ルシオンは、闇と光の属性だな。珍しい…。」
はい?
ゲームには『光』属性はヒロインだけしか持っていなく、凄く貴重なものだったはず。
平凡な俺が?何かの間違いじゃないかな。
だって、手を離そうとしてたから水晶玉が元に戻る所だったとか…
教師の属性が写し出されたとか…
他の誰かのイタズラとか…
「先生、何かの間違いじゃないですか?俺は闇属性だけだったんですよ?」
「じゃあ、新たに増えたんだな。個人の魂に影響されて増える事もあるから。」
えぇぇぇぇ、何そのチート的なヤツ。
俺、普通に平凡に生きていきたいのに…。目立ちたくもないし。
クラス中がざわざわと騒がしくなる。
皆の視線が痛い。
はぁ…。俺、今日何回ため息ついたんだろ。
その後の授業は、特に変わらず普通に受けていた。
俺に光属性が追加されても、何も変わらない事に気付き
(まぁ、悩んでもしょうがないし、難しい事は後で考えよう。)と呑気に思っていた。
授業を受けていただけなのに、どっと疲れがくるのは初日だったからだと思いたい。
寮に帰って来ると、ヒューリがリビングで勉強をしていた。
「ただいま。」
返ってくるのは無音だけ。
悲しくなり、寝室に行こうとした時
「昨日から、大変だったね。」
話しかけられた事にびっくりして振り向き、思わず口を大きく開けてしまった。
「何?」
ヒューリに怪訝な顔で見られる。
「ううん。何でもない。」
嬉しくなり何を話しかけられたのか忘れそうになった。
「昨日?」
色々ありすぎて、どれの事を言っているのか解らない。
「廊下で女子生徒に、悲鳴挙げられてたでしょ?」
「昨日のあれは…俺が転ばせちゃったみたいで…怖がらせたらしい…よ。」
えへへっと笑って見せる。最近、俺ってばこんな事ばっかりだな。
「見てたけど、君、悪くないよね?彼女の方から転んで叫んでたよ。」
なんと!見てた人がいたとは。
「でも、怖がらせちゃった事は本当だしさ。」
「君、馬鹿じゃないの?今日だって、グレース様に言い寄られてて。」
呆れたように言われると、情けなくなってきたな。
「うん。俺、馬鹿だから。ははは…。」
本当の事を言ったつもりが、何故かヒューリは驚いている。
「ルシオンって、貴族らしくないよね。」
笑顔だ…。ヒューリの笑顔って、可愛いんだな。
って、今、名前呼んでくれた!警戒心の強い犬が懐いてくれたような感じで嬉しい。
「うん。俺も自分でそう思う。」
俺も笑顔で返すと、ヒューリは頬を染めて固まっていた。
「そういえば、今日は俺より先に出たのに何でまだあそこに居たんだ?」
不思議だった。
「俺、先に出てないよ。低血圧で起きれないの。」
「は?じゃあ、俺の勘違いか。」
部屋が静かだったから、てっきり先に出たと思い込んでいた。て事は、あの時間まだ寝てたのか。
「朝、俺が起こそうか?俺も寝坊するかもしれないけど…。」
チラッと俺を見てヒューリは少し目元を赤くして
「よろしく。」
と小声で言ってくる。やっぱ可愛いヤツ。
何とか軽く朝ごはんを食べて、学園に着いて教室の席に座ると、どっと疲れが襲ってきた。
教室の席は階段になっており、教壇が下になっていて少し見下ろす感じだ。
机にうつ伏せになりため息を吐く。
そんな俺の頭を撫でてくるやつがいた。
「ルシオン、朝からどうしたの?眠いの?」
「テオルド~。」
俺の癒しの女神だ。
テオルドの美しい顔は今日も神々しいほど眩しい。
美人は3日で飽きるって嘘だ。テオルドの美しさはずっと見ていて飽きない所か、疲れさえも癒される栄養ドリンクのようだ。
そんな女神が俺の心配をしてくれるなんて…
つい両手を合わせて拝んでしまった。
「何それ…。」
怪訝な顔をされた。この世界では手を組んで祈る事はあっても、手を合わせて拝む事は存在しない。
「何をじゃれてる?」
俺の後ろから現れたのはマクビルだ。
「テオルドが尊くて感動してた。」
「俺の事は尊んでくれないのか?」
マクビルは寂しそうに言うが、比べるのが間違ってる。
テオルドは女神で、マクビルは戦騎士だ。
俺はなるべくマクビルの機嫌を損なわないように言う。
「マクビルの事は、強くて尊敬してるよ。」
「そうか。」
マクビルは笑顔になり俺の頭を撫でてくる。
皆、頭撫でるの好きだな。
初めての授業は、魔法の属性について個人の適正を調べるものだった。
魔法担当の教師が教壇に、バレーボールくらいの水晶玉を置く。
「皆さん、この水晶に手をかざして下さい。個人の魔法属性が現れます。」
俺は闇属性で、しかも魔力が平均より低いためショボい魔法しか使えなかったはずだ。
せっかく魔法世界に生まれ変わったのに…悔しい。
よし、勉強して少しは使いこなせるように頑張ろう。使い手次第って事だ。
次々と皆が水晶玉に手をかざして、自分の属性を見ていく。
水晶玉の中に属性の色や特徴が写し出される。
テオルドは『水と木』属性だった。『水』は何となく知っていたが『木』は植物系の魔法属性らしく、水晶玉の中に緑の植物が栄えていた。テオルドらしく優しい感じがする。
マクビルは『雷と土』属性で、強そうでやっぱり似合っていると納得した。
俺は『闇』だけだろうと手をかざすと、水晶玉の中に白いモヤのようなものが広がり、しだいに黒い煙が渦を巻く。それが『闇』属性だ。そこで終わりだと思って手を離そうとする。
「待ちなさい。」
教師に止められ、水晶玉を覗くと黒い煙の中から光が差し、暗かった闇が明るくなっていく。少しだけ水晶玉が暖かく感じる。
これって何?
「ルシオンは、闇と光の属性だな。珍しい…。」
はい?
ゲームには『光』属性はヒロインだけしか持っていなく、凄く貴重なものだったはず。
平凡な俺が?何かの間違いじゃないかな。
だって、手を離そうとしてたから水晶玉が元に戻る所だったとか…
教師の属性が写し出されたとか…
他の誰かのイタズラとか…
「先生、何かの間違いじゃないですか?俺は闇属性だけだったんですよ?」
「じゃあ、新たに増えたんだな。個人の魂に影響されて増える事もあるから。」
えぇぇぇぇ、何そのチート的なヤツ。
俺、普通に平凡に生きていきたいのに…。目立ちたくもないし。
クラス中がざわざわと騒がしくなる。
皆の視線が痛い。
はぁ…。俺、今日何回ため息ついたんだろ。
その後の授業は、特に変わらず普通に受けていた。
俺に光属性が追加されても、何も変わらない事に気付き
(まぁ、悩んでもしょうがないし、難しい事は後で考えよう。)と呑気に思っていた。
授業を受けていただけなのに、どっと疲れがくるのは初日だったからだと思いたい。
寮に帰って来ると、ヒューリがリビングで勉強をしていた。
「ただいま。」
返ってくるのは無音だけ。
悲しくなり、寝室に行こうとした時
「昨日から、大変だったね。」
話しかけられた事にびっくりして振り向き、思わず口を大きく開けてしまった。
「何?」
ヒューリに怪訝な顔で見られる。
「ううん。何でもない。」
嬉しくなり何を話しかけられたのか忘れそうになった。
「昨日?」
色々ありすぎて、どれの事を言っているのか解らない。
「廊下で女子生徒に、悲鳴挙げられてたでしょ?」
「昨日のあれは…俺が転ばせちゃったみたいで…怖がらせたらしい…よ。」
えへへっと笑って見せる。最近、俺ってばこんな事ばっかりだな。
「見てたけど、君、悪くないよね?彼女の方から転んで叫んでたよ。」
なんと!見てた人がいたとは。
「でも、怖がらせちゃった事は本当だしさ。」
「君、馬鹿じゃないの?今日だって、グレース様に言い寄られてて。」
呆れたように言われると、情けなくなってきたな。
「うん。俺、馬鹿だから。ははは…。」
本当の事を言ったつもりが、何故かヒューリは驚いている。
「ルシオンって、貴族らしくないよね。」
笑顔だ…。ヒューリの笑顔って、可愛いんだな。
って、今、名前呼んでくれた!警戒心の強い犬が懐いてくれたような感じで嬉しい。
「うん。俺も自分でそう思う。」
俺も笑顔で返すと、ヒューリは頬を染めて固まっていた。
「そういえば、今日は俺より先に出たのに何でまだあそこに居たんだ?」
不思議だった。
「俺、先に出てないよ。低血圧で起きれないの。」
「は?じゃあ、俺の勘違いか。」
部屋が静かだったから、てっきり先に出たと思い込んでいた。て事は、あの時間まだ寝てたのか。
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