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「苦しいんですけど…。」
「あぁ、悪い。」
グレース王子は掴んでいた俺のシャツを離して、腕を掴んできた。
その時、ピリッと静電気が起きたもののバリアに弾かれる事はなかった。
「魔法が取れかけているようだ。掴んでいないとお前はすぐ逃げるからな。」
守護魔法が取れかけているなんて、そんな………。
また魔法をかけてもらわないとダメなんだろうか。今度はネフィル先生と…身体を………マジで!?
「おい、また考え事か?取り敢えず、カフェに入るぞ。」
俺が生返事なのを良いことに、近くにあるカフェに連れていかれた。
俺は椅子に座って初めて、足が重く感じ歩き疲れていたんだと自覚した。
頼んだコーヒーをひとくち飲んで、さらにほっとする。
そして疑問に思ったことを聞いてみた。
「なぜ、グレース王子が1人で街に?」
グレース王子の服装は、俺と同じく軽装だが、本人から出ているオーラが王子だと言っている。今日は長い髪は三つ編みにしていた。
自覚がないのだろう、こんなにもキラキラ眩しいのに、よく王子だとバレなかったな。
「外では、レーヤと呼んでくれ。俺の愛称だ。」
眩しいほどの笑顔で言われると、恥ずかしくて愛称でなんて言えなくなる。
「あの迷惑ハレンチ女がいるダンスパーティーなど行けるものか。たまたまお前が外に行くのを見かけて、追いかけてきたんだ。」
「あははは…。そうだったんですか。」
迷惑ハレンチ女って、一応ヒロインなんだけど。
貴族としては、スカートが短かったり、婚約者でもない女性がベタベタ触ってくるのは、品がなく自分の価値を下げているようなものだし、反感を買うのは解るだろうに、リビアンは解ろうともしていない。
たからハレンチと言われている事は、本人は知っていても構わなそうだ。
「俺は、こういうのは初めてなんだ。案内してくれるか?」
俺は、グレース王子がゲームと違う性格なんじゃないかと思い始めてきた。
こんな、謙虚な王子は見た事がない。
俺は少し可愛く思ってしまった。
「良いですよ。」
俺は笑顔で頷くと、グレース王子は少しほっとしたような顔になっていた。
俺とグレース王子は人混みの中、色々な店を見て回る。
俺は前世の経験もあるからか、難なく人混みを歩けるが、グレース王子は初めての事で人にぶつかりそうになりながらヨタヨタ歩いている。
王子様だと他人の方から避けてくれるので、人混みをかき分けて歩くというのが出来ないようだ。
身分を隠した今、この人混みを歩くのは至難の技だろう。
「レーヤ。はぐれないで。」
「お、おう。」
俺は、はぐれる前にグレース王子に手を出して手を繋いだ。
「どこに行きますか?」
人混みで賑やかなので、顔を近づけないと話す声も聞こえないため、自然と距離が近くなる。
その動作にグレース王子は顔を赤くしていた。
「ど、どこでも良い。」
「じゃあ、ボール当てなんてどうです?ボールを的に向けて投げて倒れれば景品が貰えますよ。」
俺達はボール当ての屋台に行って、お金を払い3個のボールを受けとる。
的はレーンに乗って流れていくのをタイミングを計ってボールを投げるという遊戯だ。
俺達より先にしていた女の子2人は、全部当たらなかったらしくしょんぼりしていた。
俺達の番になりボールを投げるが、センスがないのかタイミングが悪いのか俺は全然当たらなかった。下手だと思いたくない。
グレース王子は………と見ると、3個とも的に当たっていた。凄い。
「レーヤ、凄い!」
屋台のおじさんも驚いていた。
「兄ちゃん、全部当てるなんて良い腕してるね。」
グレース王子はというと、普通に出来た事を周りが驚いている様子に戸惑っているようだった。
「ほら、景品3個持っていきな。」
おじさんが寄越した景品は、可愛いクマと、うさぎ、キツネのぬいぐるみだった。
ぬいぐるみは俺の身長の3文の1の大きさで結構な代物だ。これを3個も持ち歩くのは恥ずかしい。
「レーヤ、もし良かったらぬいぐるみ2個を、さっきの子達にあげたらどうかな?」
「さっきの子達とは?」
グレース王子は数分前に目の前にいた女の子達は眼中に入ってなかったのかな。
「うーん。今は侍従さんもいないし、持っていても邪魔だから、女の子にあげたら喜ぶんじゃない?」
「ふむ、施すのだな。良かろう。」
…何だか疲れる。
この人お忍びだって事解ってるのかな。
女の子達を探して、クマとうさぎのぬいぐるみをあげる。グレース王子の顔を見て赤らめて、さらに喜んでいた。
「レーヤ、今度は串焼き食べよう。さっき食べて美味しかったんだ。」
俺はグレース王子を連れ回した。
あっちこっちの屋台の食べ物を買い食いする。
「うん、これは美味しい。だが、こちらは味が濃すぎる。こっちは、甘いのか塩辛いのか解らない味だ。」
王子は舌が肥えているようで、1つ1つに評価を付けていく。
「レーヤ、屋台の食べ物は、その場の雰囲気も調味料なので、美味しいと思いますよ。」
「そうなのか?なるほど…。」
グレース王子は考えこんでしまった。深く考えなくても良い所なんだけど。
ゲームでのイメージと違って俺様というより世間知らずの殿様みたいな…、初めての事に戸惑っていたり、串焼きに感動していたかと思えば、他の屋台の味の評価までするし、根が真面目なのかもしれない。
空が薄い赤色になってくる頃、俺達は近くの公園のベンチに座っていた。
「どうでしたか、楽しめました?」
久々に前世の学生の頃を思い出す。友達と学校の帰りにゲーセンに行ったり、買い食いをしたりと懐かしい。
「そうだな。初めての事ばっかりだったが、お前と一緒だったから楽しめた。」
「それなら、良かったです。」
グレース王子はキラキラ笑顔を向けてくる。
そして、俺の頬に手にあて………顔が近づいて来る。
これって、もしかして、キスするシチュエーションか?
俺は1人心の中で、どうしたら良いのかパニクっていると
「グレース王子に、ルシオン。ここで何をしてるんですか?」
ネフィル先生が突然現れた。
「あぁ、悪い。」
グレース王子は掴んでいた俺のシャツを離して、腕を掴んできた。
その時、ピリッと静電気が起きたもののバリアに弾かれる事はなかった。
「魔法が取れかけているようだ。掴んでいないとお前はすぐ逃げるからな。」
守護魔法が取れかけているなんて、そんな………。
また魔法をかけてもらわないとダメなんだろうか。今度はネフィル先生と…身体を………マジで!?
「おい、また考え事か?取り敢えず、カフェに入るぞ。」
俺が生返事なのを良いことに、近くにあるカフェに連れていかれた。
俺は椅子に座って初めて、足が重く感じ歩き疲れていたんだと自覚した。
頼んだコーヒーをひとくち飲んで、さらにほっとする。
そして疑問に思ったことを聞いてみた。
「なぜ、グレース王子が1人で街に?」
グレース王子の服装は、俺と同じく軽装だが、本人から出ているオーラが王子だと言っている。今日は長い髪は三つ編みにしていた。
自覚がないのだろう、こんなにもキラキラ眩しいのに、よく王子だとバレなかったな。
「外では、レーヤと呼んでくれ。俺の愛称だ。」
眩しいほどの笑顔で言われると、恥ずかしくて愛称でなんて言えなくなる。
「あの迷惑ハレンチ女がいるダンスパーティーなど行けるものか。たまたまお前が外に行くのを見かけて、追いかけてきたんだ。」
「あははは…。そうだったんですか。」
迷惑ハレンチ女って、一応ヒロインなんだけど。
貴族としては、スカートが短かったり、婚約者でもない女性がベタベタ触ってくるのは、品がなく自分の価値を下げているようなものだし、反感を買うのは解るだろうに、リビアンは解ろうともしていない。
たからハレンチと言われている事は、本人は知っていても構わなそうだ。
「俺は、こういうのは初めてなんだ。案内してくれるか?」
俺は、グレース王子がゲームと違う性格なんじゃないかと思い始めてきた。
こんな、謙虚な王子は見た事がない。
俺は少し可愛く思ってしまった。
「良いですよ。」
俺は笑顔で頷くと、グレース王子は少しほっとしたような顔になっていた。
俺とグレース王子は人混みの中、色々な店を見て回る。
俺は前世の経験もあるからか、難なく人混みを歩けるが、グレース王子は初めての事で人にぶつかりそうになりながらヨタヨタ歩いている。
王子様だと他人の方から避けてくれるので、人混みをかき分けて歩くというのが出来ないようだ。
身分を隠した今、この人混みを歩くのは至難の技だろう。
「レーヤ。はぐれないで。」
「お、おう。」
俺は、はぐれる前にグレース王子に手を出して手を繋いだ。
「どこに行きますか?」
人混みで賑やかなので、顔を近づけないと話す声も聞こえないため、自然と距離が近くなる。
その動作にグレース王子は顔を赤くしていた。
「ど、どこでも良い。」
「じゃあ、ボール当てなんてどうです?ボールを的に向けて投げて倒れれば景品が貰えますよ。」
俺達はボール当ての屋台に行って、お金を払い3個のボールを受けとる。
的はレーンに乗って流れていくのをタイミングを計ってボールを投げるという遊戯だ。
俺達より先にしていた女の子2人は、全部当たらなかったらしくしょんぼりしていた。
俺達の番になりボールを投げるが、センスがないのかタイミングが悪いのか俺は全然当たらなかった。下手だと思いたくない。
グレース王子は………と見ると、3個とも的に当たっていた。凄い。
「レーヤ、凄い!」
屋台のおじさんも驚いていた。
「兄ちゃん、全部当てるなんて良い腕してるね。」
グレース王子はというと、普通に出来た事を周りが驚いている様子に戸惑っているようだった。
「ほら、景品3個持っていきな。」
おじさんが寄越した景品は、可愛いクマと、うさぎ、キツネのぬいぐるみだった。
ぬいぐるみは俺の身長の3文の1の大きさで結構な代物だ。これを3個も持ち歩くのは恥ずかしい。
「レーヤ、もし良かったらぬいぐるみ2個を、さっきの子達にあげたらどうかな?」
「さっきの子達とは?」
グレース王子は数分前に目の前にいた女の子達は眼中に入ってなかったのかな。
「うーん。今は侍従さんもいないし、持っていても邪魔だから、女の子にあげたら喜ぶんじゃない?」
「ふむ、施すのだな。良かろう。」
…何だか疲れる。
この人お忍びだって事解ってるのかな。
女の子達を探して、クマとうさぎのぬいぐるみをあげる。グレース王子の顔を見て赤らめて、さらに喜んでいた。
「レーヤ、今度は串焼き食べよう。さっき食べて美味しかったんだ。」
俺はグレース王子を連れ回した。
あっちこっちの屋台の食べ物を買い食いする。
「うん、これは美味しい。だが、こちらは味が濃すぎる。こっちは、甘いのか塩辛いのか解らない味だ。」
王子は舌が肥えているようで、1つ1つに評価を付けていく。
「レーヤ、屋台の食べ物は、その場の雰囲気も調味料なので、美味しいと思いますよ。」
「そうなのか?なるほど…。」
グレース王子は考えこんでしまった。深く考えなくても良い所なんだけど。
ゲームでのイメージと違って俺様というより世間知らずの殿様みたいな…、初めての事に戸惑っていたり、串焼きに感動していたかと思えば、他の屋台の味の評価までするし、根が真面目なのかもしれない。
空が薄い赤色になってくる頃、俺達は近くの公園のベンチに座っていた。
「どうでしたか、楽しめました?」
久々に前世の学生の頃を思い出す。友達と学校の帰りにゲーセンに行ったり、買い食いをしたりと懐かしい。
「そうだな。初めての事ばっかりだったが、お前と一緒だったから楽しめた。」
「それなら、良かったです。」
グレース王子はキラキラ笑顔を向けてくる。
そして、俺の頬に手にあて………顔が近づいて来る。
これって、もしかして、キスするシチュエーションか?
俺は1人心の中で、どうしたら良いのかパニクっていると
「グレース王子に、ルシオン。ここで何をしてるんですか?」
ネフィル先生が突然現れた。
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