28 / 61
四章
人形達の自己紹介
しおりを挟む
「……人形には見えないけど」
スズエさんが言うと、アイトは「うん、かなり精巧に作られてるでしょ?」と笑った。
実際、かなりリアルに作られていて本当に人形かと疑うほどだ。……でも、あのビデオを見てしまっているから彼らが死んでいるということも、分かっている。
「ほら、自己紹介して」
アイトが言うけど、誰も口を開こうとしない。当たり前だ、お互いに警戒しているのだから。
「……私は森岡 涼恵です。見て分かる通り、高校生です」
そんな中、スズエさんが自己紹介をした。ボクが彼女を見ると、
「このまま誰も言わないよりはマシでしょう」
そう言ってため息をついた。彼女なりに考えているのかもしれない。
「……俺は霜月 怜。一応、大学生だよ」
スズエさんが自己紹介したからか、白と黒の髪の青年も名乗った。大学生……ボクと同い年か少し上だろうか?警戒心が強そうだとなんとなくだけど思う。きっと名乗ったのも、こちらの出方をうかがうためだろう。
「ボクは祈花 佑夜」
それならと、ボクも名乗る。別に隠す必要もないしね。
それを合図にするように全員が名乗っていく。
「オレは秋原 蘭。高校生だ」
「わ、私は中松 廉人……しゃ、社会人だ」
「俺は三代 孝だ。ボクサーだ」
「私は高比良 ゆみ。だ、大学生よ」
「私は道新 舞華!パン屋だよ!」
「……あたしは如月 奈子。小学生」
えっと……白髪の高校生はラン君、茶髪の男性がレントさん、青髪の脳筋っぽい人がタカシさん、オレンジ髪の女性がユミさん、こげ茶色の髪の女性がマイカさん、ピンク髪の少女がナコちゃんというようだ。マイカさんのテンションの高さが少し怖いところだ。
「じゃあ、早速だけどペアを発表するね!」
「ペア?」
アイトの突然の言葉に首を傾げる。いきなりペアって、どうしてだ?
考え込んでいる間にアイトが指を鳴らす。するとそれぞれに赤いひものような線が繋がった。
ラン君はスズエさんとシルヤ君。
レイさんはキナちゃんとハナさん。
レントさんはフウ君とカナクニ先生。
ナコちゃんはケイさん。
ユミさんはマミさんとミヒロさん。
マイカさんはゴウさん。
そして、タカシさんがボクとエレンさん。
一体どんな基準でこうなったのか分からないけど、ろくでもないことを指せるのだろうということだけは分かった。
「その赤い糸は命綱でもあるよ。一定の距離離れたら首輪が起動するからね!」
ニコニコしながら、アイトが笑う。どれぐらい離れたら起動するのか教えてくれないのがいやらしい。
「それじゃあ、あとは人形達に教えてもらってね!」
そう言って、アイトは去ってしまう。
気まずさからか、沈黙が流れる。スズエさんも何を聞こうか悩んでいるのか、髪の毛をいじっていた。
スズエさんが言うと、アイトは「うん、かなり精巧に作られてるでしょ?」と笑った。
実際、かなりリアルに作られていて本当に人形かと疑うほどだ。……でも、あのビデオを見てしまっているから彼らが死んでいるということも、分かっている。
「ほら、自己紹介して」
アイトが言うけど、誰も口を開こうとしない。当たり前だ、お互いに警戒しているのだから。
「……私は森岡 涼恵です。見て分かる通り、高校生です」
そんな中、スズエさんが自己紹介をした。ボクが彼女を見ると、
「このまま誰も言わないよりはマシでしょう」
そう言ってため息をついた。彼女なりに考えているのかもしれない。
「……俺は霜月 怜。一応、大学生だよ」
スズエさんが自己紹介したからか、白と黒の髪の青年も名乗った。大学生……ボクと同い年か少し上だろうか?警戒心が強そうだとなんとなくだけど思う。きっと名乗ったのも、こちらの出方をうかがうためだろう。
「ボクは祈花 佑夜」
それならと、ボクも名乗る。別に隠す必要もないしね。
それを合図にするように全員が名乗っていく。
「オレは秋原 蘭。高校生だ」
「わ、私は中松 廉人……しゃ、社会人だ」
「俺は三代 孝だ。ボクサーだ」
「私は高比良 ゆみ。だ、大学生よ」
「私は道新 舞華!パン屋だよ!」
「……あたしは如月 奈子。小学生」
えっと……白髪の高校生はラン君、茶髪の男性がレントさん、青髪の脳筋っぽい人がタカシさん、オレンジ髪の女性がユミさん、こげ茶色の髪の女性がマイカさん、ピンク髪の少女がナコちゃんというようだ。マイカさんのテンションの高さが少し怖いところだ。
「じゃあ、早速だけどペアを発表するね!」
「ペア?」
アイトの突然の言葉に首を傾げる。いきなりペアって、どうしてだ?
考え込んでいる間にアイトが指を鳴らす。するとそれぞれに赤いひものような線が繋がった。
ラン君はスズエさんとシルヤ君。
レイさんはキナちゃんとハナさん。
レントさんはフウ君とカナクニ先生。
ナコちゃんはケイさん。
ユミさんはマミさんとミヒロさん。
マイカさんはゴウさん。
そして、タカシさんがボクとエレンさん。
一体どんな基準でこうなったのか分からないけど、ろくでもないことを指せるのだろうということだけは分かった。
「その赤い糸は命綱でもあるよ。一定の距離離れたら首輪が起動するからね!」
ニコニコしながら、アイトが笑う。どれぐらい離れたら起動するのか教えてくれないのがいやらしい。
「それじゃあ、あとは人形達に教えてもらってね!」
そう言って、アイトは去ってしまう。
気まずさからか、沈黙が流れる。スズエさんも何を聞こうか悩んでいるのか、髪の毛をいじっていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2025/12/15:『ちいさなむし』の章を追加。2025/12/22の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/14:『さむいしゃわー』の章を追加。2025/12/21の朝8時頃より公開開始予定。
2025/12/13:『ものおと』の章を追加。2025/12/20の朝8時頃より公開開始予定。
2025/12/12:『つえ』の章を追加。2025/12/19の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/11:『にく』の章を追加。2025/12/18の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/10:『うでどけい』の章を追加。2025/12/17の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/9:『ひかるかお』の章を追加。2025/12/16の朝4時頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる