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四章
リング場は水没する
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全員で進んでいくと、ボクシング場が出てきた。
「お、リングじゃねーか」
タカシさんが笑顔を浮かべていると「油断してはいけないですよ」とレイさんがため息をついていた。
「で、でも、すごいね……」
「そうだねー!」
レントさんがキョロキョロと見ながら呟くと、マイカさんがニコニコしながら同意した。
その時、大きな音が聞こえてきた。
「……っ!?みんな、リング場に乗ってください!」
スズエさんがキナちゃんとフウ君、ナコちゃんのリング場に乗せながら指示を出す。ボク達が慌てて乗ると、スズエさんも登ろうとしていた。
「スズエさん、掴んで」
ボクが手を伸ばすと、スズエさんは掴んでくれた。引き上げると、思ったより軽くて驚いた。
「すみません、ユウヤさん」
「大丈夫だよ。それにしても、この音……」
ボクが聞こうとすると、扉が閉まった音が聞こえた。そして、水が溢れ出てきた。
「……っ!?これは……!?」
「このままいたら溺れ死ぬかもしれないですね……」
「そんな……どうしたらいいんですか……!?」
皆がパニックになっている中、スズエさんは一人いろいろな場所を調べていた。そして、ポールに触れると何かが出てきたらしい。
「……これを解いたら……」
「な、何か分かったのか?」
「うん。ポールを正しい色に付けたらいいらしいね。あぁ、そうだ。天井にあるものを取ってくれないか?」
シルヤ君に聞かれ、スズエさんは頷くと同時に指示を出す。シルヤ君が天井を見上げると、「うげっ、包丁がつけられてんじゃんか……」と明らかに戸惑った顔をした。
「包丁?……何かを切るのかな……?」
ボソッと言い、それよりと彼女はポールの謎を解きだした。解いたら仕掛けが止まると分かったからか、みんなある程度落ち着いた。
ボクも出来る限りの探索をしてみる。……ロープが柔らかいものと固いものがある。
「ねぇ、スズエさん」
「はい、なんです?」
ボクがスズエさんの報告すると、「……柔らかいロープを切ってください」と解きながら言った。
「それじゃあ、あれを取ろうかー」
ケイさんがロープを使って高く飛び、包丁を取る。
「私が切ってあげようかー?」
マイカさんが提案するとケイさんは警戒したようだけど、「早くしてください」とスズエさんに言われて渋々包丁を渡す。マイカさんはそのまま柔らかいロープを切った。
いつの間にか、水が腰にまで来ていた。スズエさんが必死に解いてくれていたけど間に合うだろうか……?
「……みんなは生き残ることだけを考えてください」
スズエさんが困ったように笑いながらボク達に言う。まさか、一人で解こうというのだろうか?
水かさがどんどん増えていく。やがて足がつかなくなってくるけど、スズエさんは大きく息を吸って一人謎を解いていった。
少しして、スズエさんが息継ぎのために上がる。
「あとどれぐらい?」
「もうすぐで止まると思います」
ボクの質問にそれだけ答えて、スズエさんはもう一度もぐる。数分後、本当にギリギリのところで水が抜けていくのが分かった。
足が着くと、スズエさんは少し苦しそうにしながら「すみません、手間取ってしまって……」と謝ってきた。
「だ、大丈夫だよ!ごめんね、一人でさせちゃって……」
ユミさんがスズエさんに近付く。少し顔色が悪そうだけど、大丈夫かな……?
水浸しになってしまったせいで服も濡れてしまった。
「寒いね……」
思わずつぶやいた言葉に、ラン君が「そうっすね……」と頷いた。
「え?そう?」
「寒くないよ?」
レイさんとユミさんが首を傾げる。
「おぬしらは人形だからじゃろ?」
「そうだねー」
ゴウさんとケイさんがそれに答えた。ボクはスズエさんと顔を見合わせた。
「スズ?どうした?」
それに気付いたらしいシルヤ君が聞いてくる。スズエさんは「あぁ……」と考え込んだ後、
「……何もないよ。気にしないで」
何も言わない方がいいと判断したようだ。シルヤ君は「えー……」を頬を膨らませる。
「そんな顔しても可愛いだけだぞ」
「むー……」
「二人は恋人なのー?」
スズエさんがシルヤ君をからかっていると、その様子を見ていたマイカさんが笑顔で聞いてくる。
「いえ、恋人じゃないですよ」
「そうっすよ。親友っす」
「えー?それにしては距離感も近いし仲いいじゃん!」
二人の答えにマイカさんはそう言うけど、二人はただ笑っているだけだった。
「お、リングじゃねーか」
タカシさんが笑顔を浮かべていると「油断してはいけないですよ」とレイさんがため息をついていた。
「で、でも、すごいね……」
「そうだねー!」
レントさんがキョロキョロと見ながら呟くと、マイカさんがニコニコしながら同意した。
その時、大きな音が聞こえてきた。
「……っ!?みんな、リング場に乗ってください!」
スズエさんがキナちゃんとフウ君、ナコちゃんのリング場に乗せながら指示を出す。ボク達が慌てて乗ると、スズエさんも登ろうとしていた。
「スズエさん、掴んで」
ボクが手を伸ばすと、スズエさんは掴んでくれた。引き上げると、思ったより軽くて驚いた。
「すみません、ユウヤさん」
「大丈夫だよ。それにしても、この音……」
ボクが聞こうとすると、扉が閉まった音が聞こえた。そして、水が溢れ出てきた。
「……っ!?これは……!?」
「このままいたら溺れ死ぬかもしれないですね……」
「そんな……どうしたらいいんですか……!?」
皆がパニックになっている中、スズエさんは一人いろいろな場所を調べていた。そして、ポールに触れると何かが出てきたらしい。
「……これを解いたら……」
「な、何か分かったのか?」
「うん。ポールを正しい色に付けたらいいらしいね。あぁ、そうだ。天井にあるものを取ってくれないか?」
シルヤ君に聞かれ、スズエさんは頷くと同時に指示を出す。シルヤ君が天井を見上げると、「うげっ、包丁がつけられてんじゃんか……」と明らかに戸惑った顔をした。
「包丁?……何かを切るのかな……?」
ボソッと言い、それよりと彼女はポールの謎を解きだした。解いたら仕掛けが止まると分かったからか、みんなある程度落ち着いた。
ボクも出来る限りの探索をしてみる。……ロープが柔らかいものと固いものがある。
「ねぇ、スズエさん」
「はい、なんです?」
ボクがスズエさんの報告すると、「……柔らかいロープを切ってください」と解きながら言った。
「それじゃあ、あれを取ろうかー」
ケイさんがロープを使って高く飛び、包丁を取る。
「私が切ってあげようかー?」
マイカさんが提案するとケイさんは警戒したようだけど、「早くしてください」とスズエさんに言われて渋々包丁を渡す。マイカさんはそのまま柔らかいロープを切った。
いつの間にか、水が腰にまで来ていた。スズエさんが必死に解いてくれていたけど間に合うだろうか……?
「……みんなは生き残ることだけを考えてください」
スズエさんが困ったように笑いながらボク達に言う。まさか、一人で解こうというのだろうか?
水かさがどんどん増えていく。やがて足がつかなくなってくるけど、スズエさんは大きく息を吸って一人謎を解いていった。
少しして、スズエさんが息継ぎのために上がる。
「あとどれぐらい?」
「もうすぐで止まると思います」
ボクの質問にそれだけ答えて、スズエさんはもう一度もぐる。数分後、本当にギリギリのところで水が抜けていくのが分かった。
足が着くと、スズエさんは少し苦しそうにしながら「すみません、手間取ってしまって……」と謝ってきた。
「だ、大丈夫だよ!ごめんね、一人でさせちゃって……」
ユミさんがスズエさんに近付く。少し顔色が悪そうだけど、大丈夫かな……?
水浸しになってしまったせいで服も濡れてしまった。
「寒いね……」
思わずつぶやいた言葉に、ラン君が「そうっすね……」と頷いた。
「え?そう?」
「寒くないよ?」
レイさんとユミさんが首を傾げる。
「おぬしらは人形だからじゃろ?」
「そうだねー」
ゴウさんとケイさんがそれに答えた。ボクはスズエさんと顔を見合わせた。
「スズ?どうした?」
それに気付いたらしいシルヤ君が聞いてくる。スズエさんは「あぁ……」と考え込んだ後、
「……何もないよ。気にしないで」
何も言わない方がいいと判断したようだ。シルヤ君は「えー……」を頬を膨らませる。
「そんな顔しても可愛いだけだぞ」
「むー……」
「二人は恋人なのー?」
スズエさんがシルヤ君をからかっていると、その様子を見ていたマイカさんが笑顔で聞いてくる。
「いえ、恋人じゃないですよ」
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「えー?それにしては距離感も近いし仲いいじゃん!」
二人の答えにマイカさんはそう言うけど、二人はただ笑っているだけだった。
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