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四章
少女の身体に残る痕
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リング場から出て歩いていると、スズエさんが少しフラフラしていることに気付いた。
「だ、大丈夫ですか?スズエさん……」
キナちゃんがおどおどしながら尋ねると「大丈夫だよ」と小さく笑う。そして、頭を撫でようとしていたけどその手が空をかいた。
「……っ!?スズエさん!?」
フラッとスズエさんの身体が倒れそうになり、慌てて抱える。エレンさんも近付き、彼女の額に手を当てて熱を測った。
「……熱いですね、少し無理をしていたんでしょう」
「ちょっと探索を中断しようかー。マミ、スズちゃんの着替えとか任せていいかい?」
「あぁ、分かった」
ケイさんに指示を出され、マミさんは頷く。ボクがスズエさんを抱えて部屋に向かった。
どうやらそれぞれペア同士で一つの部屋が準備されているらしい。ボクがスズエさん達の名前が書かれている部屋に入り、マミさんがバズタオルをベッドに敷く。その上にスズエさんの乗せ、マミさんに頭を下げて部屋から出る。
シルヤ君とラン君は部屋の外で待っていた。エレンさんが「シルヤ君」と声をかけ、ビクッと震えてしまう。
「な、なんすか?」
「少し話しませんか?」
そう聞かれ、シルヤ君は目を伏せながら頷く。ラン君が「多分、少し離れたぐらいじゃ首輪は発動しないから二人で話して来いよ」と言ってくれたおかげか、シルヤ君はエレンさんと少し離れたところで話をすることにしたようだ。
「みんなも、少し休もうかー」
ケイさんの言葉に頷き、それぞれ休憩に入った。
ハナさんやユミさんもマミさんを手伝うためか、部屋に入る。ボクとラン君、タカシさんはその間、ボーッとしているわけにもいかないから近くに何かないか探索する。
スズエの服を脱がせると、身体中にさらし?が巻かれていた。それを外していくと、酷いやけどの痕が見えてきた。
「……っ」
エレンが言っていたやけどの痕というのはこれのことか、と思いながら温めたタオルで身体を拭く。思ったより痩せていて驚いたのは内緒だ。
「マミさん、一人で大丈夫ですか……?」
必死に拭いていると、ハナとユミが部屋に入ってくる。丁度よかったと二人に「着替えがあったら持ってきてくれ」と頼んだ。
「分かりました!」
そう言って、二人で部屋中を見て回る。浴室に入ったところで「あ、ありました!」とハナが着替えを持ってきた。変に準備がよすぎないか……?
とはいえ、濡れた服を着せるわけにもいかない。ありがたくそれを使わせてもらった。
「……スズエさん、意外と痩せているんですね」
服を着せていると、ハナが呟いた。
改めて見ると、若干骨が浮き出ているところもありかなり痩せていることが分かる。腕なんて、どこにあんな力が秘められているのかと思うほど細かった。
「かなり不健康な生活を送っているのかも……」
ユミの言葉にあたしは頷く。かなり偏った生活をしていなければ、ここまで酷く痩せることなんてないだろう。痣こそないが、虐待をうけていたといわれてもおかしくない。
でも、スズエは話してくれないのだろう。他人の心には簡単に入り込むのに、自分の心の中には絶対に踏み込ませてくれない。
――でも、たまには頼ってくれよ……。
「だ、大丈夫ですか?スズエさん……」
キナちゃんがおどおどしながら尋ねると「大丈夫だよ」と小さく笑う。そして、頭を撫でようとしていたけどその手が空をかいた。
「……っ!?スズエさん!?」
フラッとスズエさんの身体が倒れそうになり、慌てて抱える。エレンさんも近付き、彼女の額に手を当てて熱を測った。
「……熱いですね、少し無理をしていたんでしょう」
「ちょっと探索を中断しようかー。マミ、スズちゃんの着替えとか任せていいかい?」
「あぁ、分かった」
ケイさんに指示を出され、マミさんは頷く。ボクがスズエさんを抱えて部屋に向かった。
どうやらそれぞれペア同士で一つの部屋が準備されているらしい。ボクがスズエさん達の名前が書かれている部屋に入り、マミさんがバズタオルをベッドに敷く。その上にスズエさんの乗せ、マミさんに頭を下げて部屋から出る。
シルヤ君とラン君は部屋の外で待っていた。エレンさんが「シルヤ君」と声をかけ、ビクッと震えてしまう。
「な、なんすか?」
「少し話しませんか?」
そう聞かれ、シルヤ君は目を伏せながら頷く。ラン君が「多分、少し離れたぐらいじゃ首輪は発動しないから二人で話して来いよ」と言ってくれたおかげか、シルヤ君はエレンさんと少し離れたところで話をすることにしたようだ。
「みんなも、少し休もうかー」
ケイさんの言葉に頷き、それぞれ休憩に入った。
ハナさんやユミさんもマミさんを手伝うためか、部屋に入る。ボクとラン君、タカシさんはその間、ボーッとしているわけにもいかないから近くに何かないか探索する。
スズエの服を脱がせると、身体中にさらし?が巻かれていた。それを外していくと、酷いやけどの痕が見えてきた。
「……っ」
エレンが言っていたやけどの痕というのはこれのことか、と思いながら温めたタオルで身体を拭く。思ったより痩せていて驚いたのは内緒だ。
「マミさん、一人で大丈夫ですか……?」
必死に拭いていると、ハナとユミが部屋に入ってくる。丁度よかったと二人に「着替えがあったら持ってきてくれ」と頼んだ。
「分かりました!」
そう言って、二人で部屋中を見て回る。浴室に入ったところで「あ、ありました!」とハナが着替えを持ってきた。変に準備がよすぎないか……?
とはいえ、濡れた服を着せるわけにもいかない。ありがたくそれを使わせてもらった。
「……スズエさん、意外と痩せているんですね」
服を着せていると、ハナが呟いた。
改めて見ると、若干骨が浮き出ているところもありかなり痩せていることが分かる。腕なんて、どこにあんな力が秘められているのかと思うほど細かった。
「かなり不健康な生活を送っているのかも……」
ユミの言葉にあたしは頷く。かなり偏った生活をしていなければ、ここまで酷く痩せることなんてないだろう。痣こそないが、虐待をうけていたといわれてもおかしくない。
でも、スズエは話してくれないのだろう。他人の心には簡単に入り込むのに、自分の心の中には絶対に踏み込ませてくれない。
――でも、たまには頼ってくれよ……。
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