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エピローグ
脱出
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「あの、結局誰なんですか?」
ユミさんがユキナさんに尋ねると、彼女は小さく笑って「スズエのカウンセリングの先生だよ」と笑う。
「昔、スズエの祖父母やおじが亡くなった時に担当になってね。その時の縁で仲良くしているんだ」
「え、でもかなり若く見えますけど……」
レイさんがジッとユキナさんを見る。確かに、カウンセリングの仕事をしているにしては若すぎる気がする。
「こう見えてかなり長生きなんですよ、ユキナさん。龍神の血を引いているんでしたよね」
スズエさんの言葉にあぁ、なるほど……と納得してしまう。普通なら信じられない話だけど、ボク自身も妖狐の血を引いているし異世界というものがあるぐらいなのだ。龍神が存在していてもおかしくないだろう。
「うん、そうだよ。こう見えて平安時代ぐらいから生きてるし。祈療姫とも知り合いだったんだよ」
ユキナさんもクスクスと笑っている。そんな昔から……と思っていると、
「アイト君も元気そうだね」
「久しぶりー!……まさか本当に来てくれるとは思ってなかったよ」
「アトーンメント……スズエの依頼とあればすぐに駆け付けるよ。まぁ場所特定に時間かかっちゃったけどね」
アトーンメント、と聞いてユミさんが「え、アトーンメントって……あの、情報屋の?」と目を丸くした。
「ん?どこかで会ったことありました?」
「う、うん……その……母親の身体が弱くて……それで……」
「……あぁ、数年前の、あの高校生か」
心当たりがあったのか、スズエさんはそう呟いた。そして、
「母親の調子はどう?よければまた手伝ってほしいことがあるのだけど」
そう、ユミさんを誘った。彼女は目を丸くした後、「でも……」と寂しげな表情をした。
「……大丈夫、手首を確認してごらん?」
しかし、スズエさんは小さく微笑んでそう告げた。キョトンとした後、彼女はハッと手首で脈を確認し始めた。
「……うご、いてる……?」
「ユキナさんが来た時に、ね」
その言葉に、ほかの人形達も慌てて確認した。
「……本当だ……」
レイさんが呟く。あぁ、だから時間稼ぎをしたかったのか。
「本当に……ごめんね、スズエさん。君に全部任せちゃって」
「別にいいよ。一階から動けたのが私とシルヤだけだったし」
アイトが申し訳なさそうに謝っていると、スズエさんは頭を掻きながらため息をついた。
「そっちこそ、ルイスマ達を縛っててくれていたんでしょ?」
「うん。ボクの得意分野だしね、ナシカミも壊せたし!」
「ドヤ顔するところじゃない。そんなんだからサイコパスって言われるんだぞ」
アイトのその言葉にスズエさんが苦笑する。「あぁ、あの三人ね」とユキナさんが口をはさんだ。
「シナムキさん?以外の二人は絶対に出さないようにするから安心して」
「……ユキナさんも怖いですよね……」
怒らせないようにしよう……。
ユキナさんに連れられ、全員で脱出しようと歩き出す。ボクとスズエさんが後ろからついてくると、彼女に服を掴まれた。
「……スズエさん?どうしたの?」
「……あの、ユウヤさん」
ボクが振り返ると、彼女は頬を染めながら小さな声で言葉を紡いだ。
「……信じて、助けようとしてくれてありがとう……」
その言葉に、ボクはその小さな手を優しく握る。
「……ボクは何も出来なかったよ。ボクの方こそありがとう」
そのまま、ボクは彼女の手を引いて出口まで向かった。
ユミさんがユキナさんに尋ねると、彼女は小さく笑って「スズエのカウンセリングの先生だよ」と笑う。
「昔、スズエの祖父母やおじが亡くなった時に担当になってね。その時の縁で仲良くしているんだ」
「え、でもかなり若く見えますけど……」
レイさんがジッとユキナさんを見る。確かに、カウンセリングの仕事をしているにしては若すぎる気がする。
「こう見えてかなり長生きなんですよ、ユキナさん。龍神の血を引いているんでしたよね」
スズエさんの言葉にあぁ、なるほど……と納得してしまう。普通なら信じられない話だけど、ボク自身も妖狐の血を引いているし異世界というものがあるぐらいなのだ。龍神が存在していてもおかしくないだろう。
「うん、そうだよ。こう見えて平安時代ぐらいから生きてるし。祈療姫とも知り合いだったんだよ」
ユキナさんもクスクスと笑っている。そんな昔から……と思っていると、
「アイト君も元気そうだね」
「久しぶりー!……まさか本当に来てくれるとは思ってなかったよ」
「アトーンメント……スズエの依頼とあればすぐに駆け付けるよ。まぁ場所特定に時間かかっちゃったけどね」
アトーンメント、と聞いてユミさんが「え、アトーンメントって……あの、情報屋の?」と目を丸くした。
「ん?どこかで会ったことありました?」
「う、うん……その……母親の身体が弱くて……それで……」
「……あぁ、数年前の、あの高校生か」
心当たりがあったのか、スズエさんはそう呟いた。そして、
「母親の調子はどう?よければまた手伝ってほしいことがあるのだけど」
そう、ユミさんを誘った。彼女は目を丸くした後、「でも……」と寂しげな表情をした。
「……大丈夫、手首を確認してごらん?」
しかし、スズエさんは小さく微笑んでそう告げた。キョトンとした後、彼女はハッと手首で脈を確認し始めた。
「……うご、いてる……?」
「ユキナさんが来た時に、ね」
その言葉に、ほかの人形達も慌てて確認した。
「……本当だ……」
レイさんが呟く。あぁ、だから時間稼ぎをしたかったのか。
「本当に……ごめんね、スズエさん。君に全部任せちゃって」
「別にいいよ。一階から動けたのが私とシルヤだけだったし」
アイトが申し訳なさそうに謝っていると、スズエさんは頭を掻きながらため息をついた。
「そっちこそ、ルイスマ達を縛っててくれていたんでしょ?」
「うん。ボクの得意分野だしね、ナシカミも壊せたし!」
「ドヤ顔するところじゃない。そんなんだからサイコパスって言われるんだぞ」
アイトのその言葉にスズエさんが苦笑する。「あぁ、あの三人ね」とユキナさんが口をはさんだ。
「シナムキさん?以外の二人は絶対に出さないようにするから安心して」
「……ユキナさんも怖いですよね……」
怒らせないようにしよう……。
ユキナさんに連れられ、全員で脱出しようと歩き出す。ボクとスズエさんが後ろからついてくると、彼女に服を掴まれた。
「……スズエさん?どうしたの?」
「……あの、ユウヤさん」
ボクが振り返ると、彼女は頬を染めながら小さな声で言葉を紡いだ。
「……信じて、助けようとしてくれてありがとう……」
その言葉に、ボクはその小さな手を優しく握る。
「……ボクは何も出来なかったよ。ボクの方こそありがとう」
そのまま、ボクは彼女の手を引いて出口まで向かった。
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