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追放少女と兵士
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ダンジョンの入口。
凪咲たちが床ごと崩落し、混乱が広がる中、残った冒険者たちは即座に動き出していた。
「穴を塞げ! 奴らを通すな!!」
指揮を執る王国軍の隊長が怒声を飛ばす。
軍服を着た兵士たちが急ぎ瓦礫を集め、崩れた床を応急で塞ぎ始める。
それは決して完璧なものではなかった。
だが、わずかな間でも時間を稼げれば、それだけ防衛線は保たれる。
「石材持ってこい! 砂袋もだ!」
若い兵士が仲間と共に力任せに岩を積み上げ、
年配の兵士が崩れないように縄で補強していく。
額に汗を滲ませながら、誰もが震える手を止めなかった。
ダンジョンの入口からは、次々とモンスターたちが姿を現した。
ゴブリン、オーガ、スケルトン、闇狼。
雑多な軍勢が、洪水のように押し寄せてくる。
「下がるな! ここを越えられたら終わりだ!」
剣を持った騎士が叫び、背中合わせになった冒険者たちが、それぞれ武器を構える。
普段はギルドの片隅で酔い潰れていた斧使い。
小さな薬草屋の娘だった短剣使い。
どこかの村からやってきたばかりの若き弓手。
名もなき彼らが、今は同じ目的で刃を振るっていた。
「おらぁああ!!」
無骨な槍兵が、突進してきたオーガを串刺しにする。
「こっちは任せろ!」
双剣を手にした男が、素早くゴブリンたちの群れを切り裂く。
一人一人の力は小さかった。
それでも、必死に食らいつき、押し返し、何度倒れても立ち上がった。
「前衛を押し上げろ!弓兵、支援だ!!」
軍隊の副官が怒鳴り、弓兵たちが矢をつがえ、一斉に放つ。
無数の矢が空を覆い、モンスターの群れに雨のように降り注ぐ。
槍兵たちは一歩も引かず、体を張って防壁を築いた。
盾持ちたちは隊列を固め、たとえ一撃で倒れようとも、後ろの仲間に隙を作らせなかった。
それは、見栄えのする華やかな戦いではなかった。
泥と血にまみれ、必死で、ただ生きるために、守るために戦う。
無名の英雄たちの戦いだった。
「絶対に……絶対に、ここは通さない!!」
名も知らぬ若い剣士が、叫びながらゴブリンと組み合い、
倒れそうになりながらも、片腕を斬り落とし、なお立ち向かう。
「俺たちの街だ! ここで終わってたまるか!」
仲間の手を引き起こし、もう一度前に進む者たち。
誰も、英雄ではない。
だが、この場では、誰もが英雄だった。
ダンジョンの入り口は、まだかろうじて持ちこたえていた。
だが、押し寄せる波は止まらない。
そして、その裏で――
深層に落ちた凪咲たちもまた、運命の戦いに巻き込まれていく。
凪咲たちが床ごと崩落し、混乱が広がる中、残った冒険者たちは即座に動き出していた。
「穴を塞げ! 奴らを通すな!!」
指揮を執る王国軍の隊長が怒声を飛ばす。
軍服を着た兵士たちが急ぎ瓦礫を集め、崩れた床を応急で塞ぎ始める。
それは決して完璧なものではなかった。
だが、わずかな間でも時間を稼げれば、それだけ防衛線は保たれる。
「石材持ってこい! 砂袋もだ!」
若い兵士が仲間と共に力任せに岩を積み上げ、
年配の兵士が崩れないように縄で補強していく。
額に汗を滲ませながら、誰もが震える手を止めなかった。
ダンジョンの入口からは、次々とモンスターたちが姿を現した。
ゴブリン、オーガ、スケルトン、闇狼。
雑多な軍勢が、洪水のように押し寄せてくる。
「下がるな! ここを越えられたら終わりだ!」
剣を持った騎士が叫び、背中合わせになった冒険者たちが、それぞれ武器を構える。
普段はギルドの片隅で酔い潰れていた斧使い。
小さな薬草屋の娘だった短剣使い。
どこかの村からやってきたばかりの若き弓手。
名もなき彼らが、今は同じ目的で刃を振るっていた。
「おらぁああ!!」
無骨な槍兵が、突進してきたオーガを串刺しにする。
「こっちは任せろ!」
双剣を手にした男が、素早くゴブリンたちの群れを切り裂く。
一人一人の力は小さかった。
それでも、必死に食らいつき、押し返し、何度倒れても立ち上がった。
「前衛を押し上げろ!弓兵、支援だ!!」
軍隊の副官が怒鳴り、弓兵たちが矢をつがえ、一斉に放つ。
無数の矢が空を覆い、モンスターの群れに雨のように降り注ぐ。
槍兵たちは一歩も引かず、体を張って防壁を築いた。
盾持ちたちは隊列を固め、たとえ一撃で倒れようとも、後ろの仲間に隙を作らせなかった。
それは、見栄えのする華やかな戦いではなかった。
泥と血にまみれ、必死で、ただ生きるために、守るために戦う。
無名の英雄たちの戦いだった。
「絶対に……絶対に、ここは通さない!!」
名も知らぬ若い剣士が、叫びながらゴブリンと組み合い、
倒れそうになりながらも、片腕を斬り落とし、なお立ち向かう。
「俺たちの街だ! ここで終わってたまるか!」
仲間の手を引き起こし、もう一度前に進む者たち。
誰も、英雄ではない。
だが、この場では、誰もが英雄だった。
ダンジョンの入り口は、まだかろうじて持ちこたえていた。
だが、押し寄せる波は止まらない。
そして、その裏で――
深層に落ちた凪咲たちもまた、運命の戦いに巻き込まれていく。
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