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4 メンチカツと化け猫
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冬の夜は早い。練習を切り上げる時、それだけは少し真冬体育祭がありがたかった。木の輪郭がにじむ程度まで練習したのだから文句を言われる筋合いはないだろう。
「もういいか。帰ろうか翼人間」
「うん」
すっかり赤くなった額とか頬とかを撫でながら、嬉しそうにうなずく水内。街灯の灯りに照らされるその顔をみて、さすがに少し工藤も後味が悪い。真性のドSであることが確定済みの斉田とはちょっと違う。
帰りも工藤は水内と同じバスに乗る。方向が同じだから当然だが、わざと離れるのも感じ悪いので工藤は水内と並んで歩く。空は暗いが高校前の商店街は夕食前で人通りは多い。すたすた足早に歩く工藤より、水内は常に遅れていた。羽が人に当たらないようにしているせいだが、それでもどんくさいやつだと工藤は思ってしまう。
「ちょ、ちょっと待ってよ工藤君!」
必死な叫びが背中に聞こえる。やっぱりどんくさい。バス停まで飛んで先回りするなり何なり、方法はあるじゃないか。
「先行ってるぞ」
振り向きもせずに背中越しにそう言って、むしろ足を速めてバス停に向かう。
「う、うん!」
天狗の返事が聞こえた頃には工藤は携帯をいじっている。
体育祭の練習で少し遅くなります。簡単にそれだけ母親にメールする。工藤家は母親と二人っきりなので、なるべく心配かけたくない。工藤の母親は心配性だ。門限がある訳じゃないが、夜七時が我慢して待てるリミットらしく、それを過ぎたら一分もしないうちに必ず電話が鳴る。
送信してすぐに「待ってるから買い食いしちゃダメだぞ(*^_^*)」と返信がある。歳を考えろと。
工藤がげんなりしているうちに、天狗が空からやって来た。
「遅いぞ」
「ごめんね」
水内は買い物袋を抱えていて、なんだかいい匂いまでする。
「買い出ししてたのか」
「うん。ごめんね待たせちゃって」
「いや。別にいいけどな」
急いで買い物したのだろう、水内の額には汗が光っている。さすがに工藤も一人暮らしのやつの食糧調達にまで文句をつける気はない。
「はい、これ」
天狗がいいにおいのするものを差し出してくる。小さな紙袋に入った温かそうな茶色の塊。
「う……コロッケか」
「メンチカツ。練習でお腹すいたから」
どうぞ、と差し出す天狗はちゃんと自分用と二個持っていた。揚げ物の暴力的に食欲を刺激する香りときつね色の衣。油を吸った紙袋さえ美味そうだ。
「いや……家帰ったら夕食あるし」
確かに腹は減っていたが、練習中工藤は単に見ていただけだ。ずっと飛んだり張り付いたりしてた水内の方がずっと空腹なはずだし、そんな水内から食いものをおごってもらうのは工藤としてはあり得ない。嫌味かとさえ思う。
「そっか。そうだね。ごめん」
水内はあからさまにしょげて、メンチカツを袋に戻す。
「謝ることはないけど。食えばいいじゃないか」
「ううん。いいよ」
肩を落とす水内。それにまたかっと来る。何だこいつ。俺がこんなに嫌っているのに。
「いいから食えよ。ずっと隣で匂いされててもつらいだろ」
「あ、うん。本当にごめん」
結局バスが来るまでに、泣きそうな顔で水内はメンチカツを食べた。
帰りのバスで、工藤と水内はほとんど会話せずに座っていた。特に天狗は羽を潰さないように窮屈な座り方をしている。
工藤は車外の夜道を見るともなく見ている。この時間すでに住山方面の山道は驚くほど暗く、車内の灯りを反射する窓からは外はほとんど見えない。隣の天狗の景気の悪い顔が時折写り込む。
「ねえ、工藤君」
何か言っている。聞こえない聞こえない。俺は疲れているんだ、と工藤は無視を決め込む。
「工藤君、もしかしてさ。何か僕に怒ってる?」
そういう天狗の不安そうな目。曇った路線バスの窓ガラス越しに目が合って、工藤は思わず真顔になった。
工藤を友達と信じて疑わない目。友達を怒らせたんじゃないかと不安に震える目。
適当にごまかすには鬱陶しすぎる目。
「いや。あのな」わざとらしい咳払いをして工藤は天狗の方に向き直る。ぴくっと背筋を伸ばす水内。
「うん。僕、いろいろ変なこと言ってみんなを怒らせちゃったりしてるからさ。何か。工藤君も」
「お前に怒ってるとかじゃなくて。俺さ。天狗苦手なんだよ。ずっと小さなころから」初めて、正直に水内にそれを言う。思ってもみなかったことを聞いたように天狗が目を見開く。
「………工藤君も、怪異嫌い?」
「ほら、俺さ。親父がいないだろ」
「……うん。知ってる」
「それでさ、ずっと前。本当に幼稚園とかそのくらいの頃な。母さんに聞いたんだよ、なんで親父いないんだ的なことをな。そしたら、言うんだよ。お父さんは化け猫にさらわれちゃったのよ、って」
「えっ、化け猫!? 本当に化け猫が人をさらうの?」
怯えたように言う水内。アホかこいつは。
「なわけないだろ。キャバクラで働いてる化け猫だよ。母さんが適当言っただけだってのは。子供には聞かせられないってんで、妖怪使っただけだろうけど」
それにしても浮気女への憎しみがにじんでるけどな。いい歳してどうかと思う、あの性格。当時は今よりは若かったとはいえ、それでもどうかと思う。
実際は単にバカ父は逃げたんだろう。いろんなものを、めんどくさいものを、鬱陶しいものを捨てて。それは母さんにしてみたらあるいは本当に妖怪にさらわれたようなものに見えたんだろう。だから、全部妖怪のせいにして。当時はまさかそんなものが実在するとは思わなかったから。
「俺はバカバカしいことだけど、半分信じたんだよ。後半分は諦めたんだけど。それで、本当に何年か俺は妖怪を憎んで暮らしたんだ。悪いのは全部妖怪のせいだ、母さんが夜遅くまで働かなきゃいけないのも、うちが生活厳しいのも、全部妖怪のせいだって。俺がいずれ大きくなったら妖怪ハンターになろうとしてたんだよ。面白いだろ?海外ドラマのスーパーナチュラルみたいな感じで、俺が化け猫も鬼も天狗もぶっ倒してそれでみんなうまくいくんだって」
バカらしいし間が抜けている。今ではそう思う。それでも、山に行って妖怪を倒して、顔さえ覚えてない父親を取り戻す、そう小学校低学年くらいまでの何年か本気で工藤は信じていた。人生の最初の何年かを工藤は妖怪を憎むことで乗り切った。悪いことはすべて妖怪のせいにした。天狗も嫌いだった。山伏の格好をして赤い顔に長い鼻の化け物の絵が神社にかかっていた。あれにバカってクレヨンで書いたのは私です。本当にすみませんでした。
そう言ったことを、バスに揺られながら工藤は思い出した。その当時は思わなかった。天狗のクラスメートができるなんて。
「だから、俺は妖怪が嫌いだ。なんとなく嫌いなんだ。身体にしみついてる。これは全部俺の責任で、お前のせいじゃない。ただどうしてもな」
そうとだけ、工藤は言った。どうしても何なのか、妖怪、今でいう怪異が怖いのか憎いのか、今となっては工藤にもよくわからない。ただ間違いなく、工藤にとって天狗は友達ではない。一緒に体育祭の練習をしても楽しくないし、メンチカツを貰ったりするような間ではない。そう言ったものにはなれないのだ。
「だから、悪いのは俺だ。俺が変な偏見を持ってて、それはどうしても消せない。それだけなんだ。だから気にしないでくれ」
「工藤君」
「悪い」
他になんと言えばいい。理由のない拒絶、理不尽な嫌悪感。差別と言うなら立派な差別。それでも、どうしようもない。自覚しても、自分の偏見に苛立っても、それでもどうしようもない。
工藤はもう窓も見ないで目を閉じた。バスに揺られ、隣の天狗が震えているのを感じながら。
全て面倒で鬱陶しい。
バス停に着くまで、人間と天狗は一言も会話しなかった。
「もういいか。帰ろうか翼人間」
「うん」
すっかり赤くなった額とか頬とかを撫でながら、嬉しそうにうなずく水内。街灯の灯りに照らされるその顔をみて、さすがに少し工藤も後味が悪い。真性のドSであることが確定済みの斉田とはちょっと違う。
帰りも工藤は水内と同じバスに乗る。方向が同じだから当然だが、わざと離れるのも感じ悪いので工藤は水内と並んで歩く。空は暗いが高校前の商店街は夕食前で人通りは多い。すたすた足早に歩く工藤より、水内は常に遅れていた。羽が人に当たらないようにしているせいだが、それでもどんくさいやつだと工藤は思ってしまう。
「ちょ、ちょっと待ってよ工藤君!」
必死な叫びが背中に聞こえる。やっぱりどんくさい。バス停まで飛んで先回りするなり何なり、方法はあるじゃないか。
「先行ってるぞ」
振り向きもせずに背中越しにそう言って、むしろ足を速めてバス停に向かう。
「う、うん!」
天狗の返事が聞こえた頃には工藤は携帯をいじっている。
体育祭の練習で少し遅くなります。簡単にそれだけ母親にメールする。工藤家は母親と二人っきりなので、なるべく心配かけたくない。工藤の母親は心配性だ。門限がある訳じゃないが、夜七時が我慢して待てるリミットらしく、それを過ぎたら一分もしないうちに必ず電話が鳴る。
送信してすぐに「待ってるから買い食いしちゃダメだぞ(*^_^*)」と返信がある。歳を考えろと。
工藤がげんなりしているうちに、天狗が空からやって来た。
「遅いぞ」
「ごめんね」
水内は買い物袋を抱えていて、なんだかいい匂いまでする。
「買い出ししてたのか」
「うん。ごめんね待たせちゃって」
「いや。別にいいけどな」
急いで買い物したのだろう、水内の額には汗が光っている。さすがに工藤も一人暮らしのやつの食糧調達にまで文句をつける気はない。
「はい、これ」
天狗がいいにおいのするものを差し出してくる。小さな紙袋に入った温かそうな茶色の塊。
「う……コロッケか」
「メンチカツ。練習でお腹すいたから」
どうぞ、と差し出す天狗はちゃんと自分用と二個持っていた。揚げ物の暴力的に食欲を刺激する香りときつね色の衣。油を吸った紙袋さえ美味そうだ。
「いや……家帰ったら夕食あるし」
確かに腹は減っていたが、練習中工藤は単に見ていただけだ。ずっと飛んだり張り付いたりしてた水内の方がずっと空腹なはずだし、そんな水内から食いものをおごってもらうのは工藤としてはあり得ない。嫌味かとさえ思う。
「そっか。そうだね。ごめん」
水内はあからさまにしょげて、メンチカツを袋に戻す。
「謝ることはないけど。食えばいいじゃないか」
「ううん。いいよ」
肩を落とす水内。それにまたかっと来る。何だこいつ。俺がこんなに嫌っているのに。
「いいから食えよ。ずっと隣で匂いされててもつらいだろ」
「あ、うん。本当にごめん」
結局バスが来るまでに、泣きそうな顔で水内はメンチカツを食べた。
帰りのバスで、工藤と水内はほとんど会話せずに座っていた。特に天狗は羽を潰さないように窮屈な座り方をしている。
工藤は車外の夜道を見るともなく見ている。この時間すでに住山方面の山道は驚くほど暗く、車内の灯りを反射する窓からは外はほとんど見えない。隣の天狗の景気の悪い顔が時折写り込む。
「ねえ、工藤君」
何か言っている。聞こえない聞こえない。俺は疲れているんだ、と工藤は無視を決め込む。
「工藤君、もしかしてさ。何か僕に怒ってる?」
そういう天狗の不安そうな目。曇った路線バスの窓ガラス越しに目が合って、工藤は思わず真顔になった。
工藤を友達と信じて疑わない目。友達を怒らせたんじゃないかと不安に震える目。
適当にごまかすには鬱陶しすぎる目。
「いや。あのな」わざとらしい咳払いをして工藤は天狗の方に向き直る。ぴくっと背筋を伸ばす水内。
「うん。僕、いろいろ変なこと言ってみんなを怒らせちゃったりしてるからさ。何か。工藤君も」
「お前に怒ってるとかじゃなくて。俺さ。天狗苦手なんだよ。ずっと小さなころから」初めて、正直に水内にそれを言う。思ってもみなかったことを聞いたように天狗が目を見開く。
「………工藤君も、怪異嫌い?」
「ほら、俺さ。親父がいないだろ」
「……うん。知ってる」
「それでさ、ずっと前。本当に幼稚園とかそのくらいの頃な。母さんに聞いたんだよ、なんで親父いないんだ的なことをな。そしたら、言うんだよ。お父さんは化け猫にさらわれちゃったのよ、って」
「えっ、化け猫!? 本当に化け猫が人をさらうの?」
怯えたように言う水内。アホかこいつは。
「なわけないだろ。キャバクラで働いてる化け猫だよ。母さんが適当言っただけだってのは。子供には聞かせられないってんで、妖怪使っただけだろうけど」
それにしても浮気女への憎しみがにじんでるけどな。いい歳してどうかと思う、あの性格。当時は今よりは若かったとはいえ、それでもどうかと思う。
実際は単にバカ父は逃げたんだろう。いろんなものを、めんどくさいものを、鬱陶しいものを捨てて。それは母さんにしてみたらあるいは本当に妖怪にさらわれたようなものに見えたんだろう。だから、全部妖怪のせいにして。当時はまさかそんなものが実在するとは思わなかったから。
「俺はバカバカしいことだけど、半分信じたんだよ。後半分は諦めたんだけど。それで、本当に何年か俺は妖怪を憎んで暮らしたんだ。悪いのは全部妖怪のせいだ、母さんが夜遅くまで働かなきゃいけないのも、うちが生活厳しいのも、全部妖怪のせいだって。俺がいずれ大きくなったら妖怪ハンターになろうとしてたんだよ。面白いだろ?海外ドラマのスーパーナチュラルみたいな感じで、俺が化け猫も鬼も天狗もぶっ倒してそれでみんなうまくいくんだって」
バカらしいし間が抜けている。今ではそう思う。それでも、山に行って妖怪を倒して、顔さえ覚えてない父親を取り戻す、そう小学校低学年くらいまでの何年か本気で工藤は信じていた。人生の最初の何年かを工藤は妖怪を憎むことで乗り切った。悪いことはすべて妖怪のせいにした。天狗も嫌いだった。山伏の格好をして赤い顔に長い鼻の化け物の絵が神社にかかっていた。あれにバカってクレヨンで書いたのは私です。本当にすみませんでした。
そう言ったことを、バスに揺られながら工藤は思い出した。その当時は思わなかった。天狗のクラスメートができるなんて。
「だから、俺は妖怪が嫌いだ。なんとなく嫌いなんだ。身体にしみついてる。これは全部俺の責任で、お前のせいじゃない。ただどうしてもな」
そうとだけ、工藤は言った。どうしても何なのか、妖怪、今でいう怪異が怖いのか憎いのか、今となっては工藤にもよくわからない。ただ間違いなく、工藤にとって天狗は友達ではない。一緒に体育祭の練習をしても楽しくないし、メンチカツを貰ったりするような間ではない。そう言ったものにはなれないのだ。
「だから、悪いのは俺だ。俺が変な偏見を持ってて、それはどうしても消せない。それだけなんだ。だから気にしないでくれ」
「工藤君」
「悪い」
他になんと言えばいい。理由のない拒絶、理不尽な嫌悪感。差別と言うなら立派な差別。それでも、どうしようもない。自覚しても、自分の偏見に苛立っても、それでもどうしようもない。
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