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―レッド・ブラットの兄妹編―
明るい未来を想像して
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3人は校長室を後にすると、1階のホールへと向かった。エレベーター等はなく、階段のみ。故に疲れるのだが、移動術を使える生徒はこっそりと使っていたりする。
ミア達は変わらない懐かしい学校内を見たかった為、素直に階段を降りて行く。
外は明るい煉瓦だが、中は黒に近い煉瓦造りになっており、落ち着いた雰囲気だ。ミアはこの落ち着いた雰囲気がとても、好きだった。この雰囲気の中で多くの生徒が騒がしく走り回ったり、お喋りしたりと賑わう時間が特に好きではあった。
円形の丸みを帯びたホールの天井付近はオキザリスの花が可愛らしく描かれた、ステンドガラスが1週する様に装飾されており光が射し込む。
「あ! ギルさーん!」
黒色のスカートを翻したマリアはギルに笑顔で駆け寄る。マリアのネクタイは黒と白のチェック柄のネクタイに、赤色でハートマークが描かれていた。
ギルは小さく笑みを浮かべると自身もハートのクラスだった為すぐに分かった。
「マリアちゃん、ハートクラスになったんだね。俺と一緒だ」
「え! 本当!? やったあ、嬉しい!」
全身で喜びを表すマリアの飛び跳ねる姿はとても可愛らしく、3人共優しく微笑むとビルが此方に歩いてくる。
「あら、ビルはスペードなのね。私とエミリアと同じだわ」
ビルのネクタイは黒と青のチェック柄に黒色のスペードマークが描かれていた。懐かしいネクタイにミアは笑うと、ビルは少し恥ずかしそうに目線を逸らす。
「……マリアとクラス外れたのはつまんねえけど、俺はミアみたいに強くなりてえ」
「大丈夫よ、ビルは強くなれるわ。……その為には多くを学ぶのよ。知らなくて幸せな事も沢山あるけど、知らなければ強くなれない事だって沢山あるの。無知は時に罪になってしまうから」
ミアはビルに話しながら大きな窓の淵に手を乗せた。助けたいと願っても、何も知らなければ助けれれない。それはミアが経験して感じた事だ。
今のように杖を使わず魔法を唱えれる力があれば、両親を助けれたかもしれないと未だに思う。だが、悔やんでも仕方が無い。もう二度と、戻る事は無いのだから。
ミアはビル達に振り向くと悪戯な笑みを浮かべながらギルに向かって、指を指してやる。
後から聞けばギルは魔法薬が分からず慌てていた、と聞きそこまで苦手だったのかと頭を抱えそうになった。確かに、本人からは苦手だとは聞いていたがここまでとは思っていなかった。
マリアが居なければ確実に死んでいたと、少し背筋が凍ってしまう。
「無知だとそこのお兄さんみたいになっちゃうからねえ?」
「あ~、ミアちゃんそうやって意地悪言うんだ~。酷いなあ」
「あのねえ、自称弟子やってるなら魔法薬くらい分かる様になりなさいよ! もう! 帰ったらしっかり叩き込んであげるわ」
「師匠ってば優しい~」
「調子に乗るな!」
2人の姿にエミリアとビルは小さく笑みを浮かべていたものの、マリアは真剣な表情で2人を見つめて口を開く。幼い顔は、誰が見ても真剣で、乙女の顔だった。
「ミアお姉ちゃんとギルさんは、付き合ってるの?」
問われたミアは驚きのあまり固まってしまった。付き合っている、そんな事は暫く経験していない。死の使いが恋人になってしまっている、ミアにとっては好きな人すら居ないのだ。
「ん~、俺はミアちゃんの弟子だよ?」
「弟子でもないわよ! マリアちゃん、私はギルと付き合ってないわ」
ミアの言葉にマリアは小さく笑うと、安心したように2人を見た。
「そっかあ! 良かった!」
そんな様子を見ていたエミリアは腕を組み何故か、頷いていた。
「いや~、今時の子は凄いねえ~。積極的! あたしも見習わなきゃ」
「いや、そこ見習うとこじゃねえだろ……」
ビルは苦笑いを浮かべていた。何を言っているのだろうか、自分よりも歳上な筈なのに抜けていると驚くエミリアを見つめていた。
「でもね、私ミアお姉ちゃんみたいになるの! 強くてカッコ良い大人のお姉さんに!」
「……あら、嬉しい事言ってくれるのね」
大きな瞳を輝かせて此方を見てくるマリアに照れ臭そうに、歯を見せて笑うとマリアの頭を優しく撫でた。
とても素直で、可愛らしい後輩にこれからの学校生活を思う存分に楽しんで欲しいと心から願う。
ミアはビルに目を向けると笑みを浮かべては、ビルの頭も撫でる。
「これからの学校生活はビルが欲しかったものが必ず、手に入るわ。一生の付き合いになる友達が、ね?」
「……俺、ミアに手紙送っても良いか?」
「ええ、勿論よ。どんな風に過ごしてるか楽しみに待ってるわ」
ミアは笑みを浮かべると、再び窓の外へと目を向ける。
学校の周囲は透き通る様なエメラルドグリーンの海、授業で良く使う森は学校の裏側、大きなグラウンドに囲まれ自然豊かだ。きっと、ここでの生活はたった2人で孤独に暮らしてきた兄妹からしたら、とても楽しい所になるだろう。
笑みを浮かべたミアの耳に、懐かしい鐘の音が届く。
「授業が終わったみたいね。……さ、私達は帰るわよ」
「わーん! ビルくんもマリアちゃんも元気でね! 何かあったら言うんだよー!」
「じゃあね、ビルくんマリアちゃん」
3人は笑顔で手を振るとホールを出る為に出口へと歩き出せば、背後から元気な返事が聞こえてくる。3人はその元気な声に同時に微笑んだ。
「またなー!ミア、絶対手紙の返事送れよ!」
「ミアお姉ちゃんも、エミリアお姉ちゃんも、ギルさんもありがとう! また、会いに来てねー!」
「ほんと、可愛い後輩が出来ちゃったわね」
ミアは面白そうに笑うと、外に出た瞬間風に靡く髪を右手で抑えては晴れた空を見上げた。これからは当分雨の時期に入ってしまう。
此処に居ればどんな時でも明るくなれる場所でもある。沈んでも、引き上げてくれる人達が必ず居るのだ。雨の日ですら楽しめるだろう。
「や~、終わったねえ~」
「ねえ、エミリア忘れてる事無い?」
「え、何?」
「……もう、上に何て報告するつもりだったのよ。血は取られちゃったじゃない」
「あ! そ、そうだった……」
「しっかりしなさいよ……」
呆れた様に慌てた表情を見せるエミリアを見れば、深い溜息を吐いた。
今回の事件は無事解決した、と言う事では済まないのだ。血を奪われてしまったと言う事は恐らく不老不死の魔法薬を作れる条件が、揃ってしまったのだ。
きっとこの事を魔法政府が知れば大騒ぎになる。不老不死を無効に出来る魔法薬はまだ、開発されておらず色んな研究者が研究を重ねているが難しい様だ。
「不老不死の魔法薬が本当に出来たとしたら、ミアちゃんはどうするの? 敵わない相手になるけど」
ギルの言葉にミアは立ち止まると、振り向き学校を見上げた。唯一の希望はエリザベスに託した書物だと、ミアは考えていた。この危機を脱却出来るのは稀血だと。
ギルとエミリアは横目で目を合わせると、再びミアへと視線を向けた。
「……それでも、私は追いかけ続けるわよ。希望は必ずある筈だもの。よく言うでしょ? 諦めたらそこで試合終了だ、って」
ミアは2人に笑顔を向けると再び歩き出す。長い髪を揺らしたミアに続いて歩き出す2人は、小さく笑っていた。
ミアは何があっても諦める気は無かった。両親を殺した集団を、組織を死んででも追いかけ続けると決めたあの日から。
そして、今は大切なものが増えたとミアはギルを横目で見た。弟子とは認めてはいないが、それなりに信用しても良いのではないか、と。
ギル含め可愛い後輩も出来たミアは自分の大切な人達が、平和に楽しく暮らせる未来を望んだ。
「さ、帰ったらギルはお勉強よ」
「え~、今日お店休みだよ~? 寝させてよ~」
「まだお昼よ? 今日は1日勉強、分かった?」
「ミアちゃんの明日の朝食、俺作んないからね」
「え!? 待って!? 何、2人共同棲してるの!?」
「あ、ちょ、エミリア肩揺らさないでってば!」
「えー! こんなイケメンと暮らしてるの!? 羨ましい~! あたしも彼氏欲しいよぉ」
「いや、だから彼氏じゃないってば……」
「そうと決まれば、ミア! 合コン行くよ!」
「いやもう、誰か止めて……」
ミア達は変わらない懐かしい学校内を見たかった為、素直に階段を降りて行く。
外は明るい煉瓦だが、中は黒に近い煉瓦造りになっており、落ち着いた雰囲気だ。ミアはこの落ち着いた雰囲気がとても、好きだった。この雰囲気の中で多くの生徒が騒がしく走り回ったり、お喋りしたりと賑わう時間が特に好きではあった。
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「あ! ギルさーん!」
黒色のスカートを翻したマリアはギルに笑顔で駆け寄る。マリアのネクタイは黒と白のチェック柄のネクタイに、赤色でハートマークが描かれていた。
ギルは小さく笑みを浮かべると自身もハートのクラスだった為すぐに分かった。
「マリアちゃん、ハートクラスになったんだね。俺と一緒だ」
「え! 本当!? やったあ、嬉しい!」
全身で喜びを表すマリアの飛び跳ねる姿はとても可愛らしく、3人共優しく微笑むとビルが此方に歩いてくる。
「あら、ビルはスペードなのね。私とエミリアと同じだわ」
ビルのネクタイは黒と青のチェック柄に黒色のスペードマークが描かれていた。懐かしいネクタイにミアは笑うと、ビルは少し恥ずかしそうに目線を逸らす。
「……マリアとクラス外れたのはつまんねえけど、俺はミアみたいに強くなりてえ」
「大丈夫よ、ビルは強くなれるわ。……その為には多くを学ぶのよ。知らなくて幸せな事も沢山あるけど、知らなければ強くなれない事だって沢山あるの。無知は時に罪になってしまうから」
ミアはビルに話しながら大きな窓の淵に手を乗せた。助けたいと願っても、何も知らなければ助けれれない。それはミアが経験して感じた事だ。
今のように杖を使わず魔法を唱えれる力があれば、両親を助けれたかもしれないと未だに思う。だが、悔やんでも仕方が無い。もう二度と、戻る事は無いのだから。
ミアはビル達に振り向くと悪戯な笑みを浮かべながらギルに向かって、指を指してやる。
後から聞けばギルは魔法薬が分からず慌てていた、と聞きそこまで苦手だったのかと頭を抱えそうになった。確かに、本人からは苦手だとは聞いていたがここまでとは思っていなかった。
マリアが居なければ確実に死んでいたと、少し背筋が凍ってしまう。
「無知だとそこのお兄さんみたいになっちゃうからねえ?」
「あ~、ミアちゃんそうやって意地悪言うんだ~。酷いなあ」
「あのねえ、自称弟子やってるなら魔法薬くらい分かる様になりなさいよ! もう! 帰ったらしっかり叩き込んであげるわ」
「師匠ってば優しい~」
「調子に乗るな!」
2人の姿にエミリアとビルは小さく笑みを浮かべていたものの、マリアは真剣な表情で2人を見つめて口を開く。幼い顔は、誰が見ても真剣で、乙女の顔だった。
「ミアお姉ちゃんとギルさんは、付き合ってるの?」
問われたミアは驚きのあまり固まってしまった。付き合っている、そんな事は暫く経験していない。死の使いが恋人になってしまっている、ミアにとっては好きな人すら居ないのだ。
「ん~、俺はミアちゃんの弟子だよ?」
「弟子でもないわよ! マリアちゃん、私はギルと付き合ってないわ」
ミアの言葉にマリアは小さく笑うと、安心したように2人を見た。
「そっかあ! 良かった!」
そんな様子を見ていたエミリアは腕を組み何故か、頷いていた。
「いや~、今時の子は凄いねえ~。積極的! あたしも見習わなきゃ」
「いや、そこ見習うとこじゃねえだろ……」
ビルは苦笑いを浮かべていた。何を言っているのだろうか、自分よりも歳上な筈なのに抜けていると驚くエミリアを見つめていた。
「でもね、私ミアお姉ちゃんみたいになるの! 強くてカッコ良い大人のお姉さんに!」
「……あら、嬉しい事言ってくれるのね」
大きな瞳を輝かせて此方を見てくるマリアに照れ臭そうに、歯を見せて笑うとマリアの頭を優しく撫でた。
とても素直で、可愛らしい後輩にこれからの学校生活を思う存分に楽しんで欲しいと心から願う。
ミアはビルに目を向けると笑みを浮かべては、ビルの頭も撫でる。
「これからの学校生活はビルが欲しかったものが必ず、手に入るわ。一生の付き合いになる友達が、ね?」
「……俺、ミアに手紙送っても良いか?」
「ええ、勿論よ。どんな風に過ごしてるか楽しみに待ってるわ」
ミアは笑みを浮かべると、再び窓の外へと目を向ける。
学校の周囲は透き通る様なエメラルドグリーンの海、授業で良く使う森は学校の裏側、大きなグラウンドに囲まれ自然豊かだ。きっと、ここでの生活はたった2人で孤独に暮らしてきた兄妹からしたら、とても楽しい所になるだろう。
笑みを浮かべたミアの耳に、懐かしい鐘の音が届く。
「授業が終わったみたいね。……さ、私達は帰るわよ」
「わーん! ビルくんもマリアちゃんも元気でね! 何かあったら言うんだよー!」
「じゃあね、ビルくんマリアちゃん」
3人は笑顔で手を振るとホールを出る為に出口へと歩き出せば、背後から元気な返事が聞こえてくる。3人はその元気な声に同時に微笑んだ。
「またなー!ミア、絶対手紙の返事送れよ!」
「ミアお姉ちゃんも、エミリアお姉ちゃんも、ギルさんもありがとう! また、会いに来てねー!」
「ほんと、可愛い後輩が出来ちゃったわね」
ミアは面白そうに笑うと、外に出た瞬間風に靡く髪を右手で抑えては晴れた空を見上げた。これからは当分雨の時期に入ってしまう。
此処に居ればどんな時でも明るくなれる場所でもある。沈んでも、引き上げてくれる人達が必ず居るのだ。雨の日ですら楽しめるだろう。
「や~、終わったねえ~」
「ねえ、エミリア忘れてる事無い?」
「え、何?」
「……もう、上に何て報告するつもりだったのよ。血は取られちゃったじゃない」
「あ! そ、そうだった……」
「しっかりしなさいよ……」
呆れた様に慌てた表情を見せるエミリアを見れば、深い溜息を吐いた。
今回の事件は無事解決した、と言う事では済まないのだ。血を奪われてしまったと言う事は恐らく不老不死の魔法薬を作れる条件が、揃ってしまったのだ。
きっとこの事を魔法政府が知れば大騒ぎになる。不老不死を無効に出来る魔法薬はまだ、開発されておらず色んな研究者が研究を重ねているが難しい様だ。
「不老不死の魔法薬が本当に出来たとしたら、ミアちゃんはどうするの? 敵わない相手になるけど」
ギルの言葉にミアは立ち止まると、振り向き学校を見上げた。唯一の希望はエリザベスに託した書物だと、ミアは考えていた。この危機を脱却出来るのは稀血だと。
ギルとエミリアは横目で目を合わせると、再びミアへと視線を向けた。
「……それでも、私は追いかけ続けるわよ。希望は必ずある筈だもの。よく言うでしょ? 諦めたらそこで試合終了だ、って」
ミアは2人に笑顔を向けると再び歩き出す。長い髪を揺らしたミアに続いて歩き出す2人は、小さく笑っていた。
ミアは何があっても諦める気は無かった。両親を殺した集団を、組織を死んででも追いかけ続けると決めたあの日から。
そして、今は大切なものが増えたとミアはギルを横目で見た。弟子とは認めてはいないが、それなりに信用しても良いのではないか、と。
ギル含め可愛い後輩も出来たミアは自分の大切な人達が、平和に楽しく暮らせる未来を望んだ。
「さ、帰ったらギルはお勉強よ」
「え~、今日お店休みだよ~? 寝させてよ~」
「まだお昼よ? 今日は1日勉強、分かった?」
「ミアちゃんの明日の朝食、俺作んないからね」
「え!? 待って!? 何、2人共同棲してるの!?」
「あ、ちょ、エミリア肩揺らさないでってば!」
「えー! こんなイケメンと暮らしてるの!? 羨ましい~! あたしも彼氏欲しいよぉ」
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