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王城での食事についての裏設定
しおりを挟むセレスの気に入っている腸詰は、ハーブでしっかりと味付けされた肉肉しいソーセージです。
それほど脂が強くなく、それ単品で食べるには少しだけしょっぱく感じます。つけ合わせには味付けのされていない温められた水煮のホールトマト。スープのようにトロトロのトマトと塩っ気のあるソーセージの組み合わせはセレスにとって最高に美味しい朝ごはんです。
水分の多い黒パンはプンパニッケル。モチモチとした酸味の強い黒パンはチーズとの相性がとてもいいです。カッテージチーズでもクリームチーズでも。川の側ならサーモンのタルタルも美味しいはず。
腸詰、トマト、チーズとハチミツの黒パン。甘いしょっぱいの組み合わせで、この朝ごはんが最高!最高に美味しい!と思っています。
窓際を向いて座って食べるその後ろ姿が喜びでゆらゆらしているので、ヴィートは時々笑ってしまいます。そしてもっと美味しいものがあるのになぁとタウンハウスのヘッドシェフと同じことを考えたりするのでした。
昼と夜が王城の食堂のみで食べることになっているのは、各寮で賄うと無駄になることが多いからです。
自宅から王城に通っている人は夕食を食べませんし、昼時に急遽討伐に出たり、揉め事が起こって城外に出動要請がかかったりすることがあるので城内にいる正確な人数を把握できません。
もともと城内勤の人達の為の食堂でしたが、コスト削減の為に昼夜は王城のみとなったのでした。
王城の食堂は10時から21時の終鐘まで開いていますが、品ぞろえが良いのは11時~14時と17時~19時。それ以外の時間は配膳台の上には並んでいないので厨房に声をかけます。
魔術寮と騎士舎の食堂職員は昼と夜は王城の食堂で働いています。もちろんヴィートも王城に居るのですが配膳をすることはないので厨房の奥で仕事に励んでいると思います。
この国は流浪の民の子孫が起こしたので大陸中の調理法に精通しています。スパイスも使いますし、発酵食品も食べますが輸送手段の関係で割高になることも。
自国民の口に合わせてアレンジされているので各地の味とは違っていることもありますが、豊かな国ですので発祥の土地よりも美味しいです。
王都の周りは安全面から森を切り開いてしまったので魔獣や魔物の肉があまり潤沢ではありません。そのため食肉加工の技術も上がっていますし、養鶏養豚の技術も高いです。ただし魔物や魔獣の肉の方が遥かに美味しいので森を持っている領地から搬入されてもいます。そしてそれが領地の収入にもなるのです。
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