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宇佐美定勝
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どうすべきか・・・・・。
トントンと指で膝を叩きながら、景虎は悩む。
本庄実乃は腕を組んで目を瞑り、山吉豊守は黙って少し顔を伏せている。
どれほどそうしていただろう。景虎は、
「孫次郎」
と豊守を呼ぶ。
はっ、と豊守が、景虎の方を向く。
一呼吸置き、景虎が命じる。
「宇佐美弥七郎を呼んでこい」
「・・・・・承知しました」
一瞬、実乃の方を見た後、豊守は広間を出ていく。
「宇佐美弥七郎、参上しました」
ほど無く、宇佐美弥七郎定勝が広間に来た。
うむ、と頷き、景虎は、宇佐美定勝を眺める。
定勝は、宇佐美駿河守定満の嫡子で、定満隠居後は、宇佐美家の当主として兵を率いて戦さに出ている。
顔立ちは定満に似ているが、中身は才もなければ癖もない、真面目で真っ当な男だ。
「実は親父殿に、相談したい事があってなぁ・・・・」
景虎の言葉に、定勝は、はい、と答える。
チラリと定勝は実乃の方を見て、すぐに景虎に向く。
「使いを頼めるか?」
「承知しました」
定勝は頭を下げる。
景虎は定勝に、これまので戦況と、太原雪斎の言った和睦の話をした。
定勝は分かりやすく驚いた顔をしたが、景虎が、
「他言致すな」
と言うと、ハハッ、と頷く。
真面目な男だ。他言するなと言われれば、死んでも口を割る事はない。
宇佐美定勝はそういう男だ。命じられた事に忠実に従う。
だがそれだけだ。
長尾政景と同じで、信用できるが、信頼できない。
だが父親の宇佐美駿河守定満は、越後一の知恵者、切れ者宇駿。
信用はできないが、信頼はできる。
ここは定満の知恵を頼るしかない。
いや、頼るというより、縋るだな、と景虎は苦笑する。
トントンと指で膝を叩きながら、景虎は悩む。
本庄実乃は腕を組んで目を瞑り、山吉豊守は黙って少し顔を伏せている。
どれほどそうしていただろう。景虎は、
「孫次郎」
と豊守を呼ぶ。
はっ、と豊守が、景虎の方を向く。
一呼吸置き、景虎が命じる。
「宇佐美弥七郎を呼んでこい」
「・・・・・承知しました」
一瞬、実乃の方を見た後、豊守は広間を出ていく。
「宇佐美弥七郎、参上しました」
ほど無く、宇佐美弥七郎定勝が広間に来た。
うむ、と頷き、景虎は、宇佐美定勝を眺める。
定勝は、宇佐美駿河守定満の嫡子で、定満隠居後は、宇佐美家の当主として兵を率いて戦さに出ている。
顔立ちは定満に似ているが、中身は才もなければ癖もない、真面目で真っ当な男だ。
「実は親父殿に、相談したい事があってなぁ・・・・」
景虎の言葉に、定勝は、はい、と答える。
チラリと定勝は実乃の方を見て、すぐに景虎に向く。
「使いを頼めるか?」
「承知しました」
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景虎は定勝に、これまので戦況と、太原雪斎の言った和睦の話をした。
定勝は分かりやすく驚いた顔をしたが、景虎が、
「他言致すな」
と言うと、ハハッ、と頷く。
真面目な男だ。他言するなと言われれば、死んでも口を割る事はない。
宇佐美定勝はそういう男だ。命じられた事に忠実に従う。
だがそれだけだ。
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だが父親の宇佐美駿河守定満は、越後一の知恵者、切れ者宇駿。
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ここは定満の知恵を頼るしかない。
いや、頼るというより、縋るだな、と景虎は苦笑する。
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