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第三章 私のできること
9.続続運命の糸
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「もう・・!!そんなに笑わないで下さい。私も必死だったんですから。人が悪いのはシャノンですよ!」
私は必死でアイデンに抗議した。
「すまない・・それにしても、まさかリサが毒を飲んで倒れるという設定とは夢にも思わなかったが、リサの演技は最高だったよ。あははは・・」
アイデンの方は私の抗議など一向に気にしている風もなく・・この辺は流石シャノンの友だちというべきか、初対面から人を小馬鹿にしてるようなところがシャノンとそっくりに思える。
「それにしても、私、転生前のシャノンにそんなにそっくりなんですか?」
「そうなんだ・・。今見ていても、シャノンが生きてそこにいるようにしか見えない・・」
「以前、そういえばシャノンもドッペルゲンガーみたいなこと言ってました。その時は何のことだか分からなかったのですが、今やっと、理解しました。シャノンと私がそうだったんですね、とても不思議な感じがします」
「僕も、こうしていると、2年前に戻ったのではないかという錯覚に、陥りそうになるよ。ここにアルがいれば、もうそのまま2年前の僕たちだと思えてしまうだろう・・そんなことは絶対にありえないのだが・・」
アイデンの口調は少し寂しそうになった。
すると、黙って私達の会話を聞いていたシャノンが、口を挟んだ。
「私がいなくなってしまった後も、私のことを大事に思ってくれていたアイデンの気持ちは本当に嬉しい。でもアイデン、あなたは、もう現実を受け入れなければならないわ」
「分かっているよ」
「そして、もう一人、しっかりと現実を受け止めなければいけない人が・・」
会話を重ねる中で、シャノンがアイデンに向かってしゃべる時には、私は黙っておとなしくリサに身体を貸すという感じが分かってきた。そして、アイデンは、最愛の亡き人シャノンにそっくりな私に向かって、シャノンと私をその時々で区別しながら会話するという器用なことをやってのけていた。
「もうこんな時間ね。ティータイムでアルがやってくるわ」
シャノンが言った。
「そうだな。こんな危険で強引な方法になってしまったが、僕はこうして、今日、ここにやってきてよかったと確信した。リサに会って、シャノンと話ができて、今まで絡まっていた心の糸の端っこが見つかったような気がする。あの日、僕が湖でリサに会ったのはやはり、運命だったのだと思う」
「アルに会う決心をしたのね」
シャノンはとても優しい眼差しでアイデンの方を見ていた。アイデンはシャノンを最愛の人だったと言っていたがシャノンにとってもアイデンは、本当に大切な人だったのだと思った。
「うん、決めたよ」
「うん。私もそれがいいと思う。それが、あなた達にとって、今一番必要なことだと思うわ」
「アルは会ってくれるかな・・と言っても、もう、僕はリサの部屋に押しかけているのだから、リサに会いに来たアルは僕に会わざるを得ないけれどね・・」
「そうだね」
「頭の堅い、アルに、果たして、リサにしか見えない猫型妖精の可愛い黒猫に転生したシャノンのことが受け入れられるだろうか・・そこは心配だな」
「確かにね。アルはそういうところ、柔軟性に欠けるからね・・」
私は、じっと考えていた。2年前シャノンの身に何が起きて、命を失ってしまったのかは分からないが、シャノンもアイデンもアルベルト皇太子殿下のことが今もずっと好きなのではないのか。3人でいつも一緒にいたその仲良し3人組が、シャノンの死によってバラバラになってしまった原因が何なのか?
サルーン王国とのよくない関係はアイデン皇太子殿下とアルベルト皇太子殿下の関係と密接に関係しているのかもしれない。アイデン皇太子殿下の胸に絡まったまま解けなくなってしまった糸があるのなら、もしかしたらら、アルベルト皇太子殿下の心の中にも大きな糸の塊が固まったままあるのではないか・・。
だから、殿下は遠くを見ながらつらそうな顔をしていたのではないだろうか。ならば、シャノンの言うように、アイデン皇太子殿下とアルベルト皇太子殿下が直接会って話をすることは、非常に大切なことだと思えた。
私は必死でアイデンに抗議した。
「すまない・・それにしても、まさかリサが毒を飲んで倒れるという設定とは夢にも思わなかったが、リサの演技は最高だったよ。あははは・・」
アイデンの方は私の抗議など一向に気にしている風もなく・・この辺は流石シャノンの友だちというべきか、初対面から人を小馬鹿にしてるようなところがシャノンとそっくりに思える。
「それにしても、私、転生前のシャノンにそんなにそっくりなんですか?」
「そうなんだ・・。今見ていても、シャノンが生きてそこにいるようにしか見えない・・」
「以前、そういえばシャノンもドッペルゲンガーみたいなこと言ってました。その時は何のことだか分からなかったのですが、今やっと、理解しました。シャノンと私がそうだったんですね、とても不思議な感じがします」
「僕も、こうしていると、2年前に戻ったのではないかという錯覚に、陥りそうになるよ。ここにアルがいれば、もうそのまま2年前の僕たちだと思えてしまうだろう・・そんなことは絶対にありえないのだが・・」
アイデンの口調は少し寂しそうになった。
すると、黙って私達の会話を聞いていたシャノンが、口を挟んだ。
「私がいなくなってしまった後も、私のことを大事に思ってくれていたアイデンの気持ちは本当に嬉しい。でもアイデン、あなたは、もう現実を受け入れなければならないわ」
「分かっているよ」
「そして、もう一人、しっかりと現実を受け止めなければいけない人が・・」
会話を重ねる中で、シャノンがアイデンに向かってしゃべる時には、私は黙っておとなしくリサに身体を貸すという感じが分かってきた。そして、アイデンは、最愛の亡き人シャノンにそっくりな私に向かって、シャノンと私をその時々で区別しながら会話するという器用なことをやってのけていた。
「もうこんな時間ね。ティータイムでアルがやってくるわ」
シャノンが言った。
「そうだな。こんな危険で強引な方法になってしまったが、僕はこうして、今日、ここにやってきてよかったと確信した。リサに会って、シャノンと話ができて、今まで絡まっていた心の糸の端っこが見つかったような気がする。あの日、僕が湖でリサに会ったのはやはり、運命だったのだと思う」
「アルに会う決心をしたのね」
シャノンはとても優しい眼差しでアイデンの方を見ていた。アイデンはシャノンを最愛の人だったと言っていたがシャノンにとってもアイデンは、本当に大切な人だったのだと思った。
「うん、決めたよ」
「うん。私もそれがいいと思う。それが、あなた達にとって、今一番必要なことだと思うわ」
「アルは会ってくれるかな・・と言っても、もう、僕はリサの部屋に押しかけているのだから、リサに会いに来たアルは僕に会わざるを得ないけれどね・・」
「そうだね」
「頭の堅い、アルに、果たして、リサにしか見えない猫型妖精の可愛い黒猫に転生したシャノンのことが受け入れられるだろうか・・そこは心配だな」
「確かにね。アルはそういうところ、柔軟性に欠けるからね・・」
私は、じっと考えていた。2年前シャノンの身に何が起きて、命を失ってしまったのかは分からないが、シャノンもアイデンもアルベルト皇太子殿下のことが今もずっと好きなのではないのか。3人でいつも一緒にいたその仲良し3人組が、シャノンの死によってバラバラになってしまった原因が何なのか?
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だから、殿下は遠くを見ながらつらそうな顔をしていたのではないだろうか。ならば、シャノンの言うように、アイデン皇太子殿下とアルベルト皇太子殿下が直接会って話をすることは、非常に大切なことだと思えた。
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