普通に生きられなかった私への鎮魂歌

植田伊織

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煌めく琥珀に見守られながら、息子の障害を見つめてゆくのだ。

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 赤く染まった木々が夕日に照らされ、煌めく姿が琥珀に見えた。

 午前中に息子の運動会、午後に自主的に行っている療育の面談、それが終わったら公園めぐりの一日だった。遠足と運動会のきつきつスケジュールが終わり、ほっと一安心した。
 よく考えてみれば、未就学時代最後のイベントのほとんどが終わってしまった。まだお遊戯会が残っているとはいえ、あっという間に駆け抜けたような気がする。

なんとか人と一緒に同じことが出来た、初年度。

お遊戯中に私のもとに来てしまって、何もできなかった次年度。

そして、一人でがんばりきった今年度。

 ――有終の美を終えるかと思いきや、今日のイベントではダンスを全拒否で踊らなかった。障害物競走(アスレチック競争の簡単な奴)とリレーではぶっちぎりの一位だったけどね)
 成長している部分と、どうしても苦手な部分とを目前にして、「この先この子は一体どうなってしまうんだろう」と考えたり、「すごいぞ! こんなことまで出来るようになったんだ!」 と嬉しく思ったり。浮いたり沈んだり忙しい。

初年度は、専門的な療育を受ければ本人なりに、周囲に追いつけると思っていた。

次年度は、それが無理だと判って、本人なりの成長を喜べなかった。

今年初めて、息子は息子のペースで成長しているのだと真っ直ぐな気持ちで受け止められたように思う。

 今後も、障害を受容したり、受け入れられなかったりを繰り返しながら、我が子と向き合ってゆくのかも知れない。

 公園で遊んでいる時、注意しなければいけない出来事があって注意したら、大きな癇癪になってしまったから引き上げた。

 そばにいたお母さんが、驚いたようにこちらを振り返る。 ふと、午前中の運動会の出来事がフラッシュバックした。ダンスイベントで大泣きしてしまい、まったく参加できなかった息子を、誰かのおばあさんがふりかえったのだ。 もしかしたら、彼女らは心配してくれたのかも知れない。私にはそう思えなかったけれど。それでも、「しゃあねえだろ、そういう子も居るんだよ」

 と、半ば開き直りつつ、迷惑にならないようその場を退却した自分は、去年に比べて良いお母さんであるような気がしている。

琥珀のような木々を背にして帰路に就く。私は何も生み出せないし何者にもなれないけれど、こうやって紡ぐ一日は息子にとって、決して無駄な物ではないと思う。
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